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《神殿奉献》

© Musée du Louvre/A. Dequier - M. Bard

絵画
イタリア絵画

執筆:
Maisonneuve Cécile

この《神殿奉献》は、1423年にパッラ・ストロッツィが、フィレンツェのサンタ・トリニタ聖堂内部のストロッツィ家礼拝堂を飾るために注文した祭壇画の裾絵(最下部を帯状に飾る一連の小画面)の一つであった。祭壇画中央部の《東方三博士の礼拝》と、その他二枚の裾絵《降誕》と《エジプトへの逃避》は、本来の見事な額縁の中に収められた形でフィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。

都市の中心部

街の中心で正八角形の寺院が敷石が張られた広場に面して建っており、広場には宮殿が、右側では柱廊が沿って続いている。聖母と聖ヨセフは寺院に入り、彼らの第一子を主に奉献し、鳩の雛二羽を生贄に捧げているところである。右側にはシメオンと巻物を手にした女預言者アンナが配されている。神の子を腕の中に抱くと、シメオンは、死ぬまでに必ず出会うであろうと主が彼に告げた救世主の姿を、その幼子の中に認めるのである。人差し指で救世主を指しながら、アンナは「エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に」(ルカによる福音書、2章38節)幼子を示している。寺院の奥では、群集がひしめいている。広場の左側では15世紀に流行した優雅な衣装を身に纏った二人の婦人が外側からこの場面を眺めており、右側では二人の年老いた物乞いが施しを求めている。
建築家ブルネッレスキ(1377-1446年)は、当時既にその最初のバティステリオ広場の遠近法図(今日では紛失)を描き上げていた。ジェンティーレは作品の中で遠近法の論理にしたがってはいないものの、《神殿奉献》における都市の描写は、中央部の正八角形の建物と共に、ブルネッレスキの実験を絵画に反映させた最も古い例の一つと見なされている。画面右側の柱廊は同じくブルネッレスキが1419年から着手し、当時建築中であった《嬰児たちの柱廊》を描いたものと受け取られている。ジェンティーレはおそらくフィレンツェの大建築家ブルネッレスキを熱心に研究したとも思われるが、その傾向はどちらかというと、当時洗礼堂の北扉を完成させつつあった彫刻家で金銀細工師のギベルティ(1378-1455)の作風に近く、優美な直線がもたらす一種の詩情は、両者に共通するものであった。

ストロッツィによる注文

このパネルは、フィレンツェで最も富裕な一族のひとつであったストロッツィ家の一員、パッラ・ストロッツィによって、ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノに1421年ごろ注文された祭壇画の裾絵である。この祭壇画(フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)はサンタ・トリニタ聖堂内部の家族礼拝堂のために制作された。中央パネルは《東方三博士の礼拝》を描いており、本来の場所に留まっている下部のその他二つのパネルは《キリスト降誕》と《エジプトへの逃避》を描いている。祭壇画に元から付いている額縁には、画家の署名「OPUS GENTILIS DE FABRIANO」(ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの作品)が、制作年「MCCCCXXIII MENSIS MAIJ」(1423年5月)と共に記載されている。当時ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノはイタリアで最も有名な芸術家の一人であり、各国のゴチック様式の代表的存在であった。まさにこの作品は、新たな芸術の様式が芽生え始めたフィレンツェで制作された、金銀で覆われた贅沢な祭壇画なのである。

写実主義のタッチ

衣服の襞(ひだ)を写実主義的に捉えることに、時にほとんど関心を払わないこともあったジェンティーレ・ダ・ファブリアーノではあるが、ここでは二人の物乞いの姿に見られるような、都市生活から取り上げられた現実的な断片を装飾のモチーフとして好んで描き入れている。画家による光の扱い、というよりむしろ光は、光の現象に対する画家の入念な観察をよく示しており、ここではそれが二つの異なる光源によってもたらされている。一つ目は、室内の中央に吊り下げられたランプから広がりながら、寺院の内部を温かな、微かに金色を帯びた空気で満たしている光。もう一つはより一層白く冷ややかな陽の光であり、アーチ上部の小壁に配された浮彫りの金属の円盤上で幻覚を引き起こすかのようにゆらめきながら、街とそこに住む人々を照らし出している。

作品データ

  • ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(ファブリアーノ、1370年頃-ローマ、1427年)

    《神殿奉献》

    1423年

    フィレンツェ、サンタ・トリニタ聖堂、ストロッツィ礼拝堂

  • 板に卵を用いたテンペラ

    縦26cm、横62cm

  • 1812年、ルーヴル収蔵

    INV. 295

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    7メートルの間 13‐15世紀のシエナと北イタリアの絵画
    展示室4

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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