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作品 《川から救われるモーセ》

工芸品部門 : 17世紀

《川から救われるモーセ》

© 1995 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
17世紀

執筆:
Ribou Marie-Hélène de

1627年、画家シモン・ヴーエはルイ13世に召還されてイタリアより帰国した。王はすぐに旧約聖書を題材とする8枚組の壁掛けの下絵を注文する。タピスリー《川から救われるモーセ》は、ルーヴル宮を飾るためにルーヴル宮の工房で織られた一組の1枚である。この作品は、中央場面の構図の点でも、縁取りの扱いの点でも、ヴーエが復興させたタピスリー芸術のとりわけ見事な作例に数えられる。

窓を思わせるタピスリー

5人の若い女が、川に浮かぶ大籠の中に嬰児モーセを発見する。ファラオの娘は金地の衣と青い大きなマントで豪華に着飾り、2人の侍女が見せる嬰児を前に驚きを身振りで示している。
この人物群の背後には円柱と遺跡がそびえ、右手の風景をさえぎる。一方左手にはナイル川が流れ、両岸の木々を通して遠くまで視界が開けている。
縁取りは刳形のある建築的な枠を構成している。光と陰の効果により、ここに描かれた光景に向かって開かれた窓を思わせる。

王室首席画家によるタピスリーの図案

シモン・ヴーエは、古代美術とルネサンスおよび17世紀初頭の大画家の作品を学ぶため、ローマに数年滞在していた。1627年、ルイ13世はヴーエをパリに召還し、いくつかの注文を委ねる。16世紀、壁掛け《使徒行伝》のためにラファエッロが制作したカルトンにより、ブリュッセル製品に真の復興がもたらされた。ルイ13世はこの例にならって、王室首席画家にタピスリーの図案を注文した。
題材としては旧約聖書が選ばれ、壁掛けを構成する8点の図案が採用された。ルイ13世のためにルーヴル宮の工房で制作されたこの一組が、当初は3点以上で構成されていたのかどうかは不明だが、1663‐1673年の間に記入された王家調度品保管所の総合目録には、現存する2点のみが記載されている。もう一点の《エフタの娘》は、国有調度品保管所のコレクションに収蔵されている。

タピスリーの技法に合わせた図案

ヴーエはタピスリーに特有の制約に、完璧に合わせる術を知っていた。タピスリーの伝統に従って、中央場面では風景に大きな空間を割いている。木々と円柱が遠近法の消点に向う線をなし、空間に広がりを与える。理想化された顔立ちと丸みを帯びた形によって、5人の女が醸し出す柔らかさが生き生きと伝わってくる。人物の姿勢と衣襞の動きが場面に穏やかな活気を与えている。縁取りには、浅浮彫のように見える単色画が施されている。唐草模様、アラベスク、メダイヨンなど古代風のモチーフにプットが組み合わされ、これらすべてが淡く明るい単一の色調で描かれている。芸術家は縁取りの枠からプットがはみ出すままにし、中央場面とのつながりを協調している。

出典

Thuillier Jacques, Vouet, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1991, pp. 504-507.

Un temps d'exubérance. Les arts décoratifs sous Louis XIII et Anne d'Autriche, Paris, Galerie nationale du Grand Palais, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2002, n 89, pp. 158-159.

作品データ

  • カルトン(下絵):シモン・ヴーエ(1590–1649年)

    《川から救われるモーセ》

    1630‐1650年の間

    王室コレクション、1797年に中央芸術博物館用に取置

    パリ、ルーヴル宮の工房

  • 竪機によるタピスリー、1cmあたり経糸8本、羊毛と絹

    縦4.95m、横5.88m

  • 1906年、国有調度品保管所より分与

    壁掛け連作《旧約聖書》より3枚目《川から救われるモーセ》ルーヴル宮用にルイ13世のために制作されたもの

    OA 6086

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    エフィア城
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

ルイ13世が注文した2枚のタピスリーからなる壁掛け連作より。フランスとナヴァール王国の紋章、およびルイ13世の頭文字とエンブレム(Lと棍棒)あり