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作品 《獅子の穴の中のダニエル》

彫刻部門 : 中世のフランス

《獅子の穴の中のダニエル》

© Musée du Louvre/P. Philibert

彫刻
中世のフランス

執筆:
Gaborit Jean-René

この柱頭はロマネスク彫刻の特徴をよく示しており、古代の装飾モチーフ(隅の渦巻形装飾、中央の装飾)を借用してはいるが、物語場面を刻んである。ダニエルの坐像はきちんと表面に収まっている一方、両側のライオン頭部は、渦巻形装飾の支えとしての役割を強調している。ライオンはオリエント世界の手本を独自に解釈したもので、きわめて装飾性豊かに様式化されている。ダニエルのどちらかといえば写実的に描写された顔は、衣襞のほとんど抽象的といってよい模様と対照的である。

ロマネスクの柱頭

この柱頭は、パリの守護聖人の聖遺物を収めたサント・ジュヌヴィエーヴ教会の装飾の一部だった。同教会は、6世紀初めにフランク王クロヴィスと王妃クロティルドが建立した、メロヴィング朝時代の教会サン・ザポートル聖堂の跡地に、ロマネスク時代(11世紀末、12世紀初め)に再建された。本作品は、そもそもこの最初の教会で使われていた柱頭の大理石塊に彫刻したものである(元の柱頭装飾をなしていたアカンサスの葉が多少、今でも裏面に見える)。
ロマネスク時代の彫刻家は左右対称に場面を構成した。預言者ダニエルは若者の顔をして、観念し落ち着いた顔つきで、2頭のライオンの間に座っている。ライオンは恐ろしげな様子だが、ダニエルに襲い掛かかってはこない。主題は旧約聖書を出典としており、ダニエルはどんなひどい苦境にあっても、神の保護を絶対的に信じる者の手本として描かれる。

南フランス出身の彫刻家か?

本作品は様式の面から見ると、12世紀イル・ド・フランスの彫刻の中ではかなり孤立している。構成の点では、ボルドー近郊ソーヴ・マジュール教会の柱頭によく似ている。ライオンの扱いは、ラングドック地方とルシヨン地方の柱頭に現れるライオンを想わせる。この大理石の塊を彫刻する作業は、南フランス出身の彫刻家に委ねられたと考えるべきなのだろうか。南フランス出身であれば、ピレネー山脈の石切り場から600年前に運ばれてきたこの素材の扱いに、パリの職人仲間より慣れていたに違いない。
かつてサント・ジュヌヴィエーヴ教会にあった他の柱頭は、現在国立中世美術館(クリュニー美術館)が所蔵するが、これらが本作品とかなり異なるという事実もこの仮説を支持する。他の柱頭は、凝った図像(創世記の場面や黄道十二宮の象徴)を物語風の様式で彫刻してある。対称性はあまり気にせず、小さな人物像とかなりずんぐりした動物を、やや大げさなくらい装飾的に表現してあり、ダニエルのきわめて簡素な柱頭と対照的である。

サント・ジュヌヴィエーヴ教会

1807年に取り壊されたサント・ジュヌヴィエーヴ教会は、クロヴィス通りにあった。現在アンリ4世高校の建物に組み入れられている「クロヴィスの塔」は、実のところ教会の鐘楼だった。

作品データ

  • イル・ド・フランス-6世紀と12世紀初

    《獅子の穴の中のダニエル》

    6世紀にアキテーヌ地方で彫刻され、メロヴィング朝時代の教会パリのサン・ザポートル聖堂で使われた柱頭;12世紀に、「獅子の穴の中のダニエル」を表現するために彫り直され(裏面を除く)、パリのサント・ジュヌヴィエーヴ修道院付属教会で再利用された。

  • 大理石

    高さ0.49m、幅0.53m、奥行き0.51m

  • 1807年に取り壊されたパリのサント・ジュヌヴィエーヴ修道院付属教会旧在;フランス・モニュメント美術館に収蔵するため、柱頭はアレクサンドル・ルノワールによって回収された;1816年にサン・ドニ聖堂へ;1881年7月28日の法令によりルーヴル美術館へ委託

    R.F. 457

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ポルト・デスタジェル
    展示室1

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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