Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《復活》

《復活》

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
ルネサンスのフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

ローマ人の2兵士は生き返ったキリストの出現に驚き地に伏す。頭を軽く傾け、目を伏せ、神経質な脚で立つこの美しく筋骨逞しいキリストは、空へ立ち上るかのように見える。この群像は、王妃カトリーヌ・ド・メディシスがサン=ドニに建立させたヴァロア家の礼拝堂の為に王妃が注文したものだが、アーティストの工房に残されたままとなった。

「ヴァロア家のロトンダ」

カトリーヌ・ド・メディシスは、フランス王アンリ2世の寡妃で、サン=ドニ修道院聖堂(フランス国王の廟地)の側壁にヴァロア家の為の華麗なロトンダ形霊廟礼拝堂を建立させた。ロトンダは1560年から工事が始まったが、内戦と資金不足の為未完のままとなり、1719年に破壊された。王妃から王立霊廟監督に任命されたプリマティッチオの指揮下、ジェルマン・ピロンが王の墓と種々の彫刻制作を任せられた。そのうちの一つが《復活》である。この群像は、戴冠式用衣装を纏ったアンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシスの2体の王家の横臥像を見下ろすように設置される予定だった。

イタリア追想

全面的にイタリアの例を範とするこの群像の構想は、プリマティッチオによるものと思われる。「復活」のテーマを墓と結びつけるこの案はフランスでは前例が無いが、イタリアの前例は知られていた(特にヴェロナにあるナンニ・ディ・バルトロの《ブレンゾーニ記念碑》)。裸で筋骨逞しく、力強いトルソのキリスト像は、明らかにローマのミケランジェロの《キリスト》(サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会)から想を得ている。この像はフランソワ1世が1546年に鋳型を取らせている。異なる点は、伸びたシルエット、紡錘形の長い脚、細く繊細な足、体の捻りに見られる解剖学的な又ポーズのマニエリスムである。大英博物館にあるプリマッティッチオのキリストの頭を表すデッサンは、ヴォリュームと肉付けを強調しており、ピロンのキリスト像の顔の為の準備原型と見られる。

無重量のキリスト

ジェルマン・ピロンはこの群像の構想者ではないが、彼の制作はこの作品に感動的な美しさを与えている。力強いトルソを支えるには華奢過ぎる様に見える神経質で柔軟な細い脚は、一歩踏み出し、僅かに地に触れる。この脚は、体に全く重みの無い様な飛翔を像に与える。天に昇るキリストの栄光の体を表すからである。この無重量感は体の位置により強められる。胸部を前方に向け、頭を傾け、視線を下に向けた「復活者」は、地上に残る人間を祝福しようと身を傾ける様に見える。この祝福の仕草は手の位置により大きく広がる。キリストの顔には、特徴の理想化と、非常に柔らかい眼差しの人間的な表情との調和が見られる。肩に落ちる髪房が殆ど女性的な優雅さを与えている。

出典

- BABELON Jean, Germain Pilon, Paris, 1927, pp. 13-14 et pp. 65-66.

- TERRASSE Charles, Germain Pilon, Paris, 1930, pp. 75-76.

- THIRION Jacques, "Observations sur les sculptures de la chapelle des Valois", Zeitschrift für Kunstgeschichte, tome 36, 1973, pp. 266-281.

- BEAULIEU Michèle, Description raisonnée des sculptures du musée du Louvre, tome 2 Renaissance française, Paris, 1978, pp. 129-130.

- BEGUIN Sylvie, "Le Primatice et Pilon", in Germain Pilon et les sculpteurs français de la Renaissance, sous la direction de G. Bresc, Actes du colloque du Louvre 1990, Paris, 1993, pp. 177-191.

作品データ

  • ジェルマン・ピロン

    《復活》

    16世紀第3四半世紀

    サン=ドニのアンリ4世の霊廟礼拝堂、ヴァロア家のロトンダの為に制作された群像。1572年彫刻家の工房に残され、死後もその場に残存。

  • 大理石

    M.R. 1592 : 高さ0.645m、幅1.46m、奥行き0.64m M.R. 1593 : 高さ0.61m、幅1.63m、奥行き0.665m R.F. 2292 : 高さ2.15m、幅1.885m、奥行き0.74m

  • R.F. 2292, M.R. 1592, M.R. 1593

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ピロン
    展示室15a

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する