Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《聖カエキリアと譜面を持つ天使》

作品 《聖カエキリアと譜面を持つ天使》

絵画部門 : イタリア絵画

《聖カエキリアと譜面を持つ天使》

© 2010 RMN / Hervé Lewandowski

絵画
イタリア絵画

執筆:
Speranza Bastien

おそらくルドヴィーコ・ルドヴィージ枢機卿のために制作されたと思われるこの《聖カエキリア》は、1650-1660年頃フランスにもたらされた。その構図はラファエッロによる同じ主題を描いた作品(ボローニャ、国立絵画館所蔵)から想を得ている。

神聖なる音楽

聖カエキリアが、翼をもった天使の頭部で飾られた糸巻き部のある七弦の低音ヴィオルを支えている。彼女の横では、天使が楽譜を持って立っている。観る者は譜面の中に聖女の栄光を讃えた賛歌とヴィオルのための伴奏を読み取ることが出来る。聖女は楽器の伴奏に合わせて歌っているものの、楽譜は見ていない。彼女は神聖な音楽に霊感を受けているかのように、眼を天に向けている。
音楽の守護聖人である聖カエキリアの遺骸は奇跡的に保存されており、1599年にローマで発見された。ドメニキーノはこの絵画を彼がボローニャに戻った直後の1617年頃に描いている。画家がボローニャで感嘆の念を持って眺めたに違いないラファエッロの《聖カエキリア》(1514年)は、この作品におけるローマ風古典主義の原型となったのである。

マニエリスム的美しさ

作品は極度に安定した構図によって特徴付けられる。二人の人物像とヴィオルが、三つの垂直の塊を成している。楽器の曲線と反曲線が、聖女の膨らんだ衣服のラインやぽってりとした天使の輪郭線にも見受けられる。二つの身体は背景から前景に向かって「デクレシェンド」、すなわち次第に小さくなってゆく斜線に沿って重ね合わされているのである。垂直線に対して、弓と、楽器が置かれた大理石の台がなす水平の線が呼応している。この台はおそらく手すり、もしくは台座であろう。左から差し込む明かりは、黄金色の光を発し、ドレスの深紅の色調をさらに増している。聖女の顔の完璧な楕円形、衣装と頭部の綿密な細部描写や、両手の優美な繊細さは、この女性の肖像画に、きわめて凝った、洗練された美しさをもたらしている。

親しみやすい信仰のために

16-17世紀にかけて、対抗宗教改革の結果と反プロテスタント運動によって、聖人崇拝はカトリック界において加熱する一方であった。神と人類の真の仲介者として、聖人たちはより個人的な礼拝行為を具現化していたのである。その構図の壮大さにもかかわらず、ドメニキーノによるこの絵画はむしろ、描かれた主題と当時の観衆の間に親しみやすい信仰心を作り出すためのまさに典型的な作品の一例なのである。こうして聖女自身ではなくヴィオルを台座の上に据えることによって、画家は人類と神の世界の間のつながりとしての音楽の役割を強調しているのである。開かれた譜面は、観る者が天上の歌を歌う聖女に伴うことができるよう配慮している。その絵画を通して古代音楽の響きを再び見出そうと強く願ったドメニキーノは、これら二つの芸術を融合し、聖女、人類および神の間における神秘的な結合を表現する術を知っていたのである。

作品データ

  • ドメニコ・ザンピエーリ、通称ドメニキーノ(ボローニャ、1581年-ナポリ、1641年)

    《聖カエキリアと譜面を持つ天使》

    1617-1618年頃

  • 画布に油彩

    縦1.60m、横1.20m

  • ルイ14世コレクション(1662年取得)

    INV. 793

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー 17世紀前半のボローニャとローマの絵画
    展示室12

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する