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作品 《十字架の道、聖顔布を顕示する聖ウェロニカ》

素描・版画部門 : 16世紀

Le chemin de croix, sainte Véronique présente la Sainte Face

素描・版画
16世紀

執筆:
Mancini Béatrice

《ピエタ》および《キリストの受難》は、16世紀初めのフィレンツェでよく描かれた主題である。フラ・バルトロメオによるこの《十字架の道》はその例の一つであり、そこにはキリストと聖ウェロニカとの出会いにおける主だった人々が描かれている。さらにこの小さな素描は、当時のトスカーナ地方の美術界において北方諸派が及ぼした影響を示している。すなわち、その構図は、ドイツ人画家マルティン・ショーンガウアーの版画から取られたものなのである。

ゴルゴタの丘へ

1500年にドミニコ会修道士となった際、フラ・バルトロメオの名を名乗るようになったバッチオ・デッラ・ポルタは、ショーンガウアーの《十字架の道》に登場する四人の主要人物をこの作品で再び描いている。この版画では、キリストの後ろにひしめく群衆と建物が描かれているが、ルーヴルの素描では、聖ウェロニカが一行の進行を遮るところに重点が置かれている。どちらの場合でも、他の人物が横向きに描かれているのに対し、キリストは正面を向き、存在感を示している。聖母マリアは左の方に立って、そのマントを顔まで持ち上げている。ウェロニカはそばに腰を下ろし、キリストの方を向いて、聖顔の現われたヴェールを手に持っているが、聖顔には荊(いばら)の冠は被せられていない。聖女は、ゴルゴタの丘へと向かうキリストと死刑執行人との歩みを妨げる。キリストはやや右脚で歩を進めつつも、限りなく優しい眼差しでウェロニカを見つめているが、一方の刑吏は、聖女の介入を気にするそぶりも見せず、歩をゆるめようとはしていない。

イタリアにおける北方諸派の影響

北方諸派の版画の出版は、15世紀終わりのイタリアで流行した。トスカーナ地方の芸術家らに対するその影響は、ヴァザーリがその『画家・彫刻家・建築家列伝』で記しているように、16世紀を通して著しいものであった。アルブレヒト・デューラーやマルティン・ショーンガウアーの作品をバッチオはきわめて称賛し、いくつかの風景画および人物画の制作に採り入れている。ここで描かれている《十字架の道》には、いくつもの要素を通して、作者がドイツの版画を正確に知っていたことがうかがわれる。例えば、女たちのゆったりした衣襞は、入念に彫り込まれたオリジナルの版画に忠実に描かれている。同様に、ヴェールをまとった聖母マリアの悲愴感あふれる描写、およびキリストの哀願するような表情は、ショーンガウアーから取られたものである。さらに、素描は当時の慣習に従ってペンとインクにより描かれているが、そのハッチングおよび交差する描線の技法は、版画の線状的な画法を思わせる。

サヴォナローラとキリストの受難の連作

《キリストの受難》および《ピエタ》という、フラ・バルトロメオの時代にきわめて好まれた二つの図像表現は、15世紀末のフィレンツェの象徴的人物であったジローラモ・サヴォナローラの著書の中で繰り返し現われるテーマでもあった。このドミニコ会修道士は、著名な神学者でもあり、ヴァザーリの言によれば、説教によって人々を奮い立たせることはできたが、町に騒擾を引き起こした廉(かど)で1496年、裁判に付され、その二年後には処刑されてしまう。フラ・バルトロメオはこの修道士と知り合い、それが理由で、1500年、フィレンツェの聖マルコ修道院に入ることを決心するのである。1489年に、サヴォナローラは、その修道院に呼ばれて院長となっていた。《十字架の道》の制作年は未詳である。美術史家は一般に、北方諸派の版画との密接なつながりから、それを1490年から1500年の間としている。この仮説は、この図像テーマの選択と、画家とサヴォナローラとの出会いとの関係から、より一層裏付けられる。

出典

- BENCISTA L., L'età di Savonarola. Fra Bartolomeo e la scuola di San Marco, cat. exp. Florence, palazzo Pitti et museo di San Marco, 1996, éd. Marsilio, Venise, 1996, p. 227.

- FISCHER Chris, Fra Bartolommeo et son atelier : Dessins et peintures des collections françaises, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1994-1995, éd. Réunion des musées nationaux, pp. 24-25, rep. n 2.

- HOFF C., Visions Capitales, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1998, éd. Réunion des musées nationaux, Paris, 1998, p. 157, notice 10.

- VASARI Giorgio, Les Vies des meilleurs peintres, sculpteurs et architectes, traduction et édition sous la direction d'André Chastel, 2e éd. - Ed. Berger-Levrault, Paris, 1989.

作品データ

  • バッチオ・デッラ・ポルタ, 通称フラ・バルトロメオ(ソッフィニャーノ、1472年-フィレンツェ、1517年)

    《十字架の道、聖顔布を顕示する聖ウェロニカ》

    1490-1500年

  • ベージュ色の紙にペン、褐色インク、サンギーヌ、白のハイライト、全体を別紙に貼付

    縦0.140 m、横0.196 m

  • エメ=シャルル=オラース・イス・ド・ラ・サル・コレクション、 1878年に寄贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

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