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作品 《水浴する女、別称ヴィーナス》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《水浴する女、別称ヴィーナス》

© 2010 RMN / René-Gabriel Ojéda

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

この「美しい、美しい、崇高な姿」はディドロとその同時代人に感動を与えた。アルグランは女神の理想化された体を彫り上げるのではなく、女性の肉体の写実性を打ち出す。流れるような線、豊満な肉感、快楽的な動き、洗練された髪型が、この作品を非常に官能的なものにしている。

美しい、美しい、崇高な姿

「美しい、美しい、崇高な姿。彼らは、近代人が作り上げた最も美しく最も完成された女性の姿だとさえ言う。」とディドロは1767年のサロンで熱狂する。彫刻家の工房で見ることができたこの立像は、全員一致の賛嘆を得た。大理石に施された柔軟な制作が、この女の裸像に肉体の弾力性と官能性を吹き込んだのである。

作品は彫刻家を世を出す

これまで無名だったアーティストはこの作品で世に知られる。ディドロは、友人で彫刻家のエチエンヌ=モリス・ファルコネに宛てた1768年5月付けの手紙の中で、「今まで一度も名前を聞いたことが無かったこのアルグランは水浴するヴィーナスを仕上げたばかりだが、大芸術家すらこの作品を賞賛している。」と書いている。この王室注文をアルグランに託す前の1755年に、王室建築局長のマリニー侯はシャルル=ニコラ・コシャン(彫刻家、王室デッサン室、王立絵画彫刻アカデミー歴史編纂官で芸術政策に多大な影響力を持つ)に意見を打診した。後者は彫刻家の唯一知られた作品はアカデミー入会作品の《ナルキッソス》であると認めるだけに留まった。アルグランはそれでも、義理の兄で、ルイ15世時代を代表する彫刻家ジャン=バティスト・ピガールの名声が考慮に入れられ、注文を得る。しかし、送られてきた大理石の塊は、筋や青みがかったシミのある悪質なものだった。1757年のサロン出展のエスキスは目に留められなかった。その10年後に大理石像がセンセーションを巻き起こしたのである。ルイ15世は1772年に、愛妾デュ==バリー婦人にこの彫刻を贈った。婦人はルヴシエンヌ城庭園にこれを置き、対になる、《アクタイオンに驚くディアナ》(ルーヴル美術館)を彫刻家に注文した。革命期接収となったこの二つの彫刻は、1824年にルーヴル美術館収蔵となった。

古代のプロポーションと写実的官能性

当時の批評家がそのプロポーションを賞賛した姿は、古代彫刻特有の美点とされるシンプルさと自然さを持ち合わせている。だが、ヴィーナスは表面的には古代のどのモデルにも基づいておらず,ヨーロッパの彫刻に多大な影響を与えた、フランドル地方出身のイタリアの彫刻家ジャン・ド・ブローニュ(1529—1608年)の作品に見られる曲がりくねった流動性が表現されている。特に、《香水瓶に足を置く水浴の女》に非常に類似している。ドゥエの修道院に17世紀のブロンズ製複製作品があるが、くねくねと曲がった線、なで肩で小さな胸、また(アルグランが特別好んだ)凝った三つ編みの髪型が見られる。アーティストは、引き締まった理想化された女神の体ではなく、一人の女の写実的な肉体を彫り上げている 。豊かな肉体が腹部、腰部、また腕の窪みに襞を作る。頭の姿勢、顔の表情、洗練された髪型から官能的な魅力が醸し出される。唇と左目尻の皺に微かな笑みが浮かぶ。頭の傾きは、大理石の壊れやすさを考えたら、非常に思い切ったものである。その補強の為、アーティストは後首の付け根に「繋ぎ橋」を取り付けた。この方法で彫刻家は細部の美と全体の明快さを和解させている。

出典

- BEAULIEU Michèle, "Une étude d'Allegrain pour la Vénus au bain", in BSHAF, 1955, pp. 59-62.

- DIDEROT Denis, Ruines et paysage. Salon de 1767, Éditions Hermann, Paris, 1995, pp. 483-485.

- Diderot et l'art de Boucher à David, catalogue d'exposition, hôtel de la Monnaie 1984-1985, Paris, 1984, pp. 436-439.

作品データ

  • クリストフ=ガブリエル・アルグラン(パリ、1710年−パリ、1795年)

    《水浴する女、別称ヴィーナス》

    1767年

  • 大理石

    高さ1.74m、幅0.62m、奥行き0.675m

  • 1793年革命期接収、1824年ルーヴル美術館収蔵

    M.R. 1747

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    地上階
    ピュジェの中庭
    中庭

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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