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《聖女カタリナの神秘の結婚》

© 2005 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
イタリア絵画

執筆:
Séverine Laborie

ローマもしくはボローニャで1527年頃下絵が制作されて未完成のまま留まっていたこの絵画は、ラファエッロによる《アルドブランディーニの聖母》(当時はボローニャ、今日ではロンドン、ナショナルギャラリー所蔵)の様式を横長の画布に展開し、そこに作品受取人の肖像もしくは自画像と考えられている聖ヨセフという思いがけない人物を加えている。

繰り返し描かれた主題

パルミジャニーノは『黄金伝説』の中に書かれている現実ではなく象徴的な出来事である幼子イエスが登場する聖女カタリナの神秘の結婚を少なくとも4回に渡って描いている。
1521年にバルディのサンタ・マリア教会祭壇のために最初の絵画を制作した際、パルミジャニーノは人物像を垂直に配置し、聖会話の少々堅苦しい様式を用いている。その後1524年以前にパルマで制作した絵画(その複製により知られる。多数の半身像がフリーズ状に配されている)と同様に、この作品の中で画家はコレッジォに近い様式を取り入れている。三点目の絵画(ロンドン、ナショナルギャラリー所蔵)は、1525年頃にローマで制作されたものと思われる。ここでは空間の大胆な効果がラファエッロやミケランジェロによる最も革新的な作品の影響を示している。
ルーヴルの作品はそれ以降に制作され、ラファエッロの影響は、そこでは一層練り上げられている。ピラミッド型の構図や頭を傾ける聖母のしぐさは、1510年頃に描かれたラファエッロによる《アルドブランディーニの聖母》に対する敬意を表わしている。

未完成に対する才能

ルーヴルの作品は、非常に自由な作風と、それが未完成であることから、1527-1530年の間、すなわちパルミジャニーノのボローニャ時代の特徴を示していると考えられる(アメリカ、フォースワース美術館所蔵の《聖母子》を参照)。おそらくこの作品は、今日紛失している絵画の下絵であろう。この絵画はその複製画(モスクワ、プーシキン美術館所蔵。さらに作者未詳の二点の異作がモデナとブカレストに保存されている)がその概要を伝えている。
仕上げの諸段階は、非常に滑らかな茶色の下絵(ヨセフの姿)から、より一層綿密な描写(葉むらの部分)へと進んでおり、同時に風変わりな色彩効果をもたらしている。
パルミジャニーノによって描かれた数多くの粗描(エスキス)は、その作品全体の中で二義的なものであるわけではなく、逆に、画家が多く制作した素描画や版画と同様、さまざまな観念を表現し伝えるための素描芸術の可能性に対するその理解を物語るものなのである。同時に、パルミジャニーノの粗描画は、筆致の巧妙さ、デッサンや色彩の優美さ、人物の容貌の気品によって、真の嗜好対象ともなった。

時宜を得た作品の取得

パルミジャニーノの作品の多くは資料の裏付けが少なく、正確な年譜の定義が非常で困難である。一方で、この小さな絵画が1992年に美術市場に出現した際、それをパルミジャニーノの作とすることには皆が賛同した。ルーヴルのコレクションには、パルミジャニーノとコレッジォの間でその作者論議がまだ決着を見ていない《青年の肖像》(INV 613)を除いてパルミジャニーノの作品が一点も存在しないことから、ルーヴル友の会はこの作品を美術館に寄贈することによって、惜しむべき欠如を埋め合わせたのである。こうしてこの作品の取得は、すでにルーヴル美術館内でコレッジォやマッツォーラ=ベドーリの作品が見事に形作っている、エミリア地方のマニエリスムの一大眺望図を、さらに完全なものとすることになった。作品は、画家の作風のおそらく転換点となる時期を示すものである。伸ばされた身体や聖母の頭部の洗練された姿は、《長い首の聖母》(フィレンツェ、ウフィツィ美術館所蔵)における造形的革新を告げているように思える。

出典

- FORNARI SCHIANCHI L., Parmigianino e il manierismo europeo, exposition Parme, Galleria nazionale, et Vienne Kunsthistorisches museum, 8 février-14 septembre 2003, Milan, Silvana Editoriale, 2003.

- SCALLIEREZ C., « Une ébauche de Parmesan (1503-1540) pour le Louvre, un don de la Société des Amis du Louvre », in Revue du Louvre et des Musées de France, n°5-6, 1994, pp. 27-38.

作品データ

  • フランチェスコ・マッツォーラ、通称パルミジャニーノ(パルマ、1503年-カザルマッジョーレ、1540年)

    《聖女カタリナの神秘の結婚》

    1527-1530年頃

  • 木(ポプラ材)に油彩

    縦21cm、横27cm

  • 1992年、ルーヴル友の会による寄贈

    R.F. 1992-411

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室8

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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