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作品 《受胎告知》《マエスタ》《キリストの洗礼》

彫刻部門 : 中世のフランス

《受胎告知》《マエスタ》《キリストの洗礼》

© 2008 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
中世のフランス

執筆:
Gaborit Jean-René

石灰岩の塊3つに彫られたこの大型浮彫りは、1835年にカリエール・シュル・セーヌのサン・ジャン・バティスト教会で、聖母の祭壇の後ろに隠されているところを発見された。「マエスタ〔荘厳の聖母〕」の両側に「受胎告知」と「キリストの洗礼」が表現されている。おそらく、フランス北半分に残る祭壇彫刻としては最古の作例に数えられる。古風な表現も見られるが、ロマネスクからゴシック様式への転換期の特徴をよく示している。

祭壇画

12世紀は、祭壇のしつらいが変化した時期として注目される。それまでは、人物や動物像の有無にかかわらず、装飾は祭壇の前面だけにほどこされ、側面と背面が飾られることはごく例外的だった。そこへ、祭壇後方に位置する壁面にこうした装飾を広げたり、あるいは祭壇の上に祭壇画や祭壇彫刻を立てたりする方法が現れた。

作品記述

祭壇画や祭壇彫刻は司祭の前に置かれ、信者たちの視覚に訴えるという意味で非常に重要である。たいてい図像プログラムに沿っており、教義の根本を説き主張する役割を担う。カリエール・シュル・セーヌでは、「荘厳の」聖母が祭壇彫刻の中央で玉座についている。その右には「受胎告知」場面が表現されているが、天使の髪型は細い帯を巻きつけた奇妙なものである。衣服は、あらゆる重力から自由であると暗示するためだろうか、「釣鐘形の」襞を作って持ち上がっている。左は「洗礼」場面である。キリストの身体には(おそらく遠慮から)手を加えてある。キリストがヨルダン川から半身を出し、左には毛皮をまとった洗礼者聖ヨハネ、右には多分キリストへ布を渡そうとする天使がいる。両側の2場面では、天使の翼が枠飾りの上にはみ出しており、天使が地上世界に属さないことを示すかのようである。

来歴

この作品は長い間人目に触れなかったため、ポリクロミー〔多色彩色〕の痕跡がよく残っており、作業が少なくとも2期に渡ったことが確認できる。
様式の面からいうと、この作品の位置づけはかなり困難である。古くからの伝統を示す部分(祭壇彫刻の3面を囲む、動物のほか人物までが絡まる唐草模様モチーフなど)と、新しい形体とが同居している。つまり人物像は完全に背景から離れ、そのためある意味で自立している。上部の建築を模した装飾(「天のエルサレム」の表現ともされる)は、人物像の方に合わせてあり、もはや人物に不自然な姿勢を強要することもない。
いくつかの細部には、シャルトル大聖堂の王の扉口にある柱頭との類似が見られる。しかし、カリエール・シュル・セーヌ(かつてのカリエール・サン・ドニ)はサン・ドニ修道院に付属しており、かの修道院長シュジェールがこの地に特別な関心を寄せていたことが知られる。それでもこの祭壇彫刻は、サン・ドニで発見された《使徒たちの浮彫り》より進んでおり、修道院の西正面扉口より洗練されているようだ(しかし後代の手が入っているために、評価は難しい)。

作品データ

  • 《受胎告知》《マエスタ》《キリストの洗礼》

    12世紀第3四半期

    1835年カリエール・シュル・セーヌ(イヴリーヌ県)のサン・ドニ修道院付属教会で工事中に発見された祭壇彫刻

  • 石灰岩、ポリクロミー〔多色彩色〕の痕跡

    高さ0.90m、幅1.84m、奥行き0.19m

  • 1915年ジュール・モーリス・オデウの遺贈金により収蔵

    カリエールの祭壇彫刻

    R.F. 1612

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    サン=ドニ修道院
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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