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作品 《天然水晶製水差し》

工芸品部門 : ルネサンス

《天然水晶製水差し》

© 2000 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

16世紀フランスの芸術家らは、旧い堅石製の壺に縁飾りを付けてより完全な作品とすることができただけでなく、壺そのものを最初から制作もしたのであり、ルーヴルに置かれている、金めっきの銀で装飾された天然水晶製の大水差しが、それをよく示している。この作品は、1689年に、第1王子ルイ・ド・フランス(1661年-1711年)のコレクションに含まれていたものであり、王子はその父王ルイ14世(1638年-1715年)同様、堅石工芸品の大愛好家であった。

石細工部分

水差しは、天然水晶でできた二つの円形部分、すなわち蓋と鉢とが主体となっている。蓋は、丸みを帯びた二つの刳形で強調されるとともに、10の丸ひだ装飾が彫り込まれている。鉢には、捻れ、盛り上がった同じ12の丸ひだ装飾が彫り込まれ、浮彫りの鏃(やじり)型飾りによって区切られたそれらの丸ひだに沿って、平らな縁がぐるりと接している。鉢はさらに、歯状装飾を彫り込んだ飾り襟が上部に配されている。これは16世紀パリの金銀細工に非常によく見られたモチーフであり、同じくルーヴルに保管されている、聖霊騎士団の宝物に含まれていた釣り香炉、および舟形香入れなどはその例である。フィレンツェの銀器博物館にも、同じ工房で作られた、この作品と非常に近い円筒形飾り壺が保管されている。その壺の上部は研磨されておらず、やはり他の部品によって隠される部分となっている。

縁飾り部分

縁飾り部分は、それが鉢を水差しに変身させるのであるから、最も重要な役割を担っていると言えよう。この縁飾りは円筒形をしており、金めっき、打ち出し細工、および琺瑯を施した銀でできている。青の琺瑯を引いた空と、緑色と澄んだ黄土色の琺瑯を引いた波を背景に、それぞれイルカの上にまたがってトライアングル、竪琴、シンバルを奏でる3人の子供がくっきりと浮かび出ている。最上部では葦が横一列に並んでおり、その合間を7匹の水鳥が飛び回っている。その円筒の上部には、水晶の壺の歯状装飾とよく釣り合った、青の琺瑯による歯飾りを施した飾り襟が付けられている。注ぎ口は、サテュロスに支えられたイルカの形をしており、取っ手は、月桂樹の葉の玉縁、および、青の琺瑯を施した巻き革飾りに縁取られた数珠球によって飾られている。台座は、青の琺瑯で縁取りした丸ひだ装飾により取り巻かれている。蓋は、花と果物の束を上に戴き、リボンで交互に区切られた四つ葉飾りによって取り囲まれている。これらの装飾はすべて、16世紀に一般的だった装飾モチーフの代表的なものである。

16世紀パリの水晶細工職人たちの活動

16世紀パリの水晶細工職人たちは素晴らしい技倆をもっていた。この水差しが作られた工房は、捩れた丸ひだ装飾の壺を造ったり、天然水晶製の鉢に金銀細工の飾り襟を付けて背を高くし、人物・動物像でできた注ぎ口や取っ手を取付けることで、それを水差しに造りかえたりしていたのである。プラド美術館(マドリード)に保管されている、ルイ王子の所有であった3つの小水差しも、その例である。

出典

Alcouffe D., Les Gemmes de la Couronne, Paris, RMN, 2001, p.155-157.

作品データ

  • 《天然水晶製水差し》

    16世紀中頃

  • 天然水晶、金めっきおよび琺瑯引きの銀

    高さ25 cm、幅16 cm、蓋の厚み0.6~0.7 cm、台座の厚み0.55 cm

  • 元ルイ14世第1王子コレクションコンピエーニュ宮へ移送、 次いで19世紀にサン=クルー城へ移送

    OA 36

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室66

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

台座の縁の下側に番号の彫込みあり:170 (1791年時の目録番号)、消えかかった手書きの番号:2402