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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《若い女の横顔》

Tête de jeune femme, vue de profil

素描・版画
14-15世紀

執筆:
Hélène Grollemund

当初、フランドル地方の画家ヒューホ・ヴァン・デル・グースの作とされたこの素描は、続いて、ブルボン家お抱えの画家ジャン・エイと同一人物と言われるムランの画家の作とされた。この作品は、15世紀フランスの残存する数少ない素描画の一つであり、この作者の唯一の作品として現在知られているものである。素描は、聖母、聖女、あるいは作者未詳の二連祭壇画か三連祭壇画の寄進者像のための習作であると考えられている。

ヴァン・デル・グースの教え

素描家の注意は、モデルの横顔にのみ集中している。頭巾と襟の輪郭をざっと描いたのみで、若い女の顔立ちをなでる光の効果の方にこだわっている。立体感は、描線、点、重なり合う細かい刻み目などの組み合わせによって緻密に表わされ、それが、陰の部分から、左から来る光の部分への移行を絶妙に表現している。イギリスでこの素描を1935年に発見したA.E.ポッパムは、これをフランドル派の作品として発表し、こう述べている。「筆遣いに現われている躊躇と弱々しさは、これが、鋭気に富み自信に満ちた素描家、たとえば、ヒューホ・ヴァン・デル・グースその人のような素描家の作品であることを疑わせるのである。」

フランス人画家説

二年後、ジャック・デュポンは、ヴァン・デル・グースの影響を認めつつも、その「フランドル派のものではない優美さに打たれ」、この素描がフランス人画家の手になるものであるとの仮説を唱えた。というのも、内部から肉付けされた顔は、微妙な陰影と濃淡に富んでおり、確かな筆致ではっきりと立体感を強調するヴァン・デル・グースの素描とはかけ離れているからだ。1480年から1483年にかけて、枢機卿ジャン・ロランのため描かれた、ロラン・ドータン美術館の《降誕》との比較から、ジャック・デュポンはこの素描をムランの画家の作とした。そこには、純粋な描線で描かれた顔に、浮き出た瞼、鼻筋といった、いくつかの類似点が認められるのである。ムランの画家が用いたこのタイプの女性像は、ロンドンのナショナル・ギャラリーの《無原罪の御宿りの小祭壇画》における聖アンナ、および1490年から1491年頃に描かれた、ルーヴルのパネル画の中のマドレーヌ・ド・ブルゴーニュに付き添う聖マグダラのマリアにも、同様に認められる。しかしこれらの類似点にも関わらず、この素描の作者について再び議論されることとなり、ヴァン・デル・グースの作の模写であるとすら考えられた。

議論の尽きない画家の特定の問題

ルーヴルの素描は、その作者がオランダで知ったと思われる、ヒューホ・ヴァン・デル・グースの円熟期に当たる、1470年から1480年頃の作品の影響を示している。同様にそこには、フランス美術界の洗練と調和感、とりわけヴァル・ド・ロワールあるいはブールジュ地方のそれを見て取ることができる。その作者と推定されるムランの画家は、ブルボン家の古文書が破棄されてしまったために、永らく名を知られずにいた。この画家はジャン・ペレアル、次いで最近になって再提起された説だが、リヨン地方のガラス絵師、ジャン・プレヴォと同一人物だともされた。最も新しい仮説は、オランダの画家ジャン・エイの名を挙げている。ジャン・エイは、ブルボン公らと親交のあったジャン・ルメール・ド・ベルジュにより、その著書『望まれたものの嘆き』(1504年)の中で、ジャン・ド・パリ(ペレアル)と並ぶ存命中の唯一のフランス人大画家として賞賛されている。なお、ジャン・エイのただ一つの真作とされ、ブリュッセル(ベルギー王立美術館)に所蔵されている《エッケ・ホモ》は、ブルボン家のピエール2世の財務官のため、1494年にムランで描かれたものである。この絵の作風の分析により、それをムランの画家の作品に含めることが可能であり、同時にこの画家を、説得力ある方法で無名の状態から救い出すことができるのである。

出典

- POPHAM A.E., « Style of Hugo van der Goes, Profile Head of a Girl », Old Master Drawings, vol. 9, 1935, p. 63-64.

- DUPONT J., Les primitifs français (1350-1500), Paris, 1937.

- DUPONT J., « Profil de Jeune Femme, par le maître de Moulins », La Revue des Arts, 1957, n°3, p. 105-108.

- HUILLET D’ISTRIA M., Le Maître de Moulins, 1961, p. 36-38, ill. 37.

- STERLING Ch., « Du nouveau sur le Maître de Moulins », L’œil, n° 107, novembre 1963, note 10 p. 67.

- STERLING Ch., « Jean Hey le Maître de Moulins », Revue de l’Art, 1968/1-2, p. 27-33.

- VIATTE Fr., « Maître de Moulins (Jean Hey, peintre d’origine néerlandaise. Actif dans les dernières années du XVe siècle). Profil de jeune femme », Bulletin de la Société d’Emulation du Bourbonnais, 1er trimestre, 1981, p. 186-187.

- LORENTZ Ph., REGOND A., Jean Hey : Le Maître de Moulins, exp. Moulins, 1990.

- BUCK St., Die niederländischen Zeichnungen des 15. Jh. im Berliner Kupferstichikabinett : Kritischer Katalog, 2001, note 15 p. 312-313.

- CHATELET A., Jean Prévost : Le Maître de Moulins, Gallimard, 2001

作品データ

  • ジャン・エイ、ムランの画家と同一人物とされる(1472年からリヨンおよびムランで知られる-1504年以後に没)

    《若い女の横顔》

    1480-1490年頃

  • 地塗りされた紙に、ペンおよび褐色インク

    縦19 cm、横14.4 cm

  • アルフレッド・ジョウェット・コレクション(ヨークシャー)、1957年3月6日ロンドンで競売(26番)、ルーヴル友の会により落札後、ルーヴル美術館に寄贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

右下に、インクによる後世の書き込み:Pietro Perugino(ピエトロ・ペルジーノ)