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《老人と少年の肖像》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
Depagniat Martine, Dominique Théibaut

少年と、赤鼻(鼻瘤)によって顔の形の変わったフィレンツェの老法律家の描かれた、観る者の心を動かすこの肖像画は、おそらく老人の死後に制作されたものと思われる。というのは、おそらくは臨終の床で、目を閉じたこの老人の顔を正面から描いたギルランダイオによる見事な素描画(ストックホルム、国立美術館)が残されているからである。同時にこの作品が、若さと老いという人生における二つの時期を対比させた寓意を示すものであるという可能性も棄てることはできない。

二重肖像画

窓辺に座った老人が、両腕に金髪の巻き毛の繊細な顔立ちの子供を抱いている。年老いた男の善良さと穏やかさに満ちた微笑と、子供の信頼のこもった視線およびその優しさに溢れたしぐさは、二人を結びつけている愛情を物語っている。一方で、二人の肖像の間には明らかな対比が存在している。肩の上で折られたカップッチョ(頭巾)からフィレンツェ貴族とわかる老人は、斜め前から、妥協のない写実性をもって描写されている。右側から彼の顔を照らし出す光によって、画家は老人の灰色の髪、額の疣(いぼ)、目の周りの皺や、病気(鼻瘤)によって変形した鼻を克明に描き出している。この老い、醜さ、病いを表す姿と対比されているのは、ほっそりとした鼻と上品な口元を備えた子供の横顔の純粋さなのである。

親密さの表れた雰囲気

緻密に描写された風景に向かって開いた開口部というモチーフは、フランドル絵画から採り入れられ、半世紀ほど前のフィリッポ・リッピ以来フィレンツェの肖像画家たちによってしばしば用いられていた。老人の毛皮で縁取られた衣服や子供の胴衣と縁なし帽の鮮やかな赤色が、青みがかった砂岩(ピエトラ・セレーナ)の壁の灰色の背景の上に浮かび上がっている。狭く区切られた場面の枠組み、二人の間に交わされる視線の胸を打つような力強さが、祖父とその孫の二重の肖像が醸し出す親密な雰囲気をさらに強めている。
しかしこの作品は実際に写生された肖像画なのだろうか?

記念としての肖像か

ストックホルムの国立美術館には、同様に鼻が変形した、おそらく死の床と思われる場所で目を閉じて横たわった姿で描かれた同じモデルの、素晴らしい素描画が保管されている。画家は亡くなった老人の後裔の一人の依頼によって、記念の意味で、おそらくこの緻密に描かれた下絵を用いて木板の上にこの肖像画を描いたものと考えられる。従って、描かれた少年は老人の孫とは限らず、架空の人物であって、その存在によって物語的で感情的な側面を作品に与えると同時に、先人の善良さや偉大さを称揚するためのものであるのかもしれない。
ギルランダイオの人並み外れた才能や、フレスコ画と同様に木板の絵画でも見事に人物像の個性を表現することのできる腕前によって、彼は15世紀末におけるフィレンツェ貴族から数多くの注文を受けることとなった。

出典

- THIEBAUT Dominique, "Un chef-d'oeuvre restauré : le portrait d'un vieillard et d'un jeune garcon de Domenico Ghirlandaio, 1449-1494", in  Revue du Louvre, 1996.

作品データ

  • ドメニコ・ギルランダイオ(フィレンツェ、1449-1494年)

    《老人と少年の肖像》

    1490年頃

  • 木板に卵を用いたテンペラ(?)

    縦 62cm、 横46cm

  • 1880年取得

    R.F. 266

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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