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作品 《聖母子と聖カルロ・ボルロメオと聖イグナティウス・デ・ロヨラ》

素描・版画部門 : 17世紀

Vierge et l'Enfant avec saint Charles Borromée et saint Ignace de Loyola

Musée du Louvre, dist. RMN-Grand Palais - Photo S. Nagy

素描・版画
17世紀

執筆:
Boyer Sarah

ルーヴル美術館所蔵の三枚の素描は、ローマのサンタ・マリーア・イン・ヴァリチェッラ教会のスパーダ礼拝堂の絵画(1674年頃)のための準備習作である。この素描は、構図の配置のための習作であるが、完成作の絵画からはかなり隔たっている。力強い筆遣いで素早く描かれたこの素描は、1670年代のマラッティの作風の特徴を示している。これに続くマラッティの20年間は、ある種のマニエリスムの跡をとどめるようになる。

細心の制作

この絵画は、一連の素描によって念入りに準備されている。聖カルロ・ボルロメオと聖イグナティウス・デ・ロヨラと聖母は、裸体モデルの写生に基づき、サンギーヌを駆使して素早く描かれている。ヴェールをかぶった男性モデルを基にして、聖母の体の線がなぞられているのに対し、衣装のドレープの裾は別の習作(全てデュッセルドルフ美術館所蔵)の対象になっている。マラッティは、聖カルロ・ボルロメオの頭部の習作(ベルリン、銅版画室)や、司教の衣服を纏った聖ボルロメオ(ウィンザー城)を描き、次いで衣襞の効果にこだわった(デュッセルドルフ美術館の2枚の素描)。ベルリンの素描の中で、聖イグナティウスの習作は、最終的な仕上がりに非常に近い。聖イグナティウスの手の細部を描いたジェノヴァの素描(パラッツォ・ロッソ、素描・版画室)が、このベルリンの素描を補完している。聖イグナティウスの手に関しては、デュッセルドルフ美術館所蔵のまた別のサンギーヌによる習作もある。これらの部分習作と絵画が近いことから、アルベルティーナ美術館(ウィーン)所蔵の素描や、コペンハーゲンの美術館所蔵のアトリエの模作あるいは素描に描かれたような、第3の全体習作の存在が推定される。1994年にルーヴル美術館は、それまで美術史家の目を逃れていた、このシリーズを締めくくるように見える別の習作を購入した。この素描によって、より落ち着いた対称的な構図に向かうマラッティの進化の様を辿ることができる。

スパーダ家の守護聖人

マラッティは、1670年代に多忙を極めた。マラッティは、大きな注文だけでも、1670年から1676年にかけて、アルティエーリ宮殿の天井装飾に携わり、1672年には祭壇画《聖母子とサルの聖フランチェスコとバーリの聖ニコラウス》(アンコーナ、公立絵画館)、およびサンタ・マリーア・ソープラ・ミネルヴァ教会の祭壇画《法王クレメンス10世の在位中に列聖された新しい5人の聖人を聖母に奉献する聖ペテロ》を描いている。様式的な観点から見れば、素早く力強い線描で描かれたこの時期の作品は、ある種のマニエリスムの跡をとどめることになるその後の20年間の画業(INV 3352 と Rf 4393)とは異なっている。マラッティのきわめて力強い部分習作は、次第に豊かになり、グィード・レーニやジョヴァンニ・ランフランコの影響を受けるようになる。ベルニーニは、マラッティを熱狂的に支持し、マラッティの絵の前である「教師」にむかって、「絵とはこのように描くものだ」と指摘したと言われる。

花開く10年間

マラッティは、1670年代に多忙を極めた。マラッティは、大きな注文だけでも、1670年から1676年にかけて、アルティエーリ宮殿の天井装飾に携わり、1672年には祭壇画《聖母子とサルの聖フランチェスコとバーリの聖ニコラウス》(アンコーナ、公立絵画館)、およびサンタ・マリーア・ソープラ・ミネルヴァ教会の祭壇画《法王クレメンス10世の在位中に列聖された新しい5人の聖人を聖母に奉献する聖ペテロ》を描いている。様式的な観点から見れば、素早く力強い線描で描かれたこの時期の作品は、ある種のマニエリスムの跡をとどめることになるその後の20年間の画業(INV 3352 と Rf 4393)とは異なっている。マラッティのきわめて力強い部分習作は、次第に豊かになり、グィード・レーニやジョヴァンニ・ランフランコの影響を受けるようになる。ベルニーニは、マラッティを熱狂的に支持し、マラッティの絵の前である「教師」にむかって、「絵とはこのように描くものだ」と指摘したと言われる。

出典

- BACOU Roseline, BEAN Jacob, Le Dessin à Rome au XVIIe siècle, 91e exposition du cabinet des Dessins, cat. exp. musée du Louvre, 24 mars-6 juin 1988, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1988, n 98.

- FIRST Blaženka, Carlo Maratta in barok na Slovenskem : pomen z Maratto povezane grafike za barocno religiozno slikarstvo na Slovenskem, Ljubljana, Založba ZRC, ZRC SAZU, Narodni muzej Slovenije, 2000.

- HARRIS Ann Sutherland, SCHAAR Eckhard, Kataloge des Kunstmuseums Düsseldorf, 3,1 Handzeichnungen. Die Handzeichnungen von Andrea Sacchi und Carlo Maratta, Düsseldorf, Kunstmuseum Düsseldorf, 1967, pp. 112-113 et p. 130.

- NIETO ALCAIDE Victor, Carlo Maratti : cuarenta y tres dibujos de tema religioso, Madrid, Real Academia de San Fernando, 1965.

- ORMESSON-PEUGEOT Domitilla (d'), La Rome baroque de Maratti à Piranèse : dessins du Louvre et des collections publiques françaises, 97e exposition du cabinet des Dessins, cat. exp. musée du Louvre, 15 novembre 1990-18 février 1991, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1991, n 20.

- WESTIN Jean Kathrin, A Documentary and Stylistic Investigation of the late Works of Carlo Maratti as seen in the Presentation Chapel in St. Peter's, Londres, Ann Arbor, University Microfilms International, 1982.

作品データ

  • カルロ・マラッティ(1625年、カメラーノ-1713年、ローマ)

    《聖母子と聖カルロ・ボルロメオと聖イグナティウス・デ・ロヨラ》

    1674年頃

  • サンギーヌによる輪郭線の下描きにペンと褐色インク、褐色の淡彩

    縦29.90 cm、横17.50 cm

  • C.デリ・オキアリ・コレクション、ピエール・クロザ・コレクション、ピエール=ジャン・マリエット・コレクション、1775年にパリでその競売(481番の一部)、国王美術品蒐集室のために購入

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

クロザが素描の右下にペンと褐色インクで書き込み:17マリエットによる台紙への飾り枠