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《聖母戴冠》

© 2006 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
イタリア絵画

執筆:
François Aline

この作品はティントレットがヴェネツィアの統領官邸の大評議会広間の装飾画コンクールのために制作した最初の図案である。天国を表現するのに、画家は、雲の中で半円形に展開する重なり合った複数の層の上に、聖母に冠を戴くキリストおよび、それを序列順に取り囲む12人の使徒、天使、教父、キリスト教の英雄たち、教皇、司教らを描いている。

演奏会のただ中での戴冠

『黄金伝説』によると、マリアは死後冠を授かるためにキリストの下へとたどり着く。教父、聖人、殉教者、教皇や司教がこの行事に参列するために集っている。ある序列に従って、彼らは半円形になって重なり合う雲の列の上に並んでいる。その頂点では、キリストの右側で栄光の玉座に座り、12人の使徒たちに囲まれた聖母が、自らの息子の手から冠を授かっている。聖霊の鳩が場面の上方に留まっている。この構図は天国を讃えたダンテの「天上の薔薇」(『神曲』第三歌)の構図を用いたものである。画面中央では天使の集団が歌を歌い、弦楽器や管楽器を奏でながら、この光景を称揚している。

渦巻くような光景

ティントレットはこの図案を1564年頃制作している。当時画家は円熟期に達していた。その大胆な作風は、下絵としてのこの絵画の中にも表れている。というのは、完璧なまでの幻視的表現による宇宙空間の中に、無数の恍惚とした人物像が描き込まれているとは言え、絶妙な光の明暗を施した、目もくらむような大作に対する画家の嗜好が、ここでは一つの新たな画法へと到達しているからである。明るい光と逆光の中に交互に配された雲の起伏や動きが、この劇的な効果に寄与している。この壮大な場面の中で、ティントレットは観る者をも巻き込み、無限の空間の前での感動をその胸に呼び起こすことを狙っているのである。

完成版の作品について

この作品は、ヴェネツィアの統領官邸の中の大評議会広間の演壇を飾っていた、14世紀パドヴァの画家グァリエントによるフレスコ画《天国》が損壊したため、代わって制作された絵画のための図案である。最終的な作品の注文を受けるまで、画家は約25年間待たされている。1577年12月20日に、激しい火災が宮殿の数々の作品を破壊し、その中にグァリエントの作品も含まれていたのである。場所の重要性から、議会は直ちにコンクールを企画することになる。ヴェロネーゼとフランチェスコ・バッサーノが共に審査に勝ち残ったのだが、彼らがフレスコ画を制作することはなかった。ヴェロネーゼの死後、1588年に、委員会はティントレットに依頼し、画家は息子とアトリエの助力を得ながら、幾つかの異作と共に、現在もその場に残されている巨大な作品を描いたのである。なお、ヴェローネのベヴィラクワ宮殿に保管されていた下絵のほうは、1799年にフランス軍法務官らによって持ち去られた。

作品データ

  • ヤコポ・ロブスティ、通称ティントレット(ヴェネツィア、1518-1594年)

    《聖母戴冠》

    1564年頃

    Esquisse peinte en 1582 à l'occasion du concours pour la décoration de la salle du Grand Conseil au palais des Doges à Venise.

  • 画布に油彩

    縦1.43m、横3.62m

  • 1798年ルーヴル収蔵

    通称《天国》

    INV. 570

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    国家の間
    展示室6

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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