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《楕円形大皿》

© Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

工芸品
ルネサンス

執筆:
Sophie Baratte

この多色塗りの大皿には、底に描かれた白い飾り枠の中に、琺瑯細工師の名がはっきりと記されている。皿は、表も裏も、用いられている色全体の色調はかなり鈍い。というのも、銀箔上に置かれた半透明の色彩が、肩部分を飾る小天使らと同様、全体を明るくするまでには至っていないからである。

琺瑯細工師ジャン・リモザン

ジャン・リモザンは、リモージュの古文書資料において、1628年と1635年、そして、その死の直前の1646年にその名が確認されている。リモザンがその作品に制作年を記していたかどうかはわからない。全体の色彩や、装飾モチーフの特徴は、この琺瑯細工師の17世紀前半の作品群のそれを示しており、この作品群には多くの多色塗り楕円形皿が含まれていたと思われる。

聖書主題

大広間では、玉座についた王が、その前にひざまずいた女と対面している。これはユダヤ人の女エステルであり、ここでは宰相ハマンにより迫害されようとするユダヤ人たちを助けるよう、夫であるペルシア王クセルクセスに懇願している。王はこの願いを聞き入れ、若い女の養父モルデカイに指揮を託す。この人物は、広間の奥に開けた戸外の空間に、繰り返し描かれている。まず宮殿の敷居部分に、次いで、壮麗な衣服をまとわされて馬に乗せられ、その敵である宰相ハマンに導かれている。右には、不眠に苛(さいな)まれるクセルクセス王が、その治世の物語を朗読させ、モルデカイに命を救われたことを思い起こしている。この場面は、1585年に出版されたヘラルト・デ・ヨーデの版画に着想を得たものである。

皿裏面とエンドウ豆の莢(さや)モチーフ

皿の裏面は、黒地に金のモチーフをふんだんに使って装飾され、四つの輪が付いた葉形の花輪装飾、また肩部分では、三つの金の球を四回繰り返し用いたものがあしらわれている。小さな金の植物モチーフが皿の底全体にちりばめられており、その底部分自体は、青、緑、紫の服をまとった二体の女性胸像柱で飾られている。巻き革装飾も同様に青、紫色であり、それらに取り囲まれた楕円形の中には、髭を生やし葉飾りを頭に戴く男の裸体半身像がある。この装飾の基本型は16世紀の単色画絵皿に見られるものであるが、ここでは色調は暗く、まったく異なった効果を生んでいる。
エンドウ豆の莢(さや)モチーフに関しては最近研究が進み、1610-1620年、ルーヴル・ギャラリーの彫金職人たち、すなわち、宝飾品や金銀細工のための彫刻を行った芸術家らの作品に見られたものであることがわかっている。このように、19-20世紀になってからしばしば16世紀後半の作であると考えられていた作品についても、より正確な制作年代を推定し得る材料が手に入ったのである。

作品データ

  • ジャン・リモザン(1505-1577年)

    《楕円形大皿》

    1620-1630年

    リモージュ

  • 銅板の上に描かれた琺瑯

    縦39.9 cm、横48.9 cm

  • ジャン=バティスト・タヴェルニエ(1605-1689年)コレクション、ハンブルクにてブラウンシュヴァイク公アントーン・ウルリッヒ(1633-1714年)により購入、18世紀初めザルツダールム城にて確認、1806年革命時に接収

    -エステルとクセルクセス

    N 1389

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ベルナール・パリッシー
    展示室30

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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