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作品 《聖セバスティアヌス》

絵画部門 : イタリア絵画

《聖セバスティアヌス》

© 2008 RMN / René-Gabriel Ojéda

絵画
イタリア絵画

執筆:
Séverine Laborie

作品はオーベルニュ地方のエグペルス教会からもたらされた。この地方に作品が存在していたということは、絵画がマンテーニャの庇護者であったマントヴァ侯爵フェデリコ・ゴンザーガの娘と、モンパンシエ伯ジルベール・ド・ブルボンの婚姻を記念して贈られたことを説明している。作品はマンテーニャの古代に対する関心を反映し、彼の巧みな遠近法効果を例証している。下から捉えられた聖殉教者の身体は、観衆にその壮大さを見せ付けている。

礼拝用の絵画

ペストに対する守護聖人である聖セバスティアヌスに対する信仰は、15世紀において非常に盛んであった。伝統的な図像表現は、ここでは複数の古代への典拠の導入によって刷新されている。マンテーニャは自らの師スクァルチオーネやパドヴァの人文主義者との交流の影響もあって古代の再発見に専心していた。しかし、混合様式の柱頭や、風景に活気を与えている幻想的な建造物に見受けられるように、仔細な考古学的要素の引用は画家の自由な発想を妨げることはなかった。建築様式の混ざり合いは、人文主義者にとって重要であった主題である古代世界とキリスト教世界との間のつながりを表現している。作品における信仰的な要素も残っている。すなわち、聖人の足元の傍らに描かれた彫刻の足の断片は、異教世界に対するキリスト教世界の勝利を
犠牲によって象徴しているとともに、古典古代風の身体描写においても、無数の矢が突き刺さった下半身は伝統的図像表現に従ったものである。

細部描写へのこだわり

この作品は、マンテーニャが細部描写への完璧主義者的なこだわりを明示している。この専心は彼の作品群に見事な完成度をもたらしているが、同時に長期間の作業を強いた。作品は若きマンテーニャがフェッラーラで観たであろう数々のフランドル絵画の影響を彷彿とさせている。イタリアで油絵の具の使用が普及していた時期に、マンテーニャはより洗練された技術であるテンペラ画を画布に使用することを好み、この技法の効果はフレスコ画を思わせる艶のない表面をもたらすとともに、その鋭いデッサン、および、さまざまな形の輪郭や色彩の地味さを強調する不透明感などを際立たせている。完成品は、画家が1470-1485年の間に制作していた版画に近いものがある。形状の無機質さがもたらす衝撃は、同時にルネッサンスの主要芸術である彫刻作品を連想させる。もっとも、スクァルチオーネはそのかつての弟子について「彼の絵画は生きたモデルに全く似ておらず、古代の彫刻に似ている」と非難したと言われている。マンテーニャは晩年、古代の浮彫りをだまし絵の技法で描きながら、この手法を徹底的に守り抜くのである。

だまし絵の技法

彫刻であろうと飾り建造物(マントヴァの「夫婦の間」装飾における偽の円窓を参照)であろうと、マンテーニャはだまし絵の巨匠として認められている。マンテーニャのこの技巧は、この作品の中では斑(はん)岩の見せかけの枠に用いられ、絵画空間に虚構の開口部をもたらしている。これはアルベルティが『絵画論』(1435年)の中で展開した、絵画は現実に向かって開かれた扉であるという理論を喚起するものである。肩の位置で大胆に切り取られた二人の死刑執行人の姿は、このマンテーニャが好んだ、他の作品(《キリストの磔刑》INV 368)にも見ることができる錯覚の効果に一役買っている。観る者は射手らのいる位置へと導かれ、その視線を共有することになる。観る者は、目の前で壁のように立ちはだかる聖人の壮大な身体の前では小さな存在に過ぎない。非常に低い位置に設定された消失点、下方からの光景、熟達した短縮法は、この受刑者に壮大で厳粛な様相を与えている。

出典

- DE NICOLO SALMAZO Alberta , Mantegna, Citadelles et Mazenod, Paris, 2004.

- MARTINEAU Jane, Andrea Mantegna, catalogue de l’exposition, Londres, Royal Academy of art et New York, Metropolitan Museum of Art, 1992.

- CARAVAGLIA Niny, Tout l’œuvre peint de Mantegna, Flammarion, Paris, 1978.

作品データ

  • アンドレア・マンテーニャ(イーソラ・ディ・カルトゥーラ、1431年-マントヴァ、1506年)

    《聖セバスティアヌス》

    1480年頃

  • 麻の画布にテンペラ

    縦2.55m、横1.40m

  • 1910年取得

    R.F. 1766

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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