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作品 《英国王チャールズ1世の肖像(1600‐1649)》

絵画部門 : フランドル絵画

《英国王チャールズ1世の肖像(1600‐1649)》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランドル絵画

執筆:
Collange Adeline

画家の英国時代、1635年頃に制作された傑作のひとつである。1638年に王によって、「狩場の」君主の肖像画という記録で支払われており、そこからも王家というよりは貴族的なーそれらしく優雅で上品なー様相が窺える(実際、王家の記章は作品の中に見当たらず、記載がされているのみである)。心に残る絵画的調和が、人物像(王と厩舎番)、動物(馬)と背景に描かれた風景の間に存在している。

狩り場の貴族

1638年にフランス語で画家によって書かれた手記によると、ヴァン・ダイクはここに「狩り場に向かう王」を描いていることになる。ティツィアーノ作品における騎馬肖像から深い感化を受けたルーベンスの助手を務めていた画家は、この作品の中で革新的な王室の図像学を展開している。すなわち、ここに描かれているのは所謂公式の王家の肖像画ではないのだ。チャールズ1世は短い休憩を取るために馬から降りたばかりのようで、二人の小姓が王の馬の手入れをしている。したがって王は優美な貴族、バルダサーレ・カスティリオーネがかの有名な著書の中で描写している上品な宮廷人のように描かれている。

王家の自身

しかしながら、一見くったくない様相を見せているこの優雅な肖像画は、同時に王家の栄華の象徴でもあるのだ。「Carolus.I.Rex Magnae Britanniae(英国を統治する王チャールズ1世)」、すなわちイングランドとスコットランド両国に君臨する英国王チャールズ1世と書かれた控えめなラテン語の記載もそれを示している。実際に王の衣装は簡単な狩にしては少々豪華過ぎる面がある。大きなつばの帽子、折り返しのついたブーツ、そしてとりわけ画家の巧みな光の演出によってきらびやかに輝く布地が見事な銀色の胴衣。王の姿は構図の位置をずらすことによって絶妙に引き立てられている。召使いたちは樹林の暗がりの中にいる一方で、チャールズ1世のシルエットは鮮やかに照らし出され、開けられた空の空間の中にくっきりと浮かび上がっている。王国の豊かな多様性を象徴する田園風な海辺の風景の上に、王の姿が突き出ている。君主の醸し出す全体的な雰囲気は貴族の持つ悠長さと王家の有する毅然さの巧みな折衷にあると言え、堂々と腰に当てられた手と、腰に差されて描写される剣と同じくらい気高い象徴である杖に置かれた手がそれを証明している。場面は微妙なローアングルで描かれており、半分高慢で人を見下す王の視線を強調している。

イギリス派の創設者

この肖像画は、君主が悲痛な最後を迎える10年ほど前である1635年頃に制作されたと考えられている。一方でヴァン・ダイクはアントウェルペンを後にし、ロンドンに最終的に居を構え、英国宮廷画家となる。作家によって制作された英国貴族階級を描いた無数の華々しい肖像画は、彼をイギリス派の創設者と鳴らしめた。貴族的な慎み深さと上品な豪華さは、とりわけジョシュア・レノルズやトマス・ゲインズバラといった画家達に影響を与えることになる。この作品がどのような途を経て17世紀フランスにもたらされたのか確かなことはわかっていないのだが、デュ・バリー伯爵夫人によって彼女のルーヴシエンヌの城のために購入され、その後チャールズ1世やルイ16世と同じ運命を辿ることになるとある君主に売却されたことがわかっている。

出典

- SCHNEIDER Norbert, L'Art du portrait, Editions Taschen, 2000, p.128-131.

作品データ

  • アントン・ヴァン・ダイク(アントウェルペン、1599年‐ロンドン、ブラックフライアース、1641年)

    《英国王チャールズ1世の肖像(1600‐1649)》

    1635年頃

  • カンヴァス、油彩

    縦2.66m、横2.07m

  • チャールズ1世コレクションの中には一切記載がないため、17世紀になってすぐ英国外に持ちだされたものと思われる。1738年以前からフランスでの存在が確認。1775年、ルイ16世によってデュ・バリー伯爵夫人のために収蔵。署名:A.VAN DIICK.F.

     

    INV. 1236

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ヴァン・デイク
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

(作品に当初から書かれていた)描かれている人物の身分を明かす記載:Carolus.I.Rex Magnae Britanniae.