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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《扇を持つ若い女》

Jeune femme tenant un éventail

素描・版画
17世紀

執筆:
Chabod Christine

三色のチョーク(黒チョーク、サンギーヌ[赤]、白のハイライト)で描かれたこの素描は、次第に親密な叙情的表現へと向かう1630年から1633年ごろのルーベンスの芸術の変遷を示している。このルーヴル美術館所蔵の素描は、かつてあまりに光にさらされすぎて、いささか傷んでしまったものの、誇り高い美しさと大いなる魅力の跡を今なおとどめている。ルーベンスの作風の特徴である、世俗的な優雅さと豊満な官能性の間の調和的な結びつきは、18世紀初頭のヴァトーの「雅な宴(雅宴画)」を予告している。

愛の庭

この紙葉は、マドリードのプラド美術館所蔵の、結婚と多産の寓意を表した絵画《愛の庭》のための数多い習作素描の一つである。この絵画に関して今日知られている下絵や習作素描の多さから判断するに、ルーベンスがこれほど入念に作品を練り上げたことは稀である。ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の2枚の大作以外に、主要な登場人物のほぼ全員を念入りに描いた素描があり、その中の1枚がこの《扇を持つ女》である。この習作素描は、右側の泉の下で小さなアモルを扇で脅している女性像を表している。ルーヴル美術館は、絵画画面の左側の階段の下にひざまずく女性像に関する別の素描も所蔵している。

類似と相違

絵画と素描に描かれた2人の女性像は、多くの点で似通っているにもかかわらず、わずかな違いがあり、その違いは主として若い女の腕の身振りと衣装に見られる。素描に見られる衣装の身ごろを飾る大きな飾り襟は絵画では描かれず、逆に絵画で若い女が身に着けている宝石は素描にはない。完成作の絵画では、ルーベンスの後妻エレーヌ・フルマンの顔がその妹シュザンヌの横顔に取って代わられているが、おそらくこの素描のためにポーズをとったのはエレーヌ自身と思われる。

ルーベンスの個性の強さ

ルーベンスの絵画がより叙情性を強めていた1630年頃、ルーベンスの素描に対する態度も変わり、際限なく変化する線描と明暗の対比のあらゆる可能性を追求するようになった。ルーベンスのこの方向転換は、おそらくティツィアーノの影響とこのヴェネチア派の巨匠に対するルーベンスの情熱によるものと思われる。その後ルーベンスは、三色のチョークで描くこのタイプの素描を再び制作している。実際この技法は、フランドルの女性の美に不可欠なこうした丸みを損なうことなく、布地の表面の絹のような光沢や、豪奢でたっぷりとしたサテンとビロードを描く可能性をルーベンスに与えたのである。

出典

- CALVET Arlette, Dessins du Louvre, école allemande, flamande, hollandaise, Paris, Flammarion, 1968, notice 57.

- CALVET Arlette, Rubens, ses maîtres, ses élèves : dessins du musée du Louvre. LXVe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1978, notice 25.

- FRANK Louis, Visages du Louvre. Chefs-d'oeuvre du portrait dans les collections du Louvre, cat. exp. Tokyo, Musée national d'Art occidental, 1991, notice 85.

- LUGT Frits, Musée du Louvre. Inventaire général des dessins des écoles du Nord. École flamande, vol. II, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1950, notice 1023.

作品データ

  • ペトルス=パウルス・ルーベンス(ジーゲン(ヴェストファーレン)、1577年-アントウェルペン、1640年)

    《扇を持つ若い女》

    1630-1633年

  • 褐色インク、黒チョーク、白のハイライト、サンギーヌ、筆

    縦53.5 cm、横34.5 cm

  • ジョン・バーナード・コレクション(1787年歿)、フランス革命の際にルーヴルに収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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