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作品 《病気の女》、伝統的通称《水腫の女》

絵画部門 : オランダ絵画

《病気の女》、伝統的通称《水腫の女》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
オランダ絵画

執筆:
Adeline Collange

ルーヴルに寄贈された作品第一号である!レイデンの画家特有の完璧な仕上げが施され、18-19世紀にきわめて有名になったこの作品は、罪によって神から遠ざかった魂の病(浄化の象徴としての水)と同時に、身体の病(医術の虚しさへの暗示)を主題として取り上げている。

愉快なペテン、もしくは宗教的道徳?

室内の静かな明暗の中、一人の医師が患者の尿を太陽の光にかざし、おそらく彼女が妊娠しているかどうかを調べていると思われる(作品のタイトル、《水腫の女》は間違いである)。患者は幼い娘女と侍女に励まされながら検査結果を待っている。医者や抜歯屋などの風刺的描写は、風俗画の中で大きな位置を占めてきた(テニールス、ファン・オスターデ、メッツーなどの作品に見ることが出来る)。しかしここで描かれているのは、ペテンに対する通俗的な告発と言うよりは、水の象徴に対する道徳的思索でる。それというもの、水は神と同じく生命の源、浄化の存在だからである(したがってここでは聖書を譜面台の上にはっきり認めることが出来る)。水は、画面の中で非常に沢山描かれている。例えば前景の洗面器の中や、とりわけ作品を埃から守るための覆い(同じくルーヴル美術館蔵)の上に描かれた見事な水差しなどである。これら水が具現する高潔な生命は過ぎ去る時のはかなさ(窓の側の小さな時計によって表現されている)に、魂の純潔さは身体の病に対比させられている。すなわち、患者の視線は、閉じこめられた室内の低級な物質性を越えた、空の光に向けた飛躍であると解釈するべきだろう。

天才的《細密画家》

ヘラルト・ダウは、レンブラントのアトリエで、1631年にレンブラントがレイデンからアムステルダムに移るまで働いていた。師がアトリエを去ったことによって、それまで師の作風を充分自分のものに出来なかったダウは、ようやく本来の写実的な「細密画家」としての才能を発揮できるようになった。それというのも、この画家の腕前は、比類ない完璧な技法によるものだからだ。各々の物体は非常に小さな点によって表現され、その正確さは錯覚を引き起こすほどである。例えば、グラスの透明感、シャンデリアの金属的な光沢、まばゆいサテンと柔らかなビロード地、色彩豊かな劇場風の幕の豪華さ。この画面の凝ったきらびやかさと、繊細な明暗法により和らげられた緻密な写実性によって、ヘラルト・ダウは「繊細な」絵画の第一人者となり、その名はレイデンの栄光をもたらすとともに、オランダ絵画芸術に大きな足跡を留めるのである。

栄光と不運

ヘラルト・ダウは同時代の人々から、当時最も偉大な画家の一人とみなされ、その名声は19世紀まで衰えることがなかった。ルーヴル美術館に最初の寄贈作品として入った(1798年)《水腫の女》は、大変な成功を博した。一方で印象派の台頭とともに、その技法が完璧すぎるとの非難を受けることになる。我々が再びこの画家に注目するようになり、その作品のそれぞれが持つ完全性の中に閉じこめられた詩情溢れる小さな世界を前に感嘆の声を上げるようになるには、20世紀のダリによる超リアリズムの訪れまで待たなければならない。

出典

- Le Siècle de Rembrandt : tableaux hollandais des collections publiques françaises, catalogue d'exposition, Paris, Musée du Petit Palais, 1970, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1970, p.55-56.

-  LOIRE Stéphane, La peinture au Louvre : 100 chefs-d’œuvre présentés par les conservateurs, préf. de Pierre Rosenberg,  Paris, Réunion des Musées nationaux - Hazan, 1992, n°56 (notice de Jacques Foucart).

作品データ

  • ヘラルト・ダウ(レイデン、1613年 − 同、1675年)

    《病気の女》、伝統的通称《水腫の女》

    1663年

  • 油彩 木

    縦86cm、横68cm

  • トリノ王室ギャラリー:ピエモンテ・サルデーニャ王により、その退位の際、クローゼル参謀副官に寄付され、1798年、同副官により「国家」に寄贈。1799年、ルーヴルに移管。

    INV. 1213

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    オランダ 17世紀中頃 ヘラルト・ダウ
    展示室35

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

制作年および後世の署名(?)1663 G. DOU OVT 66 JAER