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作品 《円柱に縛りつけられたキリスト》

絵画部門 : イタリア絵画

《円柱に縛りつけられたキリスト》

© 1998 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
イタリア絵画

執筆:
Maisonneuve Cécile, Thiébaut Dominique

作品はアントネッロの画家活動後期に(ヴェネツィアもしくはシチリアで)描かれた、個人的な礼拝のため用いられた絵画である。この作品は元々この大きさである。というのもアントネッロは、キリストの顔を大きく描き、絵のもつ悲壮感を強調するために、きわめて狭められた枠組みを用いているからである。

礼拝用絵画

キリストは、鞭打ちのための柱に縛り付けられ、茨の冠を被り、首に縄をかけられた姿で描かれている。画家は狭められた枠組みを選択することによって、このキリスト像を肖像画のように仕立て上げ、その結果観る者の注意は顔とその表情の激しさに集められている。後ろに傾いた頭、少し開いた唇、視線を天に向けたキリストは、あたかも陶酔状態に陥いろうとしているかのようである。更に作品には、キリストの受難におけるさまざまな出来事の象徴が認められる。例えば、キリストの受ける侮辱を表す茨の冠、鞭打ちの柱、十字架の担いを暗示する縄などである。
作品が小型のものであることから、これがこの絵画が瞑想を導くための個人的な礼拝用の絵画であることがわかる。15世紀に個人的信仰は大きく発展する。それと同時に、信徒の祈りや神聖なる犠牲への瞑想の支えとなる画像が数多く制作され、キリストの苦痛の表現力は、観る者に激しい感動を呼び起こすものになってくる。

洗練された手法

遠近法の諸法則や短縮法のきわめて高度な知識を熟知していることにより、アントネッロはキリストに荘重な存在感を与えるとともに、その受難の物語を描いた図にははっとさせるような真実味を付与することに成功している。そうした効果と相俟って、画面下部に描かれた縄の結び目は、だまし絵の効果によって、あたかも神に対し開かれた窓の縁に載っているかのように、絵の枠の上に置かれている。この驚くべき写実性によって、キリストの姿は生きているかのような印象を与えている。北方絵画の愛好家であり収集家であった、アラゴン家の諸侯たちの治めるナポリにおいて修行していた頃、アントネッロは油絵というフランドル地方の技法を学び始める。こうして、絵の具の層と、透明絵の具の上塗りの層とを重ね合わせることによって、影から光への変化の中に、奥行きとぼかしの効果を与えるとともに、緻密な筆致によって物の材質を再現し、キリストの髪や髭の一本一本に至るまでを再現することに成功しているのである。

アントネッロの活動後期における作品

その非常に高い完成度から、この絵画はアントネッロ・ダ・メッシーナの活動後期の作品と見なされている。彼がまだヴェネツィアに滞在していた1476年から、シチリアへと戻った1478年の間に制作されたと思われるこの《円柱に縛りつけられたキリスト》は、その複製や模写が数多く作られたことから判断して、多大な成功を博したことが分かる。この絵は、アントネッロの作品のうち、肖像画や小型の礼拝用絵画パネルなど、とりわけ個人客に好評だった作品における代表的なものである。

作品データ

  • アントネッロ・ダ・メッシーナ(メッシーナ出身、レッジョ・カラブリアにおいて記録あり、1457年-メッシーナ、1479年)

    《円柱に縛りつけられたキリスト》

    1476-1478年頃

  • 木に油彩

    縦30cm、横21cm

  • 1992年取得

    R.F. 1992-10

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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