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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《宗教裁判所の扉の開放》
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La Libération des prisonniers de l'Inquisition
素描・版画
19世紀
《宗教裁判所の扉の開放》は、晩年のジェリコーの自由主義への取り組みを物語っている。この素描は、(同じテーマで描かれた3枚の別の素描と、今日消失した素描とともに、)牢獄を逃げ出す抑圧された囚人の大群のパノラマを表わすはずだった、大きな絵画のための準備下絵であったように思われる。それゆえ、ここには《メデューズ号の筏》の野心的な政治的メッセージの続きを見ることができ、この構想は1822年から1823年にかけて練られたものと考えていいだろう。
感情の三部作
この素描は、三連祭壇画の形式を取っている。絵画空間は、様々な場面で占められ、各々の場面は感情表現に結びついている。こうした場面は、その中心的要素であり、空間を牢獄に変える、鎖で囲まれた柱頭の欠けた円柱をめぐって展開する。中心方向に、ひざまずき、空に向かって両手を伸ばした囚人が見える。ここでは祈祷の身振りが政治的な身振りを意味するとはいえ、ラファエッロの《ボルゴの火事》への依拠によって、宗教的表現が導入されている。場面の奥では、群集が中に向かってなだれ込もうとしているが、あまり判然としない。ここでは、フリジア帽と手を挙げている様だけが判別できる。画面両側では、2つの人物群がこうしたほとばしるような歓喜とバランスを取っている。右側では、まだ鎖につながれている1人の男が、家族と再会し、悲壮なまでに抱き合っている。左側では、あらゆるくびきから解放されたアモルとプシュケが抱擁している。その傍では、2人の男が老人を支えている。この一群の顔が描き込まれており、感情が巧みに表現されていることから、この一群が素描の中で最も練り上げられていると言える。
外れた鎖
ジェリコーは、この作品で、宗教裁判所の囚人によって占拠された牢獄の中に、群集がなだれ込もうとしている様を描いている。ジェリコーは、大きなフレスコ画を制作することによって、自由主義のための戦いにふさわしいパノラマを描こうとした。スペインが中世の過去の残滓から解き放たれようとしていた折も折り、自由主義的思想に関する議論はフランスでも盛んに行われたのである。ジェリコーは、この準備素描において、自身の近代性の追求を鋭く描き出し、続いて大きな絵画においてジェリコーの目に映った時代の相を描くはずであった。この自由主義の一大叙事詩によって、超自由主義のジェリコーの立場は一層強められたであろう。
自由主義的思想
ここでは人物群の表現において、自由の理想が開花している。群集を活気づけ、ブルジョワと労働者を共存させる共通の思想は、完全な自由主義である。しかしながら、両脇の人物群は、この陶酔から目を覚まさせる。古典主義および美徳や伝統の価値への依拠は、素直に喜べないところのある家族と同じように、大理石のように冷ややかな男女の抱擁にも見られる。ブルジョワの帽子をかぶった男とフリジア帽をかぶった男、それから苦しげな顔をしている老人からなる一群は、メデューズ号が難破した様を思い起こさせる。ジェリコーは、政治的な精神によって、このイメージをスローガンに変えた。そして、ピトレスクな絵に陥ることを恐れ、モニュメンタルな絵画に回帰しようとする意志によって、ジェリコーは、本題を優先して瑣末な部分を取り除いた。こうしてジェリコーは、「まさにその時の」現状を描き出したのである。
出典
- BAZIN Germain, Théodore Géricault - Etude, critique, documents et catalogue raisonné, Bibliothèque des Arts, Paris, 1997 (7 volumes et Annexes).- GRUNCHEC Philippe, Tout l'oeuvre peint de Géricault, Paris, 1991, n 102, p. 102, repr.
- MICHEL Régis, "Le dess(e)in de l'Inquisition", in Revue du Louvre, n 5-6, 1991.
- MICHEL Régis, Géricault, La documentation française, Paris, 1996.
作品データ
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テオドール・ジェリコー(ルーアン、1791年-パリ、1824年)
《宗教裁判所の扉の開放》
1822-1823年
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黒のクレヨンとサンギーヌ
縦41.9 cm、横58.1 cm
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画家アレクサンドル・コラン(1798-1873年)のコレクション、1859年12月22日にパリでその競売(43番)。バンデール・コレクション。ピエール・デュボー・コレクション(1886-1968)。1991年にルーヴル友の会の寄贈
別名《宗教裁判所の囚人の解放》
4042989
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保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
