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《冠のあるツルの習作》

©2001 RMN / René-Gabriel Ojéda

絵画
フランドル絵画

執筆:
Collange Adeline

ヴェルサイユ付属動物園で写生された、アフリカ産の別名「王の鳥」とも呼ばれている冠のついたツルが描かれた習作。王立ゴブラン制作所のタピスリーの動物モデルとして使用するためにボエルによって制作された、「自然主義的」作品の連作のひとつである。

ヴェルサイユ付属動物園の画家

ピーテル・ボエルはフランドル出身の画家で、彼の作品は動物画の分野に革命をもたらした。彼以前の画家たちは、エンブレムやアレゴリーとして用いるために、剥製の動物を見ながら動きのない作品を制作するに甘んじていた。一方でボエルは、ヴェルサイユの付属動物園で写生しながら素描や絵画を制作した。おそらく一種の画家のアトリエのようなものが設置されていたと思われるこの付属動物園は、周りに囲いがめぐらされた八角形の形をした小屋で、中には外来動物もしくは飼いならされた動物が半ば放し飼いで飼われていた。この動物園のお陰でボエルは生きた動物を研究することが出来、とりわけ外来産の鳥類の見事な連作を制作している。おそらく画家は、前もったデッサンなしに画布の上に下絵を頻繁に描いていたと考えられる。ここでは、冠のついた別名「王の鳥」とも呼ばれているアフリカ産のツルが描かれている。

自然と絵画・・・

入念な細部の描写で、画家は鳥に備わった異なる特性を綿密に描き留めている。黒く縁取られた明るい目、冠羽の綿毛のような繊細さと軽やかさ、鳥特有の華奢な首・・・これらの対象に対する忠実な描写は、一方で単純な記述の積み重ねを越えており、ボエルは動物たちを彼ら固有の自然な姿で描いている。こうしてこの習作の中では、わずかに前に傾き、片方の脚を折り曲げ、もう片方の広げた脚先によって体全体を支えている動きのあるツルの姿が表現されている。華麗な羽毛によって、ボエルは白・赤・黒の力強い色彩の対比を演出すことに成功している。これらの色彩の配置に見られる画家の自由で鮮やかな手法は、画家に備わった観察力の鋭さを証明しており、単なる科学の挿絵画家との間の明らかな違いを示している。

シャルル・ル・ブランによって編成されたグループの才能ある画家

ピーテル・ボエルは、王立ゴブラン制作所でのタピスリー制作に必要な下絵の制作においてシャルル・ル・ブランを補佐する専門画家(もしくは「才能ある」画家)の一員であった。作家による異なる動物の習作は、12月のタピスリー、もしくは王室のタピスリーとも呼ばれている作品の前景に登場している動物のモデルとなった。冠のあるツルの姿は、具体的には8月のタピスリーの中に認められる。画家による動物の総覧の価値を充分理解していたゴブランのアトリエは、ボエルによって制作された習作一揃いを大切に保管していた。もう一人の偉大な画家フランソワ・デポルトは、頻繁にこの画集から直接インスピレーションを受けており、実際にこの冠のあるツルの模写の一枚も保存されている(ジアン、国立狩猟博物館所蔵)。一方で、ボエルの残した遺産は単なるモデルの模写にとどまらない、絵画的な開放感に溢れる自然主義的技法であり、彼の後に連なる画家のジャン=バティスト・ウードリーや彫刻家のアントワーヌ・バリーといった偉大な作家の訪れを予告している。

出典

- FOUCART WALTER Elisabeth, Pieter Boel, 1622 - 1674, peintre des animaux de Louis XIV : le fonds des études peintes des Gobelins, catalogue d'exposition, Musée du Louvre, 2001, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, (Exposition-dossier du département des Peintures ; 60), 2001, p.88-89.

作品データ

  • ピーテル・ボエル(アントウェルペン、1622年‐パリ、1674年)

    《冠のあるツルの習作》

    1669‐1671年の間に制作

    ルイ14世コレクション

  • カンヴァス、油彩

    縦1.01m、横0.80m

  • INV. 3973

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ルーベンスと17世紀のフランドル絵画
    展示室17

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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