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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《若い女の頭部》

Teresa Bucherelli, femme de Carlo Dolci, vue en buste

素描・版画
17世紀

執筆:
Bartolucci Sara

実際にモデルを写生したこの習作において、ドルチは、彼がとりわけ好んで描いた若い妻テレーザ・ブケレッリの肖像を制作した。この素描は、ドルチが描いた数多くの肖像画の見事な一例である。信仰深かったドルチは、顔の表情豊かな習作を、17世紀に一般的に行われていた女性の裸体習作とは対極的なものと捉えていた。

信仰深い画家

この素描には、蒐集家フィリッポ・バルディヌッチが「カルロ・ドルチによる妻の肖像画」と記しており、この肖像画の主題をはっきりと確定することができる。1654年にテレーザ・ブケレッリと結婚したドルチは、すでに38歳になっていた。妻の若々しい顔に常に創作意欲をかきたてられていたドルチは、他にも妻の肖像画を制作している(パリ、クストーディア財団;トリノ、ジェロージ伯爵コレクション)。ドルチは、肖像画の分野にとりわけ関心を示し、モデルの個性を念入りに研究した上で、顔の表情の豊かさを努めて強調することによって、肖像画を全く個人的なやり方で発展させた。この素描では、若い妻の栗色の大きな瞳がその顔を輝かせ、観者の注意を引く。ドルチは、同時代の説教師の教えを忠実に守る熱心なカトリック信者であり、フリーニやピニョーニといった画家のやり方に反発して、女性の裸体を描くことを拒否するが、その態度が蒐集家バルディヌッチに好ましく思われるところとなり、ドルチはその深い敬虔さによりバルディヌッチのお気に入りの画家の一人となる。確かにドルチは、解剖学のアカデミックな研究よりは、教訓的な意味をもたせた顔の表情を描く方を好んだのである。

悲壮さへの志向

ここでは、素早く太いサンギーヌ(赤褐色の素描用チョーク)の線描が、わずかに開いた唇の輪郭によって引き立てられる表現の柔らかさと飾り気のなさをよく表している。テレーザの服は、わずかにジグザグの描線によって構成されている。ドルチの素描として知られている例は、主として個々の人物像の習作であり、それがあるときは宗教的主題の絵画、あるときはモデルに基づいた肖像画のために用いられたのである。こうした素描の入念な制作ぶりは、厳密な構成に基づき、きわめて悲壮的な面を好んで強調して描かれた絵画作品の中に、その対応物を見ることができるが、それらは当時ドルチを有名にした特徴である。しかしながら、他の画家にもよくあるように、ドルチの素描は、絵画作品に比べはるかに気取ったところが少ない。こうしてドルチは、同じテレーザの顔を用いた宗教絵画に比べ、素描ではテレーザに十分に自然な感じを与えたのである。

出典

- BALDASSARRI Francesca, Carlo Dolci, Turino, 1995, pp.157-160.

- GOLDENBERG STOPPATO Lisa, Il Seicento fiorentino. Arte a Firenze da Ferdinando I a Cosimo III, Firenze, Cantini Edizioni d'Arte, 1986, 3 vol., n 2.322.

- MONBEIG-GOGUEL Catherine (sous la dir. de), Dessins baroques florentins du Musée du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1981, n 114, fig. 214.

作品データ

  • カルロ・ドルチ(フィレンツェ、1616 – 1686年)

    《若い女の頭部》

    1670年頃

  • 白地の紙にサンギーヌ

    縦26 cm、横20.2 cm

  • フィリッポ・バルディヌッチ・コレクション(第4巻、97頁)、フランチェスコ・サヴェーリョ・バルディヌッチ(フィリッポの子息)・コレクション、パンドルフォ・パンドルフィーニ・コレクション、カミッロ・パンドルフィーニ・コレクション、ロベルト・パンドルフィーニ・コレクション、アンジォーロ・パンドルフィーニ・コレクション、アンナ・エレオノーラ・パンドルフィーニ(フィリッポ・ストロッツィの妻)・コレクション、エレオノーラ・テレーザ・パンドルフィーニ・コレクション、1806年に画家フランソワ=グザヴィエ・ファーブルの調査報告に基づき、フィリッポ・ストロッツィの仲介により購入。

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

記載:Di Carlo Dolci, Ritratto di sua moglieおよび97番