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作品 《天子に囲まれオルガンを奏でる聖カエキリア》

素描・版画部門 : 17世紀

Sainte Cécile à l'orgue entourée d'anges

素描・版画
17世紀

執筆:
Boyer Sarah

視覚的な経験に容易に感化され、多様な面を併せもつ複雑な芸術家であったジョルダーノは、しばしばインスピレーション豊かな素描を制作した。このオルガンを奏でる聖カエキリアは、構図の構想やとりわけ線描の特徴を鑑みるに、ジョルダーノがその師リベーラの影響下にあった若い頃の作品である。才気に溢れ、書画にも近いジョルダーノの作風は、褐色の淡彩が秘めるあらゆる効果を生かしている。

リベーラ

ジョルダーノは、当時彼が手本とした著名な画家たちの様式を巧みに自分のものにする才で有名であったが、その痕跡は常に見分けられる。同様にジョルダーノは、素描の役割を過小評価しようとしたが、この分野におけるジョルダーノの並外れた才は一目瞭然であった。このジョルダーノの若描きの素描の作風は、《聖セバスティアヌスの殉教》(ルーヴル美術館)や、1657年から1660年の間に制作したと思われる絵画《学者のなかのイエス》(ローマ、国立古代美術館)のためのヴィラ・ファルネジーナ(ローマ)の習作の作風と同様である。こうした作品において、リベーラの忘れえぬ記憶は、断片的な線描や、単一面上に描かれた人物表現の中に垣間見ることができる。しかしながら、ジョルダーノは、そこに自身の当初からの特徴であるスケールの大きさと絵画的感覚を持ち込んだ。この点において、とりわけルーヴル美術館に所蔵されているジョルダーノの他の二枚の習作《岩を突いて水を湧かせるモーセ》と《サムソンとデリラ》は、リベーラの緻密で洗練された筆遣いの習作とは対照的である。

ローザとカンビアーゾ

17世紀後半のナポリの雰囲気を想起させるこの素描、および《スザンナとナポリの老人》(カーポディモンテ)は、形態的な構成や線描への配慮をほとんど無視した、幅広で自由なタッチを特徴とするサルヴァトール・ローザの素描、その中でもとりわけ《リュートを弾く女》(ハールレム、テイラース美術館)を思い起こさせる。またジョルダーノの作風は、ルカ・カンビアーゾとの交流を通しても鍛え上げられた。文献によれば、実際ジョルダーノは、若かりし頃、ジェノヴァの芸術家カンビアーゾを手本にしていたのである。その事実は、裏側に17世紀の無名画家に分類されているミュンヘンの美術館所蔵の素描が描かれている、1687年付けの書簡の断片によって裏付けられる。ジェノヴァのカンビアーゾの影響は、おそらくジョルダーノがリベーラの支配下から逃れようとする際にそれから解放する役割を果たしたものと思われる。このカンビアーゾとの交流と同様、ヴェネチア次いでローマへの旅行が、ジョルダーノの様式を和らげたのである。

ジョルダーノ

素描家としてのジョルダーノは、画家としてのジョルダーノに似ている。素描家ジョルダーノは、多くの技法を取り入れ、輪郭線を引くためのペンと立体感を形作るためのチョークを組み合わせるなど、いくつかの変わった技法も用いた。ジョルダーノの素描は、この芸術家の闊達な気質を物語っており、研究の結果というよりは力強く表現された印象の反映なのである。一度に複数の形式を駆使したジョルダーノは、以前に用いたことのある様式にしばしば回帰した。1670年代には、ジョルダーノの人物像はそれを取り囲む空間に溶け込むように見え、新たな光輝く効果が現れる。ジョルダーノは、絵画におけると同様、1680年頃にその素描の個性的な作風を展開させ、17世紀末の他の芸術家とは一線を画すようになる。この頃ジョルダーノの作風はより一貫するようになり、この時期の素描に凡庸なものや力強さに欠けたものは全く見当たらない。

出典

- BORELLI Giuseppe, DELFINO Antonio, DE VITO Giuseppe, Ricerce sul '600 napoletano : saggi e documenti per la Storia dell'Arte dedicato a Luca Giordano, Milan, L.T., 1991.

- CASSANI Sylvia, SAPIO Mario, Luca Giordano : 1634-1705, cat. exp. Castel Sant'Elmo-Museo di Capodimonte, Vienne, Kunsthistorisches Museum, Los Angeles Country Museum, 2001-2002, Naples, Electa, 2000.

- FERRARI Oreste, SCAVIZZI Giuseppe, Luca Giordano : l'opera completa, Naples, Electa Napoli, 2 vol., 1992.

- FERRARI Oreste, SCAVIZZI Giuseppe, Luca Giordano : nuove ricerche e inediti, Naples, Electa, 2003.

- MONBEIG-GOGUEL Catherine, VITZTHUM Walter, Le dessin à Naples du XVIe au XVIIIe siècle : XXXIXe exposition du Cabinet des Dessins, cat. exp. Paris, Musée du Louvre, 1967, n 70.

- SCAVIZZ Giuseeppe, Luca Giordano : l'opera completa , Naples, Electa, 2 vol., 2001.

作品データ

  • ルカ・ジョルダーノ

    《天子に囲まれオルガンを奏でる聖カエキリア》

    1650-1660年

  • 黒い紙にペンと褐色インク、褐色の淡彩

    縦25 cm、横 20 cm

  • シャルル=ポール・ジャン=バティスト・ド・ブルジュヴァン・ヴィアラール・ド・サン=モリス・コレクション、1793年に亡命貴族の財産として接収の後、1796-1797年に中央美術館に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

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