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作品 《海辺に座りヴィーナスの戦車の白鳩を集めるクピド》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《海辺に座りヴィーナスの戦車の白鳩を集めるクピド》

© 1994 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

ブーシャルドン同様、ヴァッセはクピドを少年の姿で表すが、理想化に一層の注意を払う。文学的で又稀なテーマを取り上げ、線の優雅さや大理石仕上げの柔軟が勝る純粋な作品を彫りあげる。美しく重厚な神の顔が落ち着いた優雅さを与える。

稀なテーマ

率直さや自然さが特長のこの作品の中で、美少年クピドは岩上に座り、母であるヴィーナスの戦車を引く白鳩を集めている。3個の貝殻と大理石の台(テラス)上の震えるような波が海の存在を控え目に示す。大きな翼、地面に置かれた矢筒、古代のサンダルがこの若い神のアトリビュートである。伝説によるとシチリアのエリュクス(今日のエリーチェ)山の神殿にアフロディーテ信仰があり、この聖地に多く住む白鳩は、リビアの岸へ儀式の旅に出る女神に同伴する為、年に9日間は全く姿が見えなくなるという。ヴァッセは多分この伝説を語る古代作家パウサニアスや詭弁家アエリアノスの書は知らなかったであろう。この主題は、彼の非常に有力な保護者で、18世紀の偉大な古代物蒐集家で博学者の一人であるケイリュス伯爵から暗示されたと思われる。

有名な蒐集家所有

1755年のサロンに石膏原型を提出後、大理石制作はアンジュ=ロラン・ラリヴ・ド・ジュリーによって注文された。この有名な蒐集家は、『祖国愛』に動かされフランス派の陳列室を作った。これによりフランス絵画彫刻はフランドル派やイタリア派の絵画彫刻と比較し得るものであることを証明しようとした。その後、作品はルイ15世の寵姫デュ・バリー伯爵夫人に渡った。彼女のコレクションは革命期に接収されるが、その中に多くの素晴らしい作品が含まれていた。その後、ナポレオンの最初の妃のジョゼフィーヌ・ド・ボーアルネが所有しマルメゾンに置かれた。作品は3人の有名な蒐集家の手を経た事になる。この作品はピエール・ファビウスにより1986年にルーヴルに寄贈された。

純粋な線

ヴァッセは明らかに、師のエドム・ブーシャルドンが1750年に完成させた傑作《ヘラクレスの棍棒で弓を作るクピド》(ルーヴル美術館)を模範としている。年齢、モデルの姿勢、顔のタイプ、髪型、特に姿の純粋な線、大理石での造形の柔軟さや自然さ(例えば腹部の皺)に同一性が見られる。だが、ヴァッセは理想化に一層の注意を払う。彼のクピドは気品ある仕事をしている最中である。ブーシャルドンは神に馬鹿にしたような微笑を与え、悪戯っけを喚起する。ヴァッセは美しい顔に注意深い重厚さを彫りあげる。制作の柔軟さや優雅さ、そして線の純粋さはこの大理石を魅力あるものにしており、この点がフランス彫刻史の中のこの時期の特徴である。この時期はロカイユ美術の終焉と新古典主義誕生との境目にあたる。

出典

- GABORIT Jean-René, « L’Amour de Louis-Claude Vassé au Louvre », in Revue du Louvre, 1987, n°1, pp.39-42.

作品データ

  • ルイ=クロード・ヴァッセ、パリ1716年-パリ1772年

    《海辺に座りヴィーナスの戦車の白鳩を集めるクピド》

    1755年

  • 大理石

    高さ61cm、幅38cm、奥行き42cm

  • 1986年ピエール・ファビウス夫妻寄贈

    R.F. 3735

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    パジュ
    展示室27

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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