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作品 《正面向きの横たわる女―眠るプシュケ》

素描・版画部門 : 17世紀

Théière "Calabre"

素描・版画
17世紀

執筆:
Mancini Federica

《眠るプシュケ》は、円熟期のチーゴリの最も美しい素描の一つである。この素描のように、チーゴリの後期作品は、フィレンツェを源泉とする自然主義とローマ古典主義の綜合を特徴とする。この時期チーゴリは、彩色効果を強調するために、濃い地塗りをほどこした紙に体系的に着色素材を用いた。そうした効果のおかげで、この素描は見事な作品となっている。

ヴィッラ・ボルゲーゼ

この素描は、ローマのヴィッラ・ボルゲーゼの大事業の一部をなすロジェッタ(小ロッジア)のリュネット(半円筒交差穹窿[きゅうりゅう])を飾るフレスコ画の準備習作である。教皇パウロ5世の甥にあたるシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿は、1603年にクゥイリナーレ宮殿全体の造営を依頼し、その装飾事業は、フィレンツェのアントニーオ・リッチの仲介によって、グイード・レーニ、ジョヴァンニ・バリオーネ、ドメーニコ・パシニャーノ、チーゴリに託された。それにもかかわらず、枢機卿がヴィッラ・ボルゲーゼの造営事業に完全に身を捧げることを決意した1616年に、クゥイリナーレ宮殿の事業の方は断念された。その際、ヴィッラ・ボルゲーゼのロジェッタの装飾は、1611年から1613年の間に制作された、穹窿のフレスコ画との4枚のリュネットのフレスコ画の中の3枚を含むものだった。ロジェッタは、ナツィオナーレ通りを拡張する工事のため、1857年に取り壊される。「プシュケの物語」の連作は、その際ロジェッタから引き剥がされ、1875年にヴァティカン絵画館に、次いで1952年にブラスキ宮殿に移され、現在もそこで所蔵されている。ルーヴル美術館所蔵の素描は、ロジェッタの最初のリュネットの部分に関連している。J・ベアンによって1958年に正当にチーゴリ作とされたこの素描は、チーゴリ最後の非宗教的主題の連作の過程を物語る、今日現存する5枚の素描の中の一枚である。このフレスコ画の作者が誰であるかということは19世紀まで分からず、「プシュケの物語」連作は、アンニーバレ・カラッチ作、次いで「LC」という頭文字が見つかったことから、ロドヴィーコ・カラッチ作とされていた。この連作が最終的にカルディ作とされたのは20世紀初頭のことに過ぎない。

ミケランジェロの貸し

プシュケは、濃い線描でざっと描かれたクッションの上に横たわっており、顔を右側に向けている。プシュケを覆う掛け布はめくれ上がっており、プシュケの胸と右足をはだけさせているのは、おそらく風の仕業である。身体の正確な描写が、着色素材の光り輝く効果のおかげで、足を曲げた遠近法により強調された短縮法で描かれた人物に写実性を与えている。半ば横たわっているこの女性は、リュネットの右側の《ゼフュロスに息を吹きかけられ、庭で眠るプシュケ》の人物像の準備習作である。この場面は、アプレイウスの『変身物語』(11巻)の『黄金の驢馬』から想を得ている。ミケランジェロがこの著作をチーゴリに貸し、それを返してもらったと書簡で言及しているおかげで、チーゴリがこの著作を読んだことがあると分かる。

素描とその左右逆の作品

ロジェッタ連作の5枚の準備素描の中で、《眠るプシュケ》は、チーゴリの装飾の才能を示す最良の例である。力強い線描と揺れ動く輪郭で描かれたこの女性は、新しい構図法で示されており、軽快な描出と豊かな形態によって、この女性はこの世のものとも思えぬ人物像へと高められている。フィレンツェの遺産は、チーゴリがローマで知ったカラッチ派に道を譲っている。ファルネーゼ宮殿の「明るい絵画」は、ルーヴル美術館の素描の色彩効果にうかがうことができるが、その左右逆の作品の一つは、フィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。

出典

- Amours, Paris, Fondation Cartier pour l'art contemporain, Arles, Actes sud, 1997, p. 196.

- BEAN Jacob, Dessins florentins de la collection de Filippo Baldinucci, 1625-1696 : XIXe exposition du Cabinet des Dessins, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1959, n 30.

- CHAPPELL M. L., Disegni di Ludovico Cigoli, Gabinetto di Disegni e stampe degli Uffizi, Firenze, 1992, pp. XII, XV, 190-192.

- VIATTE Françoise, Musée du Louvre, Inventaire général des dessins italiens, III : Dessins toscans XVe-XVIIIe siècles, t. I : 1560-1620, Paris, 1988, n 168 p. 105.

作品データ

  • ロドヴィーコ・カルディ、通称イル・チーゴリ(チーゴリ、1559年-ローマ、1613年)

    《正面向きの横たわる女―眠るプシュケ》

    1611-1613年

  • 灰緑色の紙に黒チョーク、サンギーヌ、白のハイライト

    縦30 cm、横42.5 cm

  • フィリッポ・バルディヌッチ・コレクション( 第3巻、32頁)、フランチェスコ・サヴェーリョ・バルディヌッチ(フィリッポの子息)・コレクション、パンドルフォ・パンドルフィーニ・コレクション、カミッロ・パンドルフィーニ・コレクション、ロベルト・パンドルフィーニ・コレクション、アンジォーロ・パンドルフィーニ・コレクション、アンナ・エレオノーラ・パンドルフィーニ(フィリッポ・ストロッツィの妻)・コレクション、エレオノーラ・テレーザ・パンドルフィーニ・コレクション、1806年に画家フランソワ=グザヴィエ・ファーブルの調査報告に基づき、フィリッポ・ストロッツィの仲介により購入

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

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作品の補足情報

ペンと褐色インクで右下に書き込み:Cigoli