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作品 《聖家族と聖アンナ(?)と侍女》

素描・版画部門 : 17世紀

La Sainte Famille, avec sainte Anne (?) et une servante

RMN-Grand Palais - Photo T. Le Mage

素描・版画
17世紀

執筆:
Grollemund Hélène

誇張の一切ないこの《聖家族》は、マッス(塊)による構成と内省的な性格によって、ヨルダーンス初期の作風の特徴を示している。ここでヨルダーンスは、17世紀の特徴の一つである国際的な明暗表現の傾向に独自の解釈を与えている。

困難な特定

聖母は、作品中央に座り、膝に抱いた幼子イエスに乳をふくませている。画面右側では、聖ヨセフと老女が椅子に座り、聖母をじっと見つめているのに対し、左側では、侍女が蝋燭で場面を照らし出している。老女には持物(じもつ)がなく、それが誰かを特定するのは難しい。理論的には、老女は、聖家族とともに決まって登場する聖アンナか聖エリサベツと考えられる。ヨルダーンスは、聖家族と聖エリサベツを描いた二枚の素描では、洗礼者聖ヨハネの伝統的な持物である子羊を聖女に持たせたり(《聖家族と聖エリサベツ》、ロンドン、大英博物館)、あるいは聖女に天使を伴わせたりした(《聖家族と聖エリサベツと天使》、リール、美術館)。ルーヴル美術館所蔵の素描では、ヨルダーンスが、老女を特定するためのこうした持物を一切用いなかったので、老女は聖母の母である聖アンナであると考えられる。さらに、1974年以降ニューヨークの個人蔵になっている《聖家族と聖アンナと侍女》でもまた、聖アンナには特に持物はない。

2度にわたって制作された素描

この荘厳な素描は、2度にわたって制作されたと考えられている。主要部分の構想、すなわち聖母、聖ヨセフ、蝋燭を持った侍女からなる一まとまりは、ヨルダーンスがカラヴァッジオ風の光の効果と写実性にとりわけ惹かれていた1620年代頃に位置づけられる。ヨルダーンスは、画業の第二の時期のどこかで、老女の人物像をそこに加えて作品を拡大したと思われる。ヨルダーンスがこの素描に水彩と白のグワッシュで明るいタッチをほどこしたのは、おそらくその時であろう。

親密さを強調する光

この素描は、同年制作の《聖家族》を表した他の3枚の素描と同様、絵画とは直接関係がない。前述したニューヨークの素描や、アルベルティーナ美術館(ウィーン)の《聖母子と侍女》では、侍女が持つ蝋燭から広がった光が重要な役割を果たしている。こうした光は、影とは対照的に、立体感を強化し、より自然で親密な雰囲気をつくり出すのに一役買っている。アルベルティーナ美術館の素描も、ルーヴル美術館の素描や、1620年から1623年という同年代に制作され、オックスフォード(アシュモーリアン美術館)に所蔵されている《聖家族と聖アンナと侍女》と同様、その後拡大されたと考えられている。

出典

- CALVET Arlette, Dessins du Louvre, écoles allemande, flamande, hollandaise, Paris, 1968, n 62.

- d'HULST R.A., De tekeningen van Jacob Jordaens, Bruxelles, 1956, cat. n 31 et p. 126.

- d'HULST R.A., Jordaens Drawings, Bruxelles, 1974, n A57, pp. 150-151.

- d'HULST R.A., Jacob Jordaens (1593-1678), Anvers, Koninklijk Museum voor Schone Kunsten, 1993, n B9.

- JAFFE Michael, Jacob Jordaens, exp. Ottawa, National Gallery of Canada, 1968.

- SERULLAZ Arlette, Rubens, ses maîtres, ses élèves : dessins du musée du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1978, n 150.

作品データ

  • ヤコブ・ヨルダーンス(アントウェルペン、1593年-アントウェルペン、1678年)

    《聖家族と聖アンナ(?)と侍女》

    1620-1623年頃、その後拡大

  • 黒チョークとサンギーヌによる描線に褐色の淡彩、水彩と白のハイライト

    縦44.10 cm、横41.20 cm

  • シュシェ博士コレクション、エリザ・ジュイフ夫人コレクション、1929年に寄贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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