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作品 《廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリーの想像図》

絵画部門 : フランス絵画

《廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリーの想像図》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
フランス絵画

執筆:
Eloy Sophie

《グランド・ギャラリーの改造計画》の対作品であるこの想像上の作品は、ルーヴル宮の倒壊を描いているが、実際は設備工事が行われていたに過ぎなかった。ルーヴル美術館のコレクションを担当していたユベール・ロベールは、見る者に、時の経過と、廃墟や古代に対する当時の嗜好によって示される芸術の永続性について思索するよう促している。

設計中の美術館

ルイ16世の治世下から考案されていた未来のルーヴル美術館は、フランス革命下で現実のものとなる。美術館は「中央美術館」という名の下に、1793年に開館する。1778年から、王立コレクションを一般に公開するためのギャラリー(全長400m以上)に相応しい改築を見越して、ユベール・ロベールに助言を乞うようになる。彼の役割は、基本的には柱間によって空間にリズム感を与え、天井からの自然採光を実現することであった(自然採光は、ペルシエとフォンテーヌによって1805年から実現されることになる)。1795年には、ユベール・ロベールは、絵画の責任者となった。彼が数多くのギャラリーの光景を描いたのはこの時期で、画家としての才能を示すと同様に、コレクションの選択が正当であることを強調しようとしたのである。
1796年のサロンに出品された2点の絵画は、一つが、傑作で溢れ、多数の見学者で活気づいた想像上のグランド・ギャラリーの光景を表わし、もう一つが、夢見られた遥か彼方の未来へと投影された同じ場所を描写しており、時の経過によってグランド・ギャラリーは廃墟となっている。
ここに紹介する絵画は、(自然採光を指す)崩壊した丸天井、柱間のアーチと建物の横側の内壁を描いている。場面の中心部には、《ベルヴェデールのアポロン》を写していると思われる素描家がおり、その彫像の足元にはラファエッロの胸像が転がっている。背景の左側では、火鉢で体を暖める2人の女性が、前景の右側には、ミケランジェロの《瀕死の奴隷》(革命期の接収品、1794年に中央美術館に収蔵)の胸像が認められる。最後に、画面左側では、2人の若者が、芸術の女神であるミネルヴァの胸像の上に身を屈めている。

廃墟のロベール

1795年から1805年にかけて、ユベール・ロベールは、ルーヴルの光景を描いた30点ほどの作品を制作している。画家はきまって、丸天井のあるギャラリーというモティーフからなる、同じような荘厳な構図を描いている。ロベールは、これらの作品を描きながら、先駆者たち(とりわけロベールが大変称賛していたパンニーニ)の絵画の中で出会った様々な主題、すなわちロベールが精通していたローマ時代の遺跡や近代のローマ建築などを思い浮かべていた。建築物は、概して現実に近い状態、もしくは「偽の古代」である過去の中で想像された状態で表わされている。「未来の廃墟」というテーマは、偽りの廃墟に対する当時の嗜好に呼応しており、描かれた主題に古代の崇高さと威光をもたらした。これと同様の精神において、芸術家は時に「廃墟のロベール」と呼ばれたのである。

変わらぬ理想美

その当時、改造計画が構想でしかなかったグランド・ギャラリーは、ここでは、古代を象徴し、また同じように滅亡した近代の時間をも象徴する、崇高な廃墟として讃えられている。画家は、文明について思索する中で、最終的に芸術の永続性を称賛している。というのも、構図の中心には、アカデミーの美の絶対的模範である《ベルヴェデールのアポロン》が描かれているからである(後にこの作品はパリの中央美術館で展示され、1816年にヴァティカンに返却された)。無傷で残ったアポロン像の前に画家が登場させた素描家は、現在を再建するために過去から教訓を引き出している。これもおそらく、風変わりな幻想というより、フランス革命による激動の時代を生きた一人の人間の告白を表わしているのかもしれない。

出典

- SAHUT Marie-Catherine, Le Louvre d’Hubert Robert, catalogue de l’exposition, Paris, Musée du Louvre, 16 juin - 20 octobre 1979, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1979 - Les Dossiers du département des Peintures).

作品データ

  • ユベール・ロベール(パリ、1733-1808年)

    《廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリーの想像図》

    1796年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.15m、横1.45m

  • 1975年取得

    R.F. 1975-11

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    グルーズ
    展示室51

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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