Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《円形の大ピエタ》

《円形の大ピエタ》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランス絵画

執筆:
Pomarède Vincent, Thiébaut Dominique

ブルゴーニュ公フィリップ豪胆公(1363-1404年)のために制作された作品で、フィリップ豪胆公の紋章が絵の裏側に描かれている。おそらく公爵の宮廷画家であったジャン・マルエルによる作品だと考えられている。この《主の憐れみ》は、歴代のブルゴーニュ公たちが特別な信仰心を抱いていた三位一体のテーマを、キリストの苦悩のテーマに結びつけている。

ブルゴーニュ公のための作品

作品の裏側に描かれた紋章から、この《ピエタ》が、ブルゴーニュ公の宮廷に1397年から1415年にかけて仕えていたジャン・マルエルによって、ブルゴーニュ公爵フィリップ豪胆公(1363-1404年)のために制作された作品であることが分かっている。ナイメーヘンの出身と考えられているジャン・マルエルは、ランブール兄弟の叔父にあたり、フランス国王シャルル6世の妃であるイザボー・ド・バヴィエール(1371-1435年)に仕えた後に、ブルゴーニュ公の宮廷画家となった。ブルゴーニュ公ヴァロワ家の墓所となる、ディジョン近郊にあるシャンモルのカルトジオ会教会の造営事業に加わり、中でもクラウス・スリューテルによる彫刻作品《モーセの井戸》の金鍍金と彩色を手がけている。1864年にルーヴル美術館が購入したこの作品は、ジャン・マルエルの制作活動を物語る稀有な作品の一つに数えられる。

集約された動き

このピエタの場面を描くために、マルエルは板の形に適した構図を考え出した。こうして円形の切り抜きに人物像がぴったり沿うように描かれ、画面上の動きが、父なる神、キリスト、聖母、福音書記者聖ヨハネからなる主要な人物群に集約されている。
この作品の豊かな表現力によって、各々の人物が異なる感情を表わしている。例えば父なる神とともに死せるキリストを支えている数人の天使は、苦悩と絶望が刻み込まれた3つの表情を見せている。聖母が我が子の力の抜けた体にしがみつく一方、聖ヨハネは場面を悲しげに見つめている。この《ピエタ》は、父なる神、聖霊である鳩とキリストを結びつけているゆえに、聖三位一体を描いた作品でもある。

洗練された彩色

この作品の彩色は見事な洗練を見せている。聖ヨハネのマントに施されたバラ色がかった赤色が、天使の衣裳にも認められる一方で、聖母のマントと父なる神のマントの深い青色は、それぞれ微妙に色合いが異なりつつ互いに呼応している。

作品データ

  • ジャン・マルエル作

    《円形の大ピエタ》

    1400年頃

  • 板に卵液を使用した(?)テンペラ板の大きさに合わせて作成された額縁

    直径64.5 cm

  • フィリップ豪胆公所蔵、ブルゴーニュ公フィリップ善良公所蔵(1420年の目録による記録?)、トゥールーズのJ. ピュジョル・コレクション、1864年にピュジョルの競売による取得

    別称《主の憐れみ》

    M.I. 692

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ナルボンヌの祭壇聖布
    展示室2

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する


作品の補足情報

裏面:ブルゴーニュ公フィリップ豪胆公の紋章