Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《四人のムーサの群像、「エジプトへの逃避」のための習作》

作品 《四人のムーサの群像、「エジプトへの逃避」のための習作》

素描・版画部門 : 16世紀

Groupe de quatre muses

素描・版画
16世紀

執筆:
Bartolucci Sara

《四人のムーサの群像》および《エジプトへの逃避》は、同じ用紙の両面に描かれた素描であり、タッデオ・ツッカロの行った様式の追究、そしてその画面構築の手法を知る上できわめて重要な手がかりとなっている。同時期に、しかもさまざまに異なる作品群との関連のなかで仕上げられたこれらの素描は、タッデオの画家としての短い活動期間の最晩年を理解するために重要なのである。

《四人のムーサの群像》

1559年にタッデオ・ツッカロは、ステファノ・デル・ブファーロの注文により、ローマのパラッツォ・デル・ブファーロ内の、カシーノのロッジアの天井に《カスタリアの泉のほとりのムーサたちとパルナソス山》を描いたが、この素描の表に描かれた四人の女の群像は、その作品のための複数の準備作に関連するものである。1880年の邸宅取り壊しの際、絵画はカンヴァスに転写され、現在はローマのパラッツォ・チェンチに所蔵されている。だが、素描とフレスコ画とを厳密に比較してみると、両作品がまったく重なり合うわけではないことに気づく。仮説としてもっとも妥当と思われるのは、ルーヴルの素描と最終的なフレスコ画との間に中間段階が存在した、と考えるものだ。とは言え、二つの作品に共通する要素は多い。人物の数は同じであり、身体の姿勢も転写された絵の中でそれほど変わっておらず、衣服のひだが描き出す身体の輪郭も非常に似通っている。素描の右側には、フレスコ画の実際の外枠に正確に合うところを示す線が引かれているのがわかる。作風の観点からすると、このフレスコ画は、晩年のツッカロの柔軟で洗練された画風を示す理想的な例である。例えば、ツッカロは黒チョークで描いた輪郭線に、筆先で淡彩を施している。これらの技術的要素と、筆先およびサンギーヌの淡彩で描かれた素描とを結びつけて考えることはたやすい。また、形態上の分析から得られるこの年代推定は、1560年代末における装飾画の連作の完成時期とも合致している。

《エジプトへの逃避》

ルーヴルの素描裏面に、ツッカロは、1558年から1859年にかけてローマのサンタ・マリア・デ・ロルト・ア・リーパ教会で制作した《エジプトへの逃避》のための習作を描いている。この作品は、ツッカロ兄弟がローマの教会で制作した連作に描かれているエピソードのうちの一つにすぎない。フレスコ画には同様に《降誕》、《聖母の婚礼》、《聖母のエリサベツ訪問》が含まれているが、これらはどちらかと言うとフェデリーコの作とされている。もっとも、この説は広く受容れられているとは言え、画風と構図の多くの点から見て、それらの様々なエピソードに同一人物による筆致をはっきりと認めることは困難である。ジョルジョ・ヴァザーリは1568年の『芸術家列伝』において、サンタ・マリア・デ・ロルト教会のフレスコ画の連作全体が、フェデリーコ・ツッカロの作と認め得る最初の作品であるとする説を唱えている。注文がなされたのは兄のフェデリーコに対してであったが、彼は、弟がその仕事を自分で進めるための十分な技能をすでに身に付けていることを確信していた。また、制作計画における、図像表現形式の高い水準と複雑さからすると、当時まだ画家としては若かったフェデリーコが、たった一人でそのフレスコ画を完成させたとは考えがたい。しかしながら、ツッカロ兄弟の共同制作の代表的な例であるこの連作において、それぞれの筆致を見極めようとする試みは、単なる批判分析の域を出ないことは確かである。

出典

- BACOU Roseline, Le Seizième Siècle européen. Dessin du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1965, p. 58, notice 28, pl. XXXI.

- BOUBLIi Lizzie, L'Oeil du connaisseur. Hommage à Philip Pouncey, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1992, notice 54, p. 91-93, p. 92, fig. 54, 52a.

- GERE John A., Dessins de Taddeo et Federico Zuccaro, XLIIe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1969, notice 19, p. 29, pl. VI.

- VIATTE Françoise, Roman Drawings of the Sixteenth Century from the Musée du Louvre Paris, Chicago, The Art Institute of Chicago, 1980, p. 158, notice 70, fig. p. 159.

作品データ

  • タッデオ・ツッカロ(サン・タンジェロ・イン・ヴァド、1529年-ローマ、1566年)

    《四人のムーサの群像、「エジプトへの逃避」のための習作》

    1559-1560年

  • 表:黒チョークおよび褐色の淡彩裏:黒チョーク

    縦40 cm、横24 cm

  • サン=モリス・コレクション、1793年に亡命貴族の財産として接収の後、1796-1797年に中央美術館に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する