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《日の入りのネミ湖の光景》

© 2005 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
イギリス絵画

執筆:
Odin Alice

ローマ近辺にあるネミ湖の古来からの異名である「ヴィーナスの鏡」が描かれている。この主題は画家と当時の人々を余りにも魅了したため、少なくとも10数点のバージョンが数え上げられ、その中にはフランシス・タウン、フランシス・パースによる作品も含まれている。ライトはこの絵画をイタリアに旅行した約15年後の1790年頃に制作しており、光と暑気を見事に織り交ぜながら、地中海の雰囲気を喚起している。

ネミ湖、もしくは「ヴィーナスの鏡」

湖の水面には周囲を取り囲む丘の切り立った岸辺が映っている。鳥が数羽のんびりと飛び、雌ラバに乗った農民と家畜の群れがこの広大な景色に活気を与えている。この土地の歴史とその美しさは、画家や旅人たちを常に魅了してきた。
画面全体に岩の多い土の様相をもたらしているオレンジ色がかった茶色によるほとんど完全な淡色によって、その不動さがまず心を捕らえる。次に作品におけるタッチと聡明さが、イタリア特有のこの風景の中で暑気と無気力を結合させているため、より一層深い衝撃をもたらしている。
熱気とまばゆい光に押しつぶされた風景は、この神話の土地に注意を引き寄せるかのように、視線の自由を奪ってしまう。

イタリア、もしくは描かれた光

18世紀のイタリアは、名を上げようとする画家の全てにとって必要不可欠な通り道であった。ルネッサンスの画家たちによって留められた光や、この国の絵画に与えられた重要性が、イタリアを避けて通れない地にした。
1773年、ライトはイタリア旅行を企画し、そこで数多くの素描画を描き、地中海の光の表現に勤しんだ。そしてこの地特有の雰囲気を喚起するために、細部の描写に重要性を与えている。
1775年にイギリスに帰国した後、南の地方の印象を再生するために彼は多数の下絵を用いている。光の効果と組み合わされた観察力に向けられた関心は、崇高な美的感覚を高めながら、見事な効果を生み出している。農民と家畜の描写は、想像と現実との熟練した融合を際立てている。

多彩な作品を残した画家

裕福な家庭に生まれたライトは、1750年代にトマス・ハドソンのアトリエで修行している。1760年頃に肖像画を手がけ始め、ロンドンの芸術家協会では歴史画家と同時に肖像画家として展示している。
1768年に、ロンドンのテート・ブリテン(旧テート・ギャラリー)に保存されているイギリス絵画の傑作のひとつに数え上げられている有名な《空気ポンプの実験》を展示する。この作品の中では、フロベールが書いているように、「素朴さと奥深さ」だけでなく、18世紀における科学と感情描写に対する熱狂的な関心が交じり合っている。
ライトの作品は多岐に渡っており、画家が手がけなかったジャンルはほとんど無いに等しい。

作品データ

  • ジョセフ・ライト、通称ライト・オブ・ダービー

    《日の入りのネミ湖の光景》

    1790年

  • カンヴァス、油彩

    縦1.00m、横1.28m

  • 1970年、ロンドン、アニュー画廊にて取得

    R.F. 1970-52

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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