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《刺を抜く女》

© 2007 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

これは、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館所蔵のブロンズ像制作の為のテラコッタの原型である。

1976年に再発見された小像

足から刺を抜くこの若い女(多分ヴィーナス)の小像は、ポンス・ジャキオの作品である。忘れられていたこの彫刻家は、ルネッサンス期には名匠の一人に数えられ、16世紀のフィレンツェの有名な美術史家ヴァザリがフランス人彫刻家として唯一名前を取り上げている。以前はブロンズを真似て濃い茶色の古色がつけられていたこのテラコッタの作品は、フランソワ・ジラルドン(ルイ14世時代の大彫刻家の一人)が所蔵していたもので、その蒐集品を紹介した1710年の版画集「ギャラリー」の中に登場する。その後有名な蒐集家クロザ家に入る。1772年にその跡を失う。その2世紀後の1976年の公開オークションで再びその姿を現す。1980年にルーヴル美術館に購入される。

傑作

この像は、1516年にラファエッロの工房によって制作されたローマのビッビエナ枢機卿の浴室のフレスコ画に想を得たのであろう。ポンス・ジャキオは1553年から1556年までローマで働いた際にこのフレスコ画を見ることができたか、または版画によって知る事ができたであろうと推定される。何れにしても、この小像は、その優雅なポーズ、長く伸びた体のプロポーション、小さな胸、引き締まった肉付け、ディアデーマ(環状髪飾り)で押さえられた洗練された髪型をしてルネサンス期のフランスの造形の傑作と成っている。曲がった首筋、丸くなった背中、落ちた肩、腕の姿勢、相反する四肢が線による絶妙な調和を成し、全角度からの小像の鑑賞へと誘う。カノンの控えめな伸び、逞しい腕、強調された刻みで大きく見開いた目を持つ規則的で厳格な顔は、ジャキオがサン=ドニの王アンリ2世の墓碑の為に制作した2体の徳の寓意像《慎重》と《節制》に似る。

ブロンズ小像の原型

このテラコッタがロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館の小像のようなブロンズ小像の為の鋳造の原型であることは間違いない。実際、顔と背中に切り込みの跡があり、これは複数の部分鋳型を制作するため鋳型制作師が刀で残した痕跡のようである。これほどまで繊細な小像の足の指または髪房等の細部が未完成であることから、細部は鋳造後にブロンズ上で鋳金されたという仮説が成り立つ。愛好家の趣味向けの小ブロンズ像制作はイタリアでは盛んだったが、ルネッサンス期のフランスでは非常に珍しかった。しかし、彫刻家がその制作を実行していたことは、その遺書によって知られている。

出典

- BRESC Geneviève, « La Tireuse d’épine de Ponce Jacquiot », in Nouvelles acquisitions du département des sculptures (1980-1983), Paris, 1984, pp.35-37.

- RADCLIFFE Anthony, « Ponce et Pilon », in Germain Pilon et les sculpteurs français de la Renaissance, Actes du colloque, Louvre 1990, Paris, 1993, pp.289-291.

作品データ

  • ポンス・ジャキオ、レテル、1527年以降知られる-パリ、1572年

    《刺を抜く女》

  • テラコッタ

    高さ0.26m、幅0.22m、奥行き0.14m

  • 彫刻家ジラルドンの蒐集品、後にクロザ蒐集品、1980年取得

    R.F. 3455

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    プリウール
    展示室15b

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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