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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《正面向きの男の頭部の二つの習作》

Deux études de têtes d'homme, de face

素描・版画
16世紀

執筆:
Mancini Federica

素描の表裏両面に繰り返し描かれている男の顔は、ポッジオ・ア・カイアーノのメディチ家邸にある《カエサルへの貢物》のフレスコ画に見ることができる、前かがみになってライオンを手で捕まえている男のそれである。最初に描かれた主要な習作は、おそらく本物のモデルをもとにしたものであり、生き生きとした表情と力強さがそれを裏付けているように思われる。素描は大がかりな制作の注文の一部であったが、教皇レオ10世の逝去により、1521年急遽中断されることとなる。

大ロレンツォへの賛辞

ポッジオ・ア・カイアーノのメディチ家邸の客間の装飾は、教皇レオ10世により、その父、大ロレンツォへの敬愛の念を示すために注文された。図像表現の概要はパオロ・ジョーヴィオにより計画され、側壁部分はアンドレア・デル・サルトおよびフランチャビジオ、またリュネット(半円筒交差穹窿)のフレスコ画はポントルモが、それぞれ分担した(ルーヴルの素描inv.2903を参照)。だが、制作は教皇の逝去により打ち切られる。1581年、クリストフォロ・アッローリがアンドレア・デル・サルトのフレスコ画の残り三分の一を描き、作品を完成させた。《カエサルへの貢物》は、1487年に大ロレンツォに贈られたエジプトのスルタンの捧げ物を寓意で示した作品である。

ローマへの巡礼

この場面の準備習作(その模写は素描・版画部門に所蔵されている、inv.1673)は、当初サルトにより考案された全体の計画がどのようなものであったのかを教えてくれる。しかしながら、素描は絵画作品との間に顕著な相違点を示している。変更が加えられたのは、サルトが教皇の同意を得るためにローマへ赴いた際、その途次で新しい発見があったためである。というのは、フレスコ画に見られる人物像は、作者がその時見出した古代ローマの彫像の影響を示しているからだ。他のすべての準備習作と同様、ここに紹介されているルーヴルの素描も、このローマ旅行以後の時期のものである。

レオナルドとミケランジェロの間に位置を占める画家

これらの習作は、サルトの円熟期の最も表現力に富む素描のうちに数えられる。これらは、「反復による再構成」の見事な例、すなわち、一つの秩序にしたがって、いわば構文において語尾を変化させるように、ある人物像の周りに、その各部分を拡大したものを配するという手法である。そこでは、主要な習作が出発点となり、他の習作は、最終的な絵画作品に最も近づいた図案となっている。この「空想上の雄弁」は、一方で輪郭線と陰とが激しく混ざり合った流れを生みだし、16世紀の20年代に見られるサルトの作風を示す徴候となっている。闊達な筆致の巧みな表現はアンドレア・デル・サルト独自のものとされており、それゆえにこの画家を、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの間に位置を占める大芸術家の一人と考えてよいのである。

出典

- BOUBLI Lizzie, Savoir-faire. La variante dans le dessin italien au XVIe siècle, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2003, p.72 et notice 9.

- COFFEY Caroline, Maestri Toscani del Cinquecento, Firenze, éditions Alinari, 1979, notice 25.

- CORDELLIER Dominique, Hommage à Andrea del Sarto, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1986, notice 29.

- PETRIOLI TOFANI Annamaria, Andrea del Sarto, Disegni, Firenze, 1985, notice XXI recto.

作品データ

  • アンドレア・ダニョーロ・ディ・フランチェスコ、通称アンドレア・デル・サルト(フィレンツェ、1486年-同地、1530年)

    《正面向きの男の頭部の二つの習作》

    1521年

  • ベージュ色の紙にサンギーヌ

    縦33.5 cm、横26 cm

  • エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクション 、1671年に国王美術品蒐集室に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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