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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《腰掛けて左側を向き、右脚を折り曲げた裸体の青年》

Adolescent nu, assis, regardant à gauche, la jambe droite ployée

素描・版画
16世紀

執筆:
Mancini Federica

《裸体の青年》は、トスカナ地方にある、ポッジオ・ア・カイアーノのメディチ家邸のフレスコ画のための人物習作である。この装飾画を注文したのはロレンツォ・デ・メディチの子息、教皇レオ10世であり、1485年よりその邸宅の建築を始めさせた父の計画を、教皇はこうして完遂しようとしたのである。ルーヴルの素描は、アンドレア・デル・サルトおよびミケランジェロの作風を吸収し、それを自身の作風に融合させたポントルモのたゆみない研究をよく示している。

ポッジオ・ア・カイアーノのメディチ家邸:一族を挙げての造営計画

ロレンツォ・イル・マニーフィコは、ポッジオ・ア・カイアーノのメディチ家邸の創設者であり、そのためにルネサンスの大建築家の一人、ジュリアーノ・ダ・サンガッロを呼び寄せたのであった。しかし、1492年、ロレンツォは造営事業の結果を見ることなく世を去り、同時に事業も中断されるのである。1515年、メディチ家が再び権力の座に就くと、「古代風」邸宅の完成が最重要事項とされた。ウルビーノ公ロレンツォ(1492-1519年)に続きレオ10世が、代わる代わる、建築と装飾の継続のための指揮を取った。後に教皇クレメンス7世(1478-1534年)となる枢機卿ジューリオの助けもあって、レオ10世はフランチャビジオ、アンドレア・デル・サルト、ポントルモといった芸術家を募ることができた。ポントルモは、客間の二つの側壁のフレスコ画制作のために雇われたが、1521年レオ10世の死去により、その部屋は装飾が描かれた最初の、そして唯一の部屋となってしまう。1531年、クレメンス7世はカルッチに邸宅の装飾を完成させるよう依頼するが、教皇の突然の死によって、その制作は再び中断された。

《ウェルトゥムヌスとポモナ》

邸宅客間のフレスコ画の構想は、レオ10世の友人であったパオロ・ジョーヴィオ(1486-1552年)に委ねられる。事業のほうはウルビーノ公に続いてオッタヴィアーノ・デ・メディチにより指揮されることになるが、その理由は、一方ではオッタヴィアーノが芸術家らと親しかったからであり、他方では、この人物が制作上、図像表現の構想を理解するために不可欠な教養を有していたからであった。ルーヴルの素描は、リュネット(半円筒交差穹窿)に描かれた《ウェルトゥムヌスとポモナ》の中のプット(小児像)の一人のための準備習作である。この場面はオウィディウスの『変身物語』に基づいており、この物語では、おそらくはエトルリア起源の、植生の(なかでも果樹の)守護神ウェルトゥムヌスが、ニンフのポモナに対する愛を語っている。ポントルモの描いた《裸体の青年》が該当するのは、リュネットの中心部、円型窓の右上にトロンプ=ルイユ(だまし絵)で描かれた、旗を持って月桂樹の枝に腰掛けている少年である。左側に見える、この少年と対をなすもう一人の少年のための準備習作は、ルーヴルの素描裏面に描かれている。

アンドレア・デル・サルトだけでなくミケランジェロに負う技術

メディチ家邸でポントルモにより描かれたフレスコ画は、傑作とされている。ポントルモは、その素描を基に絵画を制作した際、例えば身体の描写を子供のそれに変えるなどの変更を加えているが、それでもこのルーヴルの習作は、熟練し、かつ、きわめて才能溢れる素描家のあらゆる資質を示しているのである。ポントルモは師のアンドレア・デル・サルトの手法を採り入れており、それは例えば、画面の端一杯まで占める人物像の構図や、輪郭線をわずかずつずらして徐々に理想の形態に近づいてゆく手法に表われている。だが、これらの要素にポントルモは、ぼかしによる一種の柔和さ、身体を照らす光の感覚、筋肉の細かな隆起の描写などを付け加えている。これは、ミケランジェロに負っている技術だ。この裸体の青年と、裏面の若者の素描が描かれる際にもっとも重要な役割を果たしたと思われるのは、何と言ってもヴァティカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の丸天井に描かれた裸体画である。

出典

- CORDELLIER Dominique, Hommage à Andrea del Sarto : LXXXVIIIe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2000, p. 112-113.

- COSTAMAGNA Philippe, Pontormo : catalogue raisonné de l'oeuvre peinte, Gallimard-Electa, 1994, p. 152-159.

- FASANO Andreina, Posséder et détruire : stratégies sexuelles dans l'art d'Occident, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2000, p. 51-53, 273, repr. 46.

- VIATTE Françoise, Collections de Louis XIV : Dessins, albums, manuscrits, cat. exp. Paris, musée de l'Orangerie, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1977, notice 33.

作品データ

  • ヤーコポ・カルッチ、通称ポントルモ(ポントルモ、1494年-フィレンツェ、1556年と 1557年の間)

    《腰掛けて左側を向き、右脚を折り曲げた裸体の青年》

    1519-1521年

  • 黒チョークおよび擦筆、白のハイライトの跡

    縦41.2 cm、横27.5 cm

  • エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクション、1671年に国王美術品蒐集室に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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