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作品 《宮殿内部―人物に冠をかぶせる、2人の空飛ぶペーメー(名声の女神)》

素描・版画部門 : 18世紀

Intérieur de palais : deux Renommées volantes couronnent un personnage

Musée du Louvre, dist. RMN-Grand Palais - Photo M. Beck-Coppola

素描・版画
18世紀

執筆:
Boyer Sarah

ピラネージ初期の主要作品であるこの素描は、並外れて大きく、神秘的な主題である。この素描は、おそらくその作風からして、1750年に出版された『建築作品集』のために構想されたものの結局刷られなかった版画の準備習作であると思われる。この素描は、ピラネージの力強い創造力と幻視的な想像力、サンギーヌの下絵に褐色の淡彩のあらゆるニュアンスと効果を駆使する、素描の卓越した技法を見事に示している。

幻想の巨匠

画面中央では、2人のペーメー(名声の女神)が不滅の月桂冠を場面の中心人物にかぶせている。この人物は台座にのり、ミネルヴァが座している虹の光を受けて輝く、空飛ぶ衣文に囲まれている。その周りの記念碑風の構造物の上には、2人の捕虜がおり、1人は天体を、もう1人は球体を持っている。多数の群集が集う両隅にはトランペット奏者がおり、皆で巨大な建造物に向かって開かれた巨大な扁円(横長の円)アーチの下に現われた英雄の祝賀に参加している。主題は神秘的で不可解でもある。軍の英雄に敬意を表わした祝賀か、フリーメーソン団の儀式か、それもとオペラのフィナーレに似た劇的な場面を考案したのだろうか。

ニュートンの礼賛?

サンタ・マリーア・マッジョーレ聖堂とモンテ・カヴァッロ広場を表わした銅版画(ローマ、素描・版画研究所)の裏面に、難解な参照で埋め尽くされた、ピラネージの建築物幻想画のうち最大かつ最も驚くべき銅版画作品が最近発見された。しかし、ピラネージが版画を再利用したこの唯一の例は、一度も出版されたことがなかった。この最近発見された作品は、銅版画よりわずかに小さいルーヴル美術館所蔵の荘重な素描と関連付けられる。この銅版画でも、一種の前=場面から観察された儀式に一群の人々が集っている。こうした人々は、中心人物の周りで盛んに身振りをし、二つの記念碑風構造物を頂く台に到達するために、2段もしくは円形階段を上っている。この二つの記念碑風構造物は、それぞれ背後に望遠鏡を持った捕虜を支えている。画面中央では、2つの円形階段を通じて、馬に引かれた円筒形の構造物に至ることができる。この円筒形の構造物は、画面のちょうど中央の、煙の雲によって孤立した円錐の尖った端に、不安定な状態でかろうじてバランスを保っている。こうしたモティーフの意味は、中心人物が特定されて初めて明らかになる。こうして、天文学を想起させる要素、虹と反射する光線、色のスペクトルと円錐に関する研究、万有引力の理論が、アイザック・ニュートン卿の礼賛につながるのである。数学者のみがニュートンの著作を理解できるにもかかわらず、ニュートンは一般に広まった関心と多数の文学的な賛辞の対象になり、アルガロッティとヴォルテールによる著作の普及によって名声を確立した。ヴァレリアーニの助力を得てピットーニが描き、1736年にデプラスが版画におこした絵画《アイザック・ニュートン卿に敬意を捧げる寓意の記念碑》だけが、ピラネージに影響を与えたと思われる。

人物

ピラネージの他の素描は、人物習作や空想的な人物像を描いている。そこには、ペンでの描き方、淡彩のタッチや力強いハッチングで強調される強い陰影、版画を思い起こさせる描法において、リッチやグァルディの影響、あるいは躍動的なハッチングにおいてデッラ・ヴェッキアの影響が見られる。1762年から1764年にかけて制作されたと推定され、しばしば断片的な試し刷りの裏面に描かれたこうした人物像は、建築のプロポーション(比例)を定め、いくつかの細部を観者に示すために版画に登場するようになる。こうした人物像は、しばしば悲劇的な人間性を版画にもたらしている。最初は同時代の衣裳をまとっていた人物像は、徐々にナポリ風のぼろ着姿の物乞いのような様子を呈してくるのである。

出典

- BACOU Roseline, Venise au dix-huitième siècle : Peintures, dessins et gravures des collections françaises, cat. exp. Paris, musée de l'Orangerie, ed. des musées nationaux, 1971, n 143.

- BACOU Roseline, Anciens et nouveaux : Choix d'oeuvres acquises par l'Etat ou avec sa participation de 1981 à 1985, cat. exp. Paris, Galeries nationales du Grand-Palais, ed. de la Réunion des musées nationaux, 1985, n 79.

- BOWRON Edgar Peters., RISHEL Joseph J. (ed.), Art in Rom in the eighteenth century, cat. exp. Philadelphie, Philadelphia Museum of Art, Houston, The Museum of Fine Arts, ed. Philadelphie, Philadelphia Museum of Art, 2000, n 388 (dessin du Getty).

- BRUNEL Georges, Piranèse et les Français : colloque Rome, Villa Médicis ,12-14 mai 1976, Rome, Edizioni dell' Elefante, 1978, 2 vol.

- MEJANES Jean-François, Piranèse et les Français, 1740-1790, cat. exp. Rome, Académie de France, Dijon, musée des Beaux-Arts,Paris, Caisse nationale des Monuments historiques et des sites, Rome, Edizioni dell'elefante, 1976, n 144.

- SØRENSEN Bent, "The Apotheosis of Sir Isaac Newton", in Apollo, mars 2001, vol.CLIII, n 469, p.26-34.

- WILTON-ELY John, Piranesi, cat. exp. Londres, Hayward Gallery, The Art Council of Great Britain, Arts Council of Great Britain, 1978, n 23.

作品データ

  • ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ

    《宮殿内部―人物に冠をかぶせる、2人の空飛ぶペーメー(名声の女神)》

    1750年以前

  • サンギーヌの下絵にペン、褐色インク、褐色の淡彩

    縦51.2 cm、横76.5 cm

  • 建築家テオフィル・ルクレール、1935年頃に建築家協会DPLGに寄贈、1983年に購入。

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

ペンと黒インクで右下に:Piranesi