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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《終油》

L'Extrême-onction

Musée du Louvre, dist. RMN-Grand Palais - Photo S. Nagy

素描・版画
17世紀

執筆:
Prat Louis-Antoine

ローマを終の棲家とすることにしたプッサンは、1644年から1648年まで、パリに住む友人フレアール・ド・シャントゥルーのために、秘跡をテーマとする七枚の絵画のシリーズを描いた。この素描は、七つの秘跡のうち最後の秘跡にあたる《終油》を主題とする絵画のための準備習作であるが、この《終油》を描いた絵画は、実はシリーズの中で最初に完成した(1664年)。この絵画は、サザーランド公爵のコレクションに所蔵され、エディンバラのスコットランド・ナショナル・ギャラリーに貸し出されている。

「アペレスのような偉大な画家にふさわしい」主題

プッサンは、1640年から1642年にかけてのパリ滞在以前に、最初の秘跡のシリーズを描いている。シャントゥルーの注文を受けて制作され、今日なお完全な形で残っている第2のシリーズは、1644年に描き始められた。シャントゥルーに書簡で制作の進捗状況を知らせていたプッサンは、1644年に取りかかった「終油」の主題が、古代で最も名を馳せたギリシアの画家「アペレスのような画家にこそふさわしい」と書いている。プッサンは、最期の秘跡を受ける人物の死を、初期キリスト教徒と初代教会を思わせる雰囲気の中に描き出している。

素描の名品

第2の秘跡のシリーズ中の《終油》のための準備習作として知られているのは、このルーヴル美術館所蔵の素描1枚のみである。この習作は、プッサンの素描の中で最も有名な素描の一つであり、よく複製され、展示される機会も多い。この作品は、プッサンの素描に対する考えをとりわけよく表している。すなわち、プッサンの関心は、個々の人物ではなく構図全体にあり、こうした構図を通して、いかに影と明るいマッス(塊)を配置するかということが重要であった。それゆえ、褐色淡彩で描くことは、群像と光を完璧に配置するために決定的な役割を果たしたのである。

独自の技法

プッサンは、絵画の構成要素を完璧に配置するためにきわめて独特な技法を用いた。プッサンは、遠近法に従ってものを見ることのできる箱の中に、蠟(ろう)や陶土で作り、衣襞で覆った登場人物の小さなモデルを配置し、その配置に満足するまでいろいろ動かしてみるのを常としていた。プッサンは、多少の光が入ってくるよう箱の側面を操作し、場面の照明の具合を変えることもできた。それゆえ、この印象深い素描における夜を思わせる雰囲気の美しさは、このプッサン独自の技法によるものである。

出典

PRAT Louis-Antoine, ROSENBERG Pierre, Nicolas Poussin 1594-1665 : Catalogue raisonné des dessins, 1994, II, n 248.

作品データ

  • ニコラ・プッサン(1594-1665年)

    《終油》

    1644年

  • 紙にペン、褐色インク、褐色の淡彩

    縦21.7 cm、横33.1 cm

  • エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクション。1741年パリでピエール・クロザ・コレクションの競売(963番の一部)があり、ピエール=ジャン・マリエットが購入。次いで1775年11月15日から1776年1月30日までパリでマリエット・コレクションの競売(1 320番)があり、国王美術品蒐集室が購入

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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