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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《噴水のヴィーナス》

Vénus à la fontaine

素描・版画
17世紀

執筆:
Prat Louis-Antoine

制作年がプッサンの生涯の晩年に当たるこの素描は、知られているどの絵画にも対応しないものの、確かに画家本人により制作されたものだと思われる。それは、おそらくある古代のテクストを図解しようとしたものと考えられる。ここでプッサンは、美、愛、豊饒を同時に謳い上げようとしたのだろう。

古典の読み込み

プッサンは、古典古代の著述家を読み込み、精通していた。ここではプッサンは、ブレーズ・ド・ヴィジュネールのフランス語版を通して知っていたギリシア人フィロストラトスの『エイコネス』(第1巻6章)におそらく想を得たものと思われる。この素描では、ヴィーナスが愛の泉に肘をついて、鏡に自分の姿を映している。ヴィーナスの後ろには、豊饒の神であるプリアポスの彫像が立っている。前景では、9人のアモルが、ヴィーナスに献上しようと野兎を楽しげに追い回している。こうしてここでは、愛、美、豊饒のテーマが交錯しているのである。

裏面の日付

プッサンの素描の制作年代を特定するのは必ずしも容易ではない。その点に関して、この素描はきわめて特殊である。というのも、ここでは、アントワーヌ・ブゾネ=ステラという若い画家がプッサンに自己紹介した、1657年8月17日付けの書簡の裏面が素描のために用いられているからである。それゆえ、この日付以前に作品が描かれたことはありえない。この素描を基にしたプッサンの絵画は存在しないものと思われるが、逆にブゾネ=ステラ自身は、そこからこれに近い絵画の着想を得たのである。

震える手

プッサンは、1640年代初頭以降、時折手が震えるようになり、晩年にこの病気はますますひどくなった。とりわけここでは、小さなアモルの体の輪郭を描く筆の線において、こうした手の震えが認められる。画面左側に立っているヴィーナスに関しては、プッサンは右腕の位置について躊躇し(体に沿うか、髪を整えるか?)、結局3本もの腕を描いている!惜しげなくほどこされた美しい濃褐色の淡彩は、右側の葉の茂みにアクセントをつけ、画面中央の泉の水盤の力強い幾何学的な形態を一層強めている。

出典

- PRAT Louis-Antoine, ROSENBERG Pierre, Nicolas Poussin 1594-1665 : Catalogue raisonné des dessins, 1994, II, n 366

作品データ

  • ニコラ・プッサン(レ・ザンデリー近郊のヴィエ、1594年-ローマ、1665年)

    《噴水のヴィーナス》

    1657-1660年頃

  • ペン、褐色インク、褐色の淡彩

    縦0.256 m、横 0.232 m

  • 1878年にイス・ド・ラ・サルによるルーヴル美術館への寄贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

裏面にアントワーヌ・ブゾネ=ステラのプッサン宛の書簡