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《彫刻家のアトリエ》

© 1998 RMN / Hervé Lewandowski

絵画
オランダ絵画

執筆:
Collange Adeline

1680年代の作品でであるこの絵は、古典古代様式による諸芸術の教育、および、芸術を学ぶ上で必要な厳しい修練について描かれたものである。

アトリエ

奇妙にも羽根つきの優雅な帽子と、やけに大きく襟のえぐられた青い服に身を包んだ一人の青年が、絵のほとんどを占めている大きな男性の彫像に向かって頭を上げている。もう一人の若い男が上から彼の肩をのぞき込んでいる。後景では、二人の人物が古代様式の女性の彫像の頭部を注意深く研究している。この古典様式のモデルを用いてデッサンの練習をする若い芸術家たちは、よく描かれる主題である。例えばヤン・リーフェンスは《デッサンをする若い画家》(1630‐1635年頃)を、古代美術の複製に埋め尽くされたアトリエの中に描いている。というのも、デッサンはアトリエにおいては勿論のこと、とりわけ美術学校において、画家や彫刻家のための修練の基礎だからである。しかし、アドリアーン・ファン・デル・ウェルフは、現実の写生に熱心な若い画学生達の姿を描くことに満足していた先人らの風俗画における少々逸話的な部分を越え、さらに先へ行っている。

古代芸術による神秘的とすら言ってよい啓示

この作品のほとんど宗教的とも言える劇的な舞台設定に、我々は直ちに強い印象を受ける。それはまず、劇場風の明暗の中で若い男性の上に降り注ぐ光の揺らめきから、そしてこの人物の恍惚とした状態に近い、腕を広げ視線を上げた身振りから来ている。この絵画の教訓的寓意は、非常に強調して表現されている。それまで怠惰な生活と取るに足らない喜びのため道を踏み外していたこの若い芸術家(ユトレヒトのカラヴァッジォ風風俗画家たちから着想を得た、突飛な衣装がそれを示している)は、古代芸術の啓示に心を打たれている。古代美術に対する賛美は、等身大で後ろから描かれている威厳に満ちた《ボルゲーゼの剣闘士》の姿の、完璧な体つきの全体にわたって体現されている。若い芸術家が得た芸術的啓示をさらに威厳あるものとしているのは、それがその腕の中で輝いている、芸術家の育成において霊感をもたらすとともにその守護女神でもある小さな音楽のムーサ(ミューズ)、エウテルペの庇護の下にあるからである。

若き画家の宣言

1680年代の制作と推定されるこの作品はまさに、その芸術家としての志を家族に認めさせるのに苦労した、若かりしアドリアーン・ファン・デル・ウェルフの画家としての宣言であると言える。ルーヴル所蔵のこの小ぶりの作品は、後期のより大きな作品(1687年制作、ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク蔵)のための出発点としての役割を果たしているが、その完成作においては、遊んでいる子供らを主人公としたことにより、作者の伝えたい内容が若干弱められてしまっている。ここでは、かつて乗り越えられたことがなく、乗り越えることが不可能な古代の理想美の啓示が、ことさら神話的強調を施されて、寓意の中心に据えられている。

出典

- CUZIN Jean-Pierre, GABORIT Jean-René, PASQUIER Alain,  D'après l'Antique, catalogue d'exposition, musée du Louvre, 2000-2001, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2000, pp. 403-405.

作品データ

  • アドリアーン・ファン・デル・ウェルフ (クラリンゲン、ロッテルダム近郊、1659年−ロッテルダム、1722年)

    《彫刻家のアトリエ》

    1680年代

  • 木、油彩 

    縦23cm、横16cm

  • 1869年、ルイ・ラ・カーズ博士による遺贈。

    Allégorie sur l'éducation de la jeunesse

    M.I. 1012

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    オランダ 17世紀 レンブラントと歴史画家たち
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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