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《聖家族》

© 1997 RMN / Hervé Lewandowski

絵画
スペイン絵画

執筆:
De Vergnette François

この《聖家族》は聖母と幼子イエス、聖エリザベツと洗礼者ヨハネを、聖霊の鳩と父なる神の下でひとつにまとめ上げている。幼い洗礼者ヨハネが自らの従兄弟に差し出している葦の十字架は、成長したイエスに降りかかる受難を喚起している。この作品はムリーリョの成熟期に属しており、ラファエッロの作品から影響を受けた見事な穏やかさへ向けた様式への発展を示している。

家族、受難、三位一体

聖母マリアは膝上に立つ幼いイエスを抱き、優しい眼差しを注ぎながら洗礼者ヨハネと彼の母親である聖エリザベツからの礼拝を見せている。幼い洗礼者ヨハネが差し出した葦の十字架をイエスは片手で掴んでいる。この十字架と同様に前景に描かれた小羊は、キリストが被る受難を告げている。幼子イエスの頭上には聖霊の鳩が見受けられる。さらにその上のぽっかりと口を開けた厚雲の中からは、小天使に囲まれた父なる神が地上にいる家族たちに向かって両腕を広げている。これら三位一体の喚起は、同時にこの聖家族像に厳粛さをもたらしている。イエスとその従兄弟の出会いという主題は、とりわけラファエッロ(《美しき女庭師》ルーヴル美術館所蔵)といったルネッサンスの芸術家たちの関心を引き寄せた。この場面は洗礼者ヨハネはキリストの洗礼以前にキリストと出会っていないとする聖書の中には登場していないものの、フランシスコ会の文献『擬ボナヴェントゥーラの瞑想』には典拠されている。この著作によると、聖家族はエジプトへの逃避の後聖エリザベツのもとを訪れている。こうして二人の従兄弟は一緒に遊び、その際洗礼者ヨハネはすでにイエスに対して多大な敬意を示していたという。一方で聖家族と三位一体の結合は、バロック時代およびムリーリョ(《二つの聖家族》ロンドン、ナショナルギャラリー所蔵)の作品においては典型的なものである。

新たな宗教意識

スペイン黄金時代の最後の偉大な画家であるムリーリョは、セビーリャでその生涯を送り、そこで宗教画家としての名声を獲得した。彼は修道会のために複数の連作を制作している。個人の小礼拝室のために制作した信仰用の作品には、頻繁に聖母の姿が描かれている。《セビーリャの聖母》はその大きなサイズからも、どちらかと言うと教会のために制作された作品である。彼の作品の中では、これまでのスペイン人画家によって表現されてきたものとは非常に異なる宗教意識が現われている。こうして庶民的かつ愛情が篭もっているムリーリョの信仰心は、セビーリャにおける彼の成功を物語っている。同時に画家は、風俗画を彷彿とさせる作品(《乞食の少年》ルーヴル美術館所蔵)の中に道端の子供たちの姿を描き出している。

ムリーリョによる気品

1665-1675年の間に制作された《セビーリャの聖母》は、成熟期のムリーリョの様式と技術における典型的な作品である。彼の作品は、《天使の台所》(ルーヴル美術館所蔵)の中に認められるように、まずスルバランやリベーラから造形的な影響を受けている。その後1658年のマドリッドにおける滞在で、彼は当時のルネッサンスやフランドル画家の作品を研究し、それらは彼の作品の転換期を画した。《セビーリャの聖母》の中で、ムリーリョはラファエッロの主題から想を得ており、人物像をゆったりと組み合わせながらピラミッド型の構図を用いている。人物の姿は優美であると同時に自然な形式を備えている。作品の雰囲気は実に明るく、とりわけ聖母の衣装の薔薇色のように色彩は繊細である。画家の筆づかいは、《聖母の誕生》(ルーヴル美術館所蔵)のように、しなやかで柔らかい。

出典

- RESSORT Claudie, Écoles espagnole et portugaise, catalogue du département des peintures du musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2002, pp. 192-193.

作品データ

  • バルトロメー・エステバン・ムリーリョ(セビーリャ、1618-1682年)

    《聖家族》

    1665-1670年

    ルイ16世コレクション

  • カンヴァス、油彩

    縦2.40m、横1.90m

  • 1786年取得

    通称《セビーリャの聖母》

    INV. 930

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ムリーリョ スペインの黄金期 16‐17世紀
    展示室26

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左下に署名:Bartholom. Murillo F. Hispal