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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《動物を魅了するオルフェウス》

Orphée charmant les animaux

素描・版画
18世紀

執筆:
Bartolucci S.

この素描《竪琴の音で動物を魅了するオルフェウス》は、カデスが神話的主題に取り組んだ多数の作例の中の一つである。実際、18世紀後半のヨーロッパは、古代史と神話の再発見に沸き返っていた。それでもカデスは、古代に対するきわめて個性的なアプローチを展開したので、同時代の画家の中でも独立した位置を占めている。

愛を歌うオルフェウス

1780年代の作とされるこの素描は、おそらく装飾画(あるいは多分版画)のための準備習作と考えられる。この装飾画(版画)からは唯2枚の自筆ではない素描が残されているのみである。この作品は二場面からなり、背景には動物を魅了するオルフェウス、前景には解釈の難しい変わった擬人像が描かれている。おそらくヴィーナスと思われるこの女性擬人像は、多分ウルカヌスのものと思われる鉄床を打っている3人のアモルを指している。ここで騒音を連想させる場面とそれとははっきり対照をなす音楽的な場面の双方が関連付けられているのは、おそらくオウィディウスがオルフェウスの恋愛の波瀾を語った『変身物語』(8世紀)の第10巻を、自由に皮肉を交えて解釈したところから生れたものと思われる。妻エウリュディケを黄泉の国から連れ戻すのに失敗したオルフェウスは、トラキアに引きこもり、女性に対する愛を断念し、教育に専念するようになった。オルフェウスは、ギリシアのこの地方の民が、青年になる前の子供により関心を持つよう促したのである。

古代趣味

18世紀後半のヨーロッパは、古典古代を新しい眼差しで見るようになった。オリエンタリスム(東方趣味)やとりわけエジプト狂といった新しい流行が、芸術家や知識人のサークルを刺激した。カデスは、古代やルネサンス絵画に対するきわめて個性的な作風を展開したため、ほどなくしてローマの美術界の周縁に追いやられるようになる。カデスの作品の中で、皮肉を交えて扱われた古代史と神話は、人間の情熱が燃えさかる内面世界の投影となったのである。同時代の芸術家に支配的であった、歴史と古代についての偏りのないヴィジョンは、カデスの場合、メランコリーな性格とその暗く苦悩に満ちた実存的な経験によって変容されている。

「彫刻的」な素描

カデスは、石の表面を刻む彫刻家のようにこの素描を描いた。この素描は、石棺の浅浮彫や神殿の破風(はふ)のような効果を生み出している。ほとんど抽象的と言ってよい白地は、表現された主題の重要性を強調している。カデスは、オルフェウスの魂と動物の魂の双方に浸み入るかのような音楽の効果を生き生きと表わしている。様式的な観点から見れば、この素描は、輪のような曲線の生き生きとした線描による、カデスのきわめて完成度の高い作風を示す格好の例である。こうしてカデスは、彫像のように空間を占めるどっしりした立体感を描き出したのである。

出典

- Les Métamorphoses d'Orphée, cat. exp. Tourcoing, musée des Beaux-Arts, Strasbourg, Ancienne Douane, IXelles, musée communal, 1995, notice 40.

- CARACCIOLO Maria Teresa, "Storia antica e mitologica nell'arte di Giuseppe Cades", in Quaderni sul neoclassico, n 4, 1978, Miscellanea, Rome, pp. 79-84.

- CARACCIOLO Maria Teresa, Giuseppe Cades 1750-1799 et la Rome de son temps, Paris, 1992, n 67A, pp. 257.

作品データ

  • ジュゼッペ・カデス(ローマ、1750-1799年)

    《動物を魅了するオルフェウス》

    1780年

  • ペンと褐色インク、黄土色、褐色、ピンクと灰色の淡彩

    縦14.5 cm、横38 cm

  • ラゴワ侯爵コレクション、J. A. デュヴァル・ル・カミュ・コレクション、カランド・コレクション。1970年にルーヴル美術館により取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

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