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《国王シャルル9世の兜(かぶと)》

© 1987 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

16世紀における壮麗な武具に対する愛好は、ヨーロッパの大宮廷ではどこでも見られた趣味である。ヴァロワ家も類にもれず、好んで装飾用の武具制作を行った。シャルル9世(1550年-1574年)の兜および楯(MR427)は、金銀細工師ピエール・ルドンにより制作され、フランス・ルネサンスの装飾武具の数少ない例の一つとなっている。

見事な金銀細工作品

一揃いの兜と楯は、ヴァロワ家宮廷お抱えの金銀細工師であり、国王近侍の一人であったピエール・ルドンにより制作されたものである。こうした史実を知ることができるのは、その制作に対する支払いを、1572年に未亡人マリー・ド・フルクロワが受け取った記録が残っているためである。この兜は、楯と同様、金銀細工師による見事な作品だ。打ち出し細工を施したのちに金張りされ、そこここに半透明の緑と赤、また不透明な青と白の琺瑯があしらってある。これらの琺瑯は、浮彫りの上に微細な筆致によって施されている。兜の内側は、金糸でアラベスク(唐草模様)を刺繍した深紅のビロードで覆われている。

戦(いくさ)を描いた装飾

兜は、どちらの面も、物語絵入りのメダイヨン(円形装飾)により飾られている。一方の側には、野原が描かれ、その中央には、猛り狂う馬どもを引き離そうとしている兵士たちがいる。この光景はおそらく、自分の馬に食われたディオメデスを示唆しているのであろう。もう一方の側では、包囲された町の前で、騎馬武者たちの戦いが繰り広げられている。これらの古代の戦いの情景を補うように、兜の前立ての上には、一方にはメドゥーサが、もう一方には老人の面が配されている。

フォンテヌブロー派の作風に準ずる装飾

メダイヨンの周囲および前立ての上に見られる装飾は、フォンテヌブローの宝飾品の伝統にのっとったものである。兜の図柄の地はすべて黒仕立てで、巻き革装飾、帯の組合わせ模様、戦いの賞杯などのモチーフにより埋め尽くされている。唐草文、果物の房、巻き革、怪人面、卵形装飾のフリーズなどが、前立て部分、および兜の縁部分に配されている。これらの装飾は、マニエリスムおよび第1次フォンテヌブロー派に特徴的なものであり、戦いの歴史的あるいは神話的な描写と調和している。この装飾は、エティエンヌ・ドローヌの版画にきわめて近いものの、その原型は知られていない。

出典

- GRÜBER Alain (sous la dir. de), L'Art décoratif en Europe Renaissance et Maniérisme, Citadelles Mazenod, 1993, p 177.

作品データ

  • ピエール・ルドン

    《国王シャルル9世の兜(かぶと)》

    1570年頃

    元王室コレクション

    フランス、パリ

  • 打出し細工および彫刻を施し金張りした鉄、半透明および不透明の琺瑯

    高さ35 cm、幅37 cm

  • 1793年取得

    MR 426

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    神聖ローマ皇帝カール5世
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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