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《村の花嫁》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランス絵画

執筆:
Perny Michèle

《村の花嫁》という題が付けられたこの婚約の儀式では、裕福な農民一家において、父親が厳かに未来の婿へ娘の持参金を手渡している。教訓画という新たなジャンルの最初の傑作として、この作品は1761年のサロンに展示されると同時に多大な成功を収めた。こうしてグルーズは、感受性鋭く、再び見出された公序良俗を描く画家として、教訓画の代表的作家となる。

結婚の約束

この場面でグルーズが描き出した12人の人物の中で、婚約した若い娘が、その態度からだけでなく、頭をかしげた様子や、慎み深い伏し目がちの、控えめで穏やかで優しげな表情から、一見したところ最も感動しているように見える。しかし、この正式な手続きは、彼女の人生を一変させるものであり、婚姻の約束もしくは当時よく行われていた民事婚に対して、この儀式の証人たちは、様々な矛盾した反応を見せている。まず父親のすぐ後ろにいる花嫁の姉は、片手を顔にあて、激しい嫉妬の表情を浮かべている。反対に妹は、もうすぐいなくなってしまう親愛なる姉の肩で泣きじゃくり、悲しみを隠し切れない様子である。出来事をもっと良く見るために爪先で立っている弟や、また右側で卓上に置かれた公証人の書類に興味を抱いている末息子を例として、幼い子供たちも彼らなりのやり方でこの出来事に関わっているようである。婚約者たちの両側に座り、おそらく自分の娘か結婚の義務についての大げさな演説をしながら、その演説に恭しく聞き入り、持参金を手にしている婚約者に向かって、手を差し伸べている一家の長と、椅子に座って、これから離れていく娘の腕を未だに握って引きとめようとしている母親は、各々がその役割を演じている。
この出来事が繰り広げられている室内の様子は、かろうじて分かる程度だが、この一家が、少女が投げたパン屑を、雛鳥とついばむ雌鳥が描かれている前景から想起される、農民の世界に属しているにもかかわらず、それなりのゆとりが感じられる。 

野心的な画家

グルーズは、生まれ故郷であるトゥルニュで絵画の初歩を学び、1750年ごろパリへやって来た。アカデミーの教育を受けながら、そこでとりわけナトワールに師事し、その後イタリアへ赴いて、1757年に一時的にシャルダンの近づきになるためにパリに戻ってきた。グルーズは多くの作品を発表したが、哲学者ディドロがその著作と社会的見解とに完全に合致すると考えたグルーズの絵画に対して、熱狂的な関心を寄せたにもかかわらず、それ以外にはたいして注目を集めることはなかった。
ディドロによる豊富な記述が残されている《村の花嫁》は、1761年にサロンに出品されると同時に、真の勝利を収めることになる。申し分ない構図と滑らかな筆致で、とりわけ念入りに仕上げられたこの作品は、歴史画の様式と手段で描かれた風俗画という、新しい美学の道を切り開いた。そこでは、あるメッセージを伝えるために、枠組みが繊細に消し去られ、風俗の綿密な研究が大きな位置を占めている。
こうした教訓を説く感動的な作品のジャンルは、農村の田園恋愛詩と自然への回帰を熱望していた、当時の大衆の期待に叶っていたのである。

当時の優れた証言者

《村の花嫁》のような作品の反響によって、グルーズは間違いなく、社会的にも精神的にもとりわけ激しく変動した時代の、主役の一人かつ優れた証言者の一人となった。こうしてグルーズは、新しい価値観を探求しながらも、自由主義的であると同時に道徳的でもあるこの世紀の矛盾にきわめて呼応した、代表的な唯一の画家だったのである。
18世紀半ば頃から、感傷文学が広まり、それを絵画が、自由思想の放縦ぶりにすでに嫌気がさしていた大衆を魅了した主題、意図、感傷的な暗示といったものを優先しつつ、模倣し始めた。こうしてグルーズは、当時の精神の中心へと入り込み、確かに人々の期待に応えたのだったが、同時に繊細で表情豊かな芸術で観者の共感をさそい、その手法は今日でも受け入れられている。

出典

-  SAHUT Marie-Catherine, L'Oeuvre en direct : L’Accordée de village de Jean-Baptiste Greuze (1725-1805), Conférence à l'Auditorium, Saison 2001-2002,  le vendredi 26 avril 2002.

- CROW Thomas, La peinture et son public à Paris au XVIIIe siècle, Macula, 2000.

- BOULOT Catherine, « Greuze et la peinture morale », in Feuillets, musée du Louvre,  4/36, juin 1992.

作品データ

  • ジャン=バティスト・グルーズ(トゥルニュ、1725年-パリ、1805年)

    《村の花嫁》

    1761年サロン出品

    ポンパドゥール夫人の弟でルイ15世時代の建築総監マリニー公爵のために制作

  • 油彩、カンヴァス

    縦0.92 m、横 1.17m

  • 1782年、ルイ16世によって取得1793年、国立コレクションに所蔵1807年、ルーヴル美術館に収蔵

    INV. 5037

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    ディドロの画家たち
    展示室47

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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