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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《放れ馬競争―ラ・モッサ》
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《放れ馬競争―ラ・モッサ》
© 2001 RMN / Gérard Blot
絵画
フランス絵画
謝肉祭の期間中に行われる、ローマのコルソの競馬の大作を、ジェリコーが完成することはついになかった。残された5点の絵画習作によって、ジェリコーがこの主題を、ある時は同時代の場面(リールとボルティモア)として、ある時は古典的な主題(ルーアンと、ロサンジェルス、ゲッティ美術館、およびルーヴル美術館)として扱っていたことが分かる。
勇壮な競争
ジェリコーは、この《放れ馬の競走》と、油彩とクレヨンで同じ主題を描いた他の習作を1816-1817年のローマ滞在中に制作している。画家は、ローマに数ヶ月間滞在した折に有名な謝肉祭に参加し、そこでお祭り騒ぎが最高潮に達する、伝統的な放れ馬の競走を表わすこの場面のインスピレーションを得ている。
名士が集うタピスリー張りの観覧席があることから、「モッサ」と呼ばれている出発地点のポポロ広場で、アラブ種の種馬12頭ほどを馬丁が皆に見せているところである。
裸馬は、この機に特別なコースに変えられたローマの主要道路に沿って、ヴェネツィア広場まで続く危険なレースに駆け出すのである。
熱狂的な「馬の人」であるジェリコーは、馬丁が抑えきれないほどにまで極度に高まった動物の興奮を完璧に表現している。筋肉は、馬体と馬体がぶつかり合う激しさの中でぴんと張っているが、人間と馬は、競走と勝利という共通の欲望によって高揚しているように見える。
古典的な勇敢さと風俗画の間で
ジェリコーは、通りで直接観察した光景に想を得ているが、この競馬における馬の称賛や、庶民的で近代的な面が画家を魅了しないわけがなかった。ジェリコーは、何枚もの習作を制作し、10メートルほどの大作を描く大規模な構想を温めていたほど、このテーマを気に入っていたのだが、様式的な追求や、芸術上の選択を表わす、様々な方法でこの主題を扱ったのである。
ボルティモアに所蔵されている作品では、ジェリコーは特定の出来事を忠実に描き出している。主題は風俗画のように扱われており、そこでは近代的な衣服が認められ、観覧席はローマの住人で埋め尽くされている。それに反して、ルーヴル美術館に所蔵されている作品では、馬丁は上半身裸もしくは古代風のチュニックを着ており、背景に古代建築の見える構図には、より抽象的な傾向がうかがえる。様式は、叙事的な場面を描くのにふさわしいものと言ってよいだろう。こうしてジェリコーは、作品に古典主義をもたらしており、この傾向はロサンジェルスのゲッティ美術館に所蔵されている下絵の中で一層強調されている。
ジェリコーと近代性
ローマ賞を逃したために自費でイタリアに滞在した際、その気質がアカデミックな研究の厳格さに合わなかったジェリコーは、同輩からなかなか認められることがなかった。17世紀以降、全ての偉大なフランスの芸術家にとって避けて通ることのできない「大旅行」であるこのイタリア滞在から、ジェリコーは満足せずに帰国し、友人の一人に「悲しみと倦怠の一年」と語っている。それはおそらく、ジェリコーの作品が第一に近代性を追求していたためで、画家が通りで見た光景から数多くの素描を残したのに比べ、古代の遺跡にはさほど注目しなかったのである。若くして亡くなり、弟子もいなかったジェリコーは、すぐれて近代的な絵画を残した。若きドラクロワは、この近代性を感じ取り、巨匠たちの作品を好んで研究すること、写実主義的な感覚、更には同時代の主題に適した表現をジェリコーから学んだのである。
出典
- LAVEISSIERE S., Michel R., Chenique B., Géricault, catalogue d’exposition, Galeries nationales du Grand Palais 1991-1992, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1991.作品データ
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テオドール・ジェリコー(ルーアン、1791年-パリ、1824年)
《放れ馬競争―ラ・モッサ》
1817年
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油彩、カンヴァスの上に貼り付けられた紙
縦45 cm、横60cm
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1912年、モーリス・オデウーの遺贈からの配当金によって、J. ドルフュの競売で取得
R.F. 2042
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シュリー翼
3階
ジェリコー
展示室61
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
