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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《十字架のキリスト》
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Le Christ en Croix
素描・版画
19世紀
きわめて感性豊かな、このモデルの写生に基づく素描は、パリのサン=ジェルマン=デ=プレ教会(1855-1861)の身廊右側の第四の柱間を占める絵画作品のための準備習作である。そこで、《カルヴァリオ(ゴルゴタの丘)でのイエス=キリストの死》と、ソリメーナに想を得た《イサクの犠牲》は、対作品となっている。この素描の画面右側には、絵画の決まり事に則って、腰布の位置を示した部分習作が描かれているのに対し、フランドランにとってこの習作が重要であったことを物語る、付け加えられた透写紙には、やや異なったキリストの頭部が描かれている。
穏やかな神秘主義者
イポリット・フランドランの素描作品および絵画作品は、穏やかで夢見るような神秘主義の跡をとどめた、理想化された表現を特徴とし、それは準備習作にまでうかがえる。この男性の裸体習作でも同じことが言え、キリストの顔が、苦しみや痛みではなく、内省や穏やかさを表わしている。ここでは、強い黒の描線によって、しなやかに描き出された身体の輪郭が強調され、それとは対照的にハッチングで陰影をほどこされた十字架の縦木から、くっきりと浮かび上がっている。この十字架の縦木は、フレスコ画ではイエスの体によって隠されることになる。兄イポリットと共同で、内陣と使徒の礼拝堂の制作に当たったポールは、イポリットの顔を、《磔刑》、《カルヴァリオの丘昇り》、《エルサレム入城》におけるキリストの顔として描いている。この絵画連作は、大方アングルの元の弟子が担った、19世紀中頃におけるモニュメンタルな宗教装飾の復活を物語っている。
複数の制作者と典拠による、統一された連作
フランドランは、4つの注文を続けて受けた結果、サン=ジェルマン=デ=プレ教会の内陣(1843-1846年)、使徒の礼拝堂(1847-1848年)、身廊(1855-1861年)、トランセプト(交差廊)(1862年に弟のポールが完成)、それぞれの絵画を様々なテーマで制作した。注文を分割して振り分け、こうして選ばれた幸せな画家の数を増やすことを好む行政の慣習に反して、この連作はイポリットによる統一性を特徴とする。とはいえ、イポリットには、内陣と礼拝堂のために弟のポール、それからラモット、パニョン、身廊のためにポンセとガスティーヌという共同制作者がいた。イポリットの作品には、他の連作や、異なる時代の図像表現、他の諸作品といった、様々な源泉が影響を与えている。全般的な色調にはアッシジの壁画連作の影響が見られるが、イポリットに直接影響を与えたのは、ラファエッロととりわけヴァティカンのロッジア装飾である。ブールジュ大聖堂のステンドグラスの連作でも、イポリットが対応させたのと同様に、『旧約聖書』と『新約聖書』の場面が交互に登場している。イポリットが、ラファエッロを通して「聖母横臥像」のビザンティンの図像表現に影響を受けたのに対し、内陣の使徒の表現には、チマブーエ、ジォット、ヴェネチア派の巨匠の影響が見られ、シャンペーニュやもちろん師匠アングルの影響も見て取れる。
「[…]宗教の全体を描く」(サン=ピュルジャン神父)
大アーケードの上の壁は2つの帯に区切られており、その左側が『新約聖書』から取られた場面で飾られているのに対し、その右側は『旧約聖書』に割り当てられている。壁の上側は、孤立していたり、群れをなしていたりする『旧約聖書』の人物の羅列で占められており、この列は、内陣のステンドグラスを予告する見せかけのアーケードに描かれた洗礼者聖ヨハネで終わる。その上には、聖書から引かれた銘が記されている。奇妙なことに、聖人たちは入り口から祭壇に向かう信者の歩みに合わせて行進するわけではなく、祭壇に向かって集合せずに、左側の入り口を起点に、内部空間の中心の周囲と、次いで内陣の周囲をぐるりと回り、右側の身廊に沿って行進を終えるのである。
出典
- FLANDRIN Marthe, FROIDEVAUX-FLANDRIN, Les frères Flandrin, trois jeunes peintres au XIXe siècle : leur correspondance, le journal inédit d'Hippolyte Flandrin en Italie, Paris, 1984.- FOUCART Jacques, Hippolyte, Auguste et Paul Flandrin : une fraternité picturale au XIXe siècle, cat. exp. Paris, musée du Luxembourg, Lyon, musée des Beaux-Arts, 1984-1985, n 65.
- HORAIST Bruno, "Hippolyte Flandrin à Saint-Germain-des-Prés", in Bulletin de la Société d'Histoire de l'Art Français, 1979, pp. 211-232.
作品データ
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イポリット・フランドラン(リヨン、1809年-ローマ、1864年)
《十字架のキリスト》
1855-1861年
イポリット・フランドラン・コレクション、フランドラン夫人コレクション、1865年に寄贈
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ベージュ色の紙に鉛筆、ます目、透写紙の断片に頭部の描き直し、ベージュ色の紙に両手の指先の描き直し
縦29.90 cm、横23 cm(付け加えられたベージュ色の紙を含めると25.60 cm)
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Collection Hippolyte Flandrin ; collection Madame Flandrin ; donation en 1865
37983
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保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
