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作品 《凍りついた運河と道を下る二輪馬車》

絵画部門 : オランダ絵画

《凍りついた運河と道を下る二輪馬車》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
オランダ絵画

執筆:
Collange Adeline

16世紀にピーテル・ブリューゲル(父)によって絵画に取り入れられた、活気のある冬景色の主題は、17世紀に、とりわけイサーク・ファン・オスターデのような画家たちによって大変人気を博した。兄であるアドリアーンの下で学んだ後、イサークはひなびた田舎の風景を氷結した広大な景色の中へと移し入れた。画趣に富んだ群衆で活気を与えられたそれらの作品はしばしば、大きく対角線を軸として組み立てられている。ほとんど単色と言って良いほど限定された色階は、冷え冷えとした穏やかな調和を見事に創り出している。

活気のある冬の景色

16世紀にピーテル・ブリューゲル(父)によって絵画に持ち込まれ(例えば《スケートをする人々と、鳥の仕掛け罠のある冬景色》、1565年制作、ブリュッセル、ベルギー王立美術館所蔵)、次いでヘンドリック・アーフェルカンプによってさらに発展させられた活気あふれる冬景色の主題は、17世紀に大変な成功を博した。ハールレムで画家としての短い生涯を送ったイサーク・ファン・オスターデは、このジャンルを代表するもっとも趣深い画家の一人である。 兄のアドリアーン・ファン・オスターデから暖かみのある明暗法による農民の室内情景を描くことを学んだ後、イサークはひなびた田舎の日常生活の場面を壮大な風景画の中に描き入れる、より個性的な作風へとすぐ移行してゆく。1640年代に制作された作品の多くは、空と地を大きく分ける対角線に基づいて構成され、一種の斜め方向の力強さを生み出している。我々の視線は、徐々に小さく描かれてゆく人物の集まりに引きつけられながら、前景から後景へ、順に遠方の水平線まで導かれてゆく。

人々の庶民的な活力

イサーク・ファン・オスターデは、サロモン・ファン・ロイスダールの影響を伺わせるその大風景画に、忙しそうに立ち働く小さな人物たちの画趣に満ちた集まりを描くことによって活気を与えている。自らの農場の中でゆったりと肘をつく一人の男が、日常茶飯事のように氷上で終わることなく行き交う人々を観察している。少年が母親の横に並んで道を歩き、農民が干し草を積んだ荷馬車を引いており、一羽の取り乱した雌鳥が鳴いてその通過を告げている。二人の男がおそるおそる氷の上へと進み出ており、小舟の中にはおそらく向こう岸に見えている隣街に運ぶためのビール樽が積まれているのだろう。オスターデは、微妙な変化を加えつつ、いくつかのモチーフを好んで繰り返し用いており、それはこの画家の他の多くの作品にも見ることができる。例えばそれは、屈んでスケート靴を結んでいる男や、非常に明るい色の白馬であり、この白馬はイサーク・ファン・オスターデの作品中にきわめて頻繁に現れるため、ほとんどその署名代わりにすらなっている。これらの小さな好ましい人物や動物の生き生きとした様子は、兄アドリアーンの芸術のもつ庶民的な力強さに直接由来するものである。

洗練された単色の色遣い

兄の色彩豊かな芸術から離れ、イサークはきわめて高度に洗練された絵画芸術へと到達した。風景・人物を含む構図全体が、この繊細な冬の調和によって巧みに統合されている。ほぼ単色に限定された色階が、非常に繊細な淡彩画の中でゆらめいている。すなわち、青みがかった灰色の空、銀緑色で軽く着色された農場の黄褐色である。これらの冷ややかな色あいが、いくつかの衣服に見られる数箇所の赤色のタッチにより温かみを増している。しかし、この絵の主役は、場面全体に満ちて、きらきらと光る氷のあちこちに留まっている、輝くような大気である。凍りついた運河は、それとは分からないような絶妙さで青から黄土色へと色調を変え、それだけで、イサーク・ファン・オスターデのもつ才能のすべてを物語っている。

出典

- SUCHTELEN Ariane van, Holland frozen in time, The Dutch Winter Landscape in the Golden Age, catalogue d'exposition, La Haye, Mauritshuis, 2001-2002.

作品データ

  • イサーク・ファン・オスターデ (ハールレム、1621‐1649年)

    《凍りついた運河と道を下る二輪馬車》

    1640年代

  • カンヴァス、油彩

    縦1.08m、横1.54m

  • 1817年パリ、キャトルソル・ド・ラ・アントによる美術品売り立てにて取得。

    INV. 1689

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    オランダ 17世紀中頃と後半 ファン・オスターデ
    展示室33

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

署名:ISACK VAN OSTADE