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《脚付きグラス》

© 1987 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

この大きな脚付きグラスは、横向きの女の半身像と、銘「SUR TOUTE COHUSE(〔愛は〕すべてに〔打ち勝つ〕)」とを琺瑯で描いたものの組合わせにより飾られている。この銘の存在から、これが結婚の際の贈物ではないかと考えることができる。このグラスは、フランスに移り住んだイタリアのガラス職人たちによって一般に制作された「ヴェネチア風」作品の例である。

独特な形状

この飲み物用の大型グラスは、聖杯型をしている。このグラスは、かすかに灰色がかった透明なガラスを吹いて作ったものだ。グラスは、三つの部分、すなわち、三角形の杯、膨らみのある脚、そして円形の台座を、まだ熱いうちに接合して作られている。脚の形状は、フランスで作られたものとしては珍しいものである。白と青の飾り帯によって浮彫りの溝が表現され、赤の琺瑯の点描がそれぞれの帯を分けている。このグラスは、フランスでヴェネチア風作品を制作していたイタリアのガラス職人のものとされる一連のガラス作品のうちの一つである。それらの形状は様々であり、ヴェネチアのガラス細工にその起源をもっている。それは例えば、聖杯型の脚付きグラスや、飲み物用グラス、小鉢、水差し、水筒などである。これらの作品の特徴はその大きさであるが、当時のヴェネチアでは見ることのできなかった、制作上のある種の不器用さも、その印の一つである。

琺瑯引きの装飾

この杯には、一方の側では女の横顔が、もう一方の側では、起源未詳の紋章飾りが描かれている。これら二つの装飾は、「SUR TOUTE COHUSE」の銘を記した帯飾りによって結びつけられている。これはおそらく、結婚の際に贈られたグラスであり、肖像は若き新婦を表しているのであろう。この装飾は、上側では青の二重線、下側では同じ色の一重線により区切られている。装飾はどちらかと言えば素朴な出来であり、これはヴェネチアでは決して見られないものである。さらに、琺瑯の技法はヴェネチアのガラス細工との時代的な隔たりを物語っている。と言うのも、1550年頃のヴェネチアでは、他の装飾技法を採り入れ、この技法はすでに用いられなくなっていたからである。

フランスで活動したイタリア人ガラス職人の作品か

15世紀後半以降、ヴェネチアのガラス職人はガラスの純度を高め、完全に白く透明なガラス、すなわちクリスタル・ガラスを得ることに成功していた。16世紀には、「ヴェネチア風」ガラス細工はヨーロッパで大流行する。15世紀中頃より、北部イタリアからやってきたガラス職人がフランスに移り住むようになり、ヴェネチアの吹きガラスおよび装飾の技法を持ち込んでいた。例えば、16世紀半ばには、イタリア人ガラス職人たち(そのうち何人かはヴェネチア出身であった)が、1551年にアンリ2世によって創設されたサン=ジェルマン=アン=レーのガラス工房で雇われていたのである。他のガラス職人たちも、フランスの他の地方、とりわけヌヴェールにおいて活動した。と言うのもそこでは、マントヴァ公の弟ルイジ・ゴンザーガが1570年にイタリア人ガラス職人たちの移住地を作り上げていたからであり、その地域は大いに繁栄することとなった。

作品データ

  • 《脚付きグラス》

    16世紀後半

    フランス

  • 無色クリスタル・ガラス、吹き込み成形および琺瑯引き

    高さ14.5 cm、直径12 cm

  • 1883年、ダヴィリエにより寄贈

    OA 3111

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ソヴァジョ
    展示室18

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

銘:SUR TOUTE COHUSE[ママ](すべてに)