Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《産着で包まれた猫》

作品 《産着で包まれた猫》

素描・版画部門 : 18世紀

Le Chat emmailloté

RMN-Grand Palais - Photo J.-G. Berizzi

素描・版画
18世紀

執筆:
Dupuy Marie-Anne

この素描は、フラゴナールのきわめて多様な作品のある一面を見せてくれる。それは、子供のいる情景である。フラゴナールの観察の感覚とユーモアのおかげで、子供の主題はとりわけ味わい深いものになっており、フラゴナールはこの主題の絵画も制作している。1779年にパリで展示されたこの絵画は、今日行方が知られていないが、この素描とマルグリット・ジェラールの協力で制作された版画から、失われた絵画をしのぶことができる。

画家であり家族の長であったフラゴナール

この素描では、褐色の淡彩のきわめて軽いタッチの下に、黒チョークの下絵がはっきり見分けられる。ざっと描かれた、細くしなやかないくつかの描線だけで、作品を構成するには十分である。この作品は、大きな円柱をめぐって構成されており、その円柱には、猫を腕にぎゅっと抱きかかえた幼い子供が寄りかかっている。子供は、人形にでもするかのように、その猫を産着で包んでいる。目を閉じ、こわばった手足をぴんと張った猫の様子から、かくも屈辱的な状況で覚える居心地の悪さと戸惑いが伝わってくる一方、2匹の犬がその周りをうろついている。円柱の背後に見える別の子供は、逆にこの情景を楽しんでいるようである。ロザリーと、後に有名な芸術家になるエヴァリストという二人の子供の父であったフラゴナールは、こうしたユーモア溢れる寸劇を描くために、おそらく子供の遊びに想を得たものと思われる。

師匠と弟子

この素描は、1777年末頃かあるいは1778年初頭の作と位置づけられている。実際、この素描は、きわめて稀なエッチングの原画となり、エッチングには次のような題字が記されている。「16歳のジェラール嬢の最初の版画。1778年。」1761年1月24日生れのマルグリット・ジェラールは、フラゴナールの義妹であった。フラゴナールの妻マリー=アンヌより16歳年下のマルグリットは、1775年頃にフラゴナール夫妻と一緒に暮らすようになった。マルグリットは、フラゴナールの唯一人の弟子であり、おそらく若い頃に師匠フラゴナールと共に、《産着で包まれた猫》に基づく版画のようないくつかの作品を制作したものと思われる。この版画を制作した翌年、フラゴナールは、サロン・ド・ラ・コレスポンダンスに絵画を展示し、その絵の描写はここに表わされた主題に完全に一致している。この絵画は、批評家に大変高く評価され、「ルーベンス風の鮮やかな画風を思わせる最も美しい色彩」と称賛された。

幼年時代を描く画家フラゴナール

フラゴナールは、絵画でも素描でも、きわめてしばしば子供を描いた。フラゴナールに馴染み深いこのテーマからは、画家の鋭い観察の感覚や、モデルとその態度に対する十分な理解がうかがえる。こうした作品に溢れている優しさと、さらにはユーモアゆえに、フラゴナールはその同時代の画家たちとははっきり一線を画している。グルーズやその道徳的な主題からは程遠いのである。ルーヴル美術館は、サンギーヌによるフラゴナールの別の素描を所蔵している。そこでは、子供が椅子に座っているのに対し、猫が子供の足元で手足を縮めて丸くなっている(RF 40959)。

出典

- ANANOFF Alexandre, L'Oeuvre dessiné de Jean-Honoré Fragonard (1732-1806), Paris, I, 1961, II, 1963, n 15.

- CUZIN Jean-Pierre, Fragonard, Paris, Milan, 2003, n 30.

- ROSENBERG Pierre, Fragonard, cat. exp. Paris, Grand-Palais, New York, The Metropolitan Museum of Art, 1987-1988, n 239.

作品データ

  • ジャン=オノレ・フラゴナール(グラッス、1732年-パリ、1806年)

    《産着で包まれた猫》

    1777年頃

  • 黒チョークの輪郭線に褐色の淡彩

    縦0.454 m、横0.345 m

  • サン=モリス・コレクション、イポリット・ヴァルフェルダン・コレクション、1880年4月12-16日にパリでその競売(157番)、E・ド・ロットシールド男爵コレクション、M・ド・ゴルトシュミット=ロットシールド・コレクション、M・ド・ロットシールド男爵コレクション、1990年に代物弁済

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する