Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《十字架の担い》

作品 《十字架の担い》

絵画部門 : オランダ絵画

《十字架の担い》

© 1993 RMN / Gérard Blot

絵画
オランダ絵画

執筆:
Kazerouni Guillaume

レイデン(エンヘブレヒトゾンやその息子達は「ハガル」の画家の作風に近い)やアントウェルペンで展開されたマニエリスムともみなされるゴシック後期の熟達した表現主義の特徴的な例である。

正体不明の画家

1993年のルーヴルによる取得まで全く知られていなかったこの作品は、見事な状態で保存されている。輝く色彩が作品を活気づけ、「十字架の担い」という主題のもつ劇的な性格をほとんど忘れさせてしまうほどである。作風の共通点から、作品は当初オランダの後期ゴシックの代表的存在であるレイデンの画家コルネリス・エンヘブレヒトゾンの周囲の画家らに関連づけられた。より正確に言えば、作品は、ウィーン美術史美術館に所蔵されている傑作に基づいて名付けられた「ハガルの追放」の画家のものではないかと考えられているのである。この画家はレイデンで1510‐1520年頃活動していた。

多彩な影響

パティニールの風景を彷彿とさせるフランドル風の風景を背景に、十字架の重みで体を曲げるキリストの周囲にひしめく群衆が描かれている。キリストの前では聖女ヴェロニカが聖骸布を示している。作品の鮮やかで輝くような色彩は、動きのある服の襞の力強いデッサンによって揺り動かされ、強い視覚効果を生み出している。それに、明瞭な輪郭で描かれた人物像のぴんと張った体型を付け加えることができる。これらの要素は、現在画家のものとみなされている幾つかの作品の中にも見受けられ、アントウェルペンのマニエリスムとレイデンの画風とを巧みに混ぜ合わせた様式を引き立てている。

個性的な流派

レイデンとアントウェルペンは16世紀初頭における芸術上の重要拠点であった。そこに発達していた芸術は、国際的ゴシック様式と、その過剰な装飾への傾向とがいまだに深く浸透していたが、マニエリスム的洗練をも同様に示すものであった。そこでは豪華な衣装や被り物、宝石に飾り立てられた女性像が頻繁に描かれ、古典的な装飾様式がゴシック的要素と混ざり合っている。この流派はとりわけフランスに多大な影響をもたらし、ゴティエ・デ・カンやノエル・ベルマールといった画家の作品にその特徴が認められる。アントウェルペンのヤン・デ・ベールや、レイデンのルーカス・ファン・レイデンなどもこの流派の代表的な作家として挙げられる。アントウェルペンで制作された絵画はレイデンのそれよりもよく知られているが、それはレイデンが、その他のネーデルラントの北方都市と同様、多数の聖画像の損失をもたらした1570‐1580年代の激しい聖画像破壊の嵐に見舞われたためである。これらの作品は非常に珍しいことから、このルーヴルのパネルの質の高さには、とりわけ貴重な性格が加わっている。

作品データ

  • 「ハガルの追放」の画家 (レイデンで活動、1510-1520年頃)

    《十字架の担い》

  • 油彩 板

    縦85cm、横60cm

  • 1993年、ルーヴル友の会による寄贈

    R.F. 1993-16

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ネーデルラント 16世紀 展示室I・II
    展示室10

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する