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作品 《瀕死のスパルタの闘士オトリアデス》

彫刻部門 : 北ヨーロッパ

《瀕死のスパルタの闘士オトリアデス》

© Musée du Louvre/P. Philibert

彫刻
北ヨーロッパ

執筆:
MONTALBETTI Valérie

オトリアデスは拳闘で唯一生き残ったスパルタの英雄だが、仲間が全て死んだ為自殺する。死ぬ直前に、自分の楯に自らの勝利を刻み込む。テラコッタの神経質な肉付けが、誇り高く最後の力を振り絞るこの体の緊張感を良く伝えている。このエスキスは、ローマで名声を得たスウェーデン人彫刻家セルゲルによる石膏像の為の準備作品である。セルゲルはパリの王立絵画彫刻アカデミーへの入会資格承認作品として1779年1月にその石膏像を提出した。

スパルタの英雄

オトリアデスはスパルタの英雄で、ティレアの町の所有権決定の為行われた、スパルタ人300人に対してアルゴス人300人の拳闘で唯一生き残った。勝者であるが、仲間が亡くなった後生き延びるのを拒絶し自殺する。この逸話は紀元前5世紀のギリシアの偉大な歴史家ヘロドトスの話から取られている。小像は息を引き取るオトリアデスを表す。最後の力を振り絞り、トロフィーの神ゼウスに向け「私は勝った」と自分の楯に壊れた剣で刻み込む。これに関する歴史家の叙述は無い。恐らくもう一人のスパルタの英雄レオニダスが、死ぬ前に祖国の名誉の為自分の誇りとするモットーを刻んだという話と同一視したのであろう。

荒々しいエネルギー

スウェーデンでフランス人彫刻家のもとで修行したセルゲルは1767年から1778年にかけてローマに滞在し、古代芸術やルネッサンスの巨匠の作品を発見する。彼の作品にはこれら模範作品からの深い影響が見られるが、スウェーデン人作家は新しい緊張感を刻み込む。後ろにひっくり返り苦しむ頭は、古代作品《瀕死のアレクサンドロス》(フィレンツェ、ウフィツィ美術館)に想を得ている。全体の態度に関しては、セルゲルはヴァティカンにあるラファエㇽロのフレスコ画《寺院から追い出されるヘリオドロス》の中の、ヘリオドロスのポーズを念頭においている。しかし、エスキスの神経質で高揚した肉付けは、戦士に荒々しいエネルギーを刻み込んでいる。凸凹のある表面が筋肉の緊張を表す。解剖学的な不均衡さが表現を強める。地にしがみつく大きな手と変形し盛り上がった左肩が体を持ち上げようとする最後の力を表す。勝利を刻む手の拳は異常に大きい。ピンク色がかったベージュ色のテラコッタの表面には真っ赤なシミが数カ所あり、この英雄の血を喚起している

パリのスウェーデン人

この小像は、セルゲルが、パリの王立絵画彫刻アカデミーの入会資格承認を得るために1779年1月に提出した石膏像(今日消失)の為のエスキスである。彫刻家は既にローマで名声を得ていたので、スウェーデン王グスタフ3世から帰国を呼びかけられた。母国に戻る前にパリに1年程滞在した。デュ・バリー夫人(ルイ15世の寵姫)又はブルトゥイユ男爵のような有名なフランス人愛好家の為にローマで制作した作品は、この滞在に先立ったものである。誇り高く気品あるオトリアデスの性格は、アカデミーへの入会は当たり前と自負していたこのスウェーデン人アーティストの性格を十分表している。もう一つテラコッタ小像(ストックホルム国立美術館)があり、これより大きくまた一層完成しているが、この作品の大理石での制作は知られていない。

出典

- DRAPER James D. (dir.), OLAUSSON Magnus, SCHERF Guilhem, L'Esprit créateur de Pigalle à Canova. Terres cuites européennes 1740-1840, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2003, n 17, p. 61-64.

- DASSAS Frédéric ( dir.), L'Invention du sentiment. Aux sources du romantisme, Musée de la musique, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2002, n 19 (notice de Dominique de Font-Réaulx).

- La Révolution française et l'Europe 1789-1799, Galeries nationales du Grand Palais, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1989, n 396.

- La Révolution française à l'école de la Vertu antique, 1775-1796, Montauban, Musée Ingres, 1989, n 36.

- Bulletin des musées, 1er octobre 1923, p. 247.

作品データ

  • ヨハン・トビアス・セルゲル−ストックホルム、1740年—ストックホルム、1814年

    《瀕死のスパルタの闘士オトリアデス》

    1778年頃

    パリ

  • テラコッタ

    高さ23.5cm、幅35cm、奥行き26cm

  • 1923年5月7日付省令によりリヴォン=デム売却で取得

    R.F. 1786

  • 彫刻

    ドゥノン翼
    1階
    ギャラリー・トーヴァルセン
    展示室E

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

今日消失した、セルゲルがパリの王立絵画彫刻アカデミー入会資格承認用に1779年1月に提出した石膏作品の為のエスキス