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作品 《四輪馬車のあるエレーヌ・フールマン(1614‐1673)の肖像》

絵画部門 : フランドル絵画

《四輪馬車のあるエレーヌ・フールマン(1614‐1673)の肖像》

© 1995 RMN / Hervé Lewandowski

絵画
フランドル絵画

執筆:
Collange Adrienne

ルーベンスの二人目の若妻が、1633年に生まれた息子のフランス一緒にアントウェルペンの宮殿風の邸宅から出てきたところである。スペインで流行した黒い豪華な衣装に身を包み、ネーデルラントとドイツで大流行の典型的な房のついた帽子を被っている。二等の馬に引かれる四輪馬車は夫婦関係の均整を象徴しており、彼女の右手のしぐさは謙遜を表現している。作品は間違いなくルーベンスによってバロックの豪奢で活気のある手法で描かれたエレーヌの最後の肖像画である。

華麗な肖像画

ルーベンスは1630年に結婚した彼の二番目の妻、若く美しいエレーヌ・フールマンを描いている。後ろには平たい白襟のついた赤い衣装を着た1633年に生まれた彼女の小さな息子、フランスが続いている。彼は6‐7歳ぐらいに見受けられ、そこから作品の制作年を1639年頃に設定することが出来た。フランドルのアルベール大公イザベル大公妃付きの画家であったルーベンスは、ヨーロッパ中にその名声が行き渡って繁栄したアトリエの頂点に君臨する裕福な画家であった。自らの家族のために描かれたと思われるこの華麗な肖像画は、ルーベンスにとっては彼が収めた社会的成功を示す良い機会でもあったのだ。こうして上流社会の婦人のように着飾ったエレーヌは、円柱とピラスターで飾られた玄関寄せで待っているところで、ルーベンスがイタリアの宮殿をイメージして建設したアントウェルペンの豪奢な家から出てきている。

豪華な衣装

肖像画の素晴らしさは、エレーヌの纏った豪華な衣装によって表現されている。スペインの流行を取り入れた黒サテンの長いドレスと、黒く透明な大きなヴェールを固定している玉房の付いた小さな帽子を彼女は身に付けている。ルーベンスは黒一色で非常に滑らかに描かれた異なる材質を自在に演出しており、それらは若い婦人の象牙色の肌の上で貴重な宝石のように形作られている。画家は膨らんだ袖の白く輝くサテン地で暗い色の衣装を引き立てており、袖自体も金色の飾り紐で強調されている。画面全体は、ほお骨や肉付きの良い唇のバラ色、ベルトの色と反響し合っている袖に付いたリボンのモーヴ色といった色彩の繊細なタッチで活気づけられている。首飾りの真珠、胸元の宝飾品や飾り紐といった細部がたっぷりと描かれ、作品の錯覚的な局面を強調している。

古典的な伝統とルーベンス独自の個性

ルーベンスは作家活動の間中、数度にわたってイタリアに滞在しており、その結果古典文化をしっかりと吸収することが出来た。自らの若い妻を描いた肖像画は、ティツィアーノ(1488‐1576)やヴェロネーゼ(1528‐1588)といったルネッサンスの偉大な肖像画家たちによる伝統の一環を成していると言えよう。一方で、ルーベンスは勢い良く近づいてくる二頭立て四輪馬車(夫婦関係の均整を象徴している)に乗るために段を降りて行く途中のエレーヌを描くことで、作品の中に独自の活力を吹き込んでいる。反面で、場面はローアングルで描写されており、鑑賞者に対して支配的な位置に配された若妻の威厳を際立てている。作品はエレーヌを描いた最後の絵画のひとつであるが、彼女を非常に愛していた画家は、作家活動の後期において頻繁に彼女からインスピレーションを得た作品を制作している。

作品データ

  • ピーテル・パウル・ルーベンス(ジーゲン、1577年‐アントウェルペン、1640年)

    《四輪馬車のあるエレーヌ・フールマン(1614‐1673)の肖像》

    1639年頃

  • 油彩 木

    縦1.95m、横1.32m

  • 1706年、ブリュッセル市から初代マールバラ公ジョン・チャーチル(1650‐1722)への寄贈(?)ブレナム宮殿収蔵。1884年より、パリ、アルフォンス・ロスチャイルド・コレクション収蔵。1977年、財産譲渡権の現物払いによる取得。

    R.F. 1977-13

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ルーベンス
    展示室21

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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